2024年毎日書道展の入選作品は「磨礪」 です!

2024年の入選作品は「磨礪(まれい)」です。

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これは「菜根譚(洪自誠)」からの引用で、「刃物などをとぎみがくこと。転じて、学問や技芸などにはげむこと。」という意味です。

磨礪の後ろには「(磨礪)当如百煉之金 急就者非邃養」と続きます。

自分を鍛えるときは、金を精錬するときのようにじっくり時間をかけなければならない。速成ではどうしても底が浅くなる。」という意味です。

ちなみに「磨礪」は、実は2019年の日刻展で彫りたいと思っていた字句でした。だから結構前からネタ帳にストックしていました。

だけどいざ書体辞典でどんな字体にしようか調べたところ、どちらも似たような意味の漢字なので変化をつけづらいこと、漢字自体の画数も多くて彫りが細かくなりそうだったため、小さい板(サムホール)よりも大きい板でやったほうがよさそう…。

そしてどうせ大きな板でやるんだったら「磨礪」の後の「当如百煉之金 急就者非邃養」の文章も彫ったらいいんじゃないかと思いました。

だったら、(板のサイズ規制が緩い)社中展か毎日展でこのネタをやったほうがいい、ということで「曲則全」に変えたのでした。

ただ、毎日展に出品するなら、時間的な余裕がないと厳しいかなと。
ですが、2023年に硬筆書写1級・毛筆書写1級に合格したので、刻字制作にもある程度時間をかけられるようになりました。
それで今年は温めていた「磨礪当如百煉之金 急就者非邃養」で作品を作ろうと思ったんです。

製作の過程を写真で振り返ります↓

書稿(サイズは30×95cmなので、半切を3/4サイズに切って、さらに上を約5cm折ってから書いています。)

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籠字とり

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増粘剤を使って、板に紙をはりつける。この紙は仮名用のつるつるした半紙では代用できないのだそうだ(なのでいつも教室で先生から和紙のロール紙?みたいなものをわけてもらっている)

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増粘剤が乾いたあと。ここから捨彫りに入ります。

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捨彫り(過程)

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捨て彫りが8割くらい終わったところ

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本彫りに入ってある程度彫り終えたところですね。

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本彫りが終わったので、金箔をはる予定の文字に朱墨を塗ったところ。

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当初は背景色はクリムゾンレッドにする予定だったけど、塗った直後はなんか色が暗い、これだと東京都美術館ではあまり映えないような気がしたので、少し黄みがかった猩々緋(しょうじょうひ)を塗りなおしました。

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ただ掠れのところには、クリムゾンレッドを入れてます(彫りが浅い分、1段階暗い色をいれることで掠れ具合とか印影を強調できるかな…と思ったが、そうでもなかったw)

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金箔をはった直後↓ここから2~3日後にはがします。

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箔を落とした後。今回は額には入れないのでこれで完成です!

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入選は今回で3回目。入選はできても入賞へのハードルはまだまだ高そうな感じです。でも入賞できると表彰式に招待されるそうなので、いつかは佳作賞以上をとってみたいもんですね。

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