玄海全国書道展に出品する刻字作品が完成しました!(前編・書稿作成~本彫りまで)

社中展に出品する刻字作品がようやく完成しました!


今回の作品は、「禍福糾纆」―禍福(かふく)は糾(あざな)える縄の如し―です。

これは、「幸福と不幸は、より合わせた縄のように交互にやってくる」という意味です。(「史記」南越伝より)

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書稿作成

書体は当初は篆書体か金文をイメージしていたんですが、先生作の隷書の手本を見ると、隷書もいいなと思ったので、やっぱり隷書にしました。


手本を見ながら書いてみた↓

ただ、今回はあくまで刻字作品であって課題の臨書ではないので、お手本通りに綺麗に書くだけでは、味気ないつまらない作品になってしまう。

・線に揺らぎや変化をつける。
・太くできるところは太く
・細い線と太い線の差をつける
・掠れを出す。
・同じパーツ~しめすへん(右側)と糸へん(左側)が縦2文字ずつ続くので、それぞれの書き方を変える。


なので、今回は5~6号サイズくらいの中古の筆を2本持って書きました。
(※使い古しの筆は根本が二股に割れやすいので、その「割れ」が逆に刻字的に味のある掠れが出る。)
また、細い線が欲しいところは一本に持ち替えたりして。
敢えて「まっすぐではない、揺れのある線」を書くのに苦戦しました。

これは月例課題じゃなくて作品だから、綺麗に書かなくていい、できるだけ「遊び」の部分を入れてほしいといわれても…そういわれれば言われるほど、どうしても競書っぽくなっちゃうのよね~~(笑)
遊び心が上手く入れられないのは、やっぱり書道歴が浅いからなんだろうなぁ(;´∀`)

十数枚ほど書稿を書いてみて、どうにかしてこんな感じの書稿が出来上がりました↓

籠字とり

書稿の上にトレーシングペーパーをのせ、小筆を使って籠字をとります。

今回は掠れや揺らぎが多いので、籠字を取るのもけっこう時間がかかりました。

トレペを板に貼る。
(板は4枚発注しています)

トレペを貼る前に、ヤスリで板の表面と側面をサッと擦っておきます。
板の表面がザラザラしたままでは、絵具や箔が綺麗に乗らないのです。

透明な増粘剤を板に塗り、紙の上から刷毛でサーッと優しく伸ばしてはりつける。
先生にその透明なジェル状の物体は何なのか、以前にも聞いたけどよくわからない…化粧品などでも使われる物質なんだそうです。

でもこの増粘剤を使うと、後で紙をはがす時に簡単かつ綺麗にはがせるんです(水を含ませた布でふくと、跡が残らず且つ簡単にはがせる)

ただし増粘剤が多すぎると、刷毛で伸ばしたときにトレペが破れてしまうので注意!
(昨年は紙を破いてしまったw)
ちなみに今年も少し破れてしまった( ノД`)シクシク…

あと今回は、4枚の板を組み合わせた作品なので、縦横のラインがズレていないかどうかを確認しなくてはいけない。
(昨年は紙を貼った後に、字の縦軸がズレていることに気付き、鉛筆で修正する羽目になった。。。_| ̄|○)

トレペを貼った直後↓


貼った直後は透明ですが、約1~2時間後には乾きます(表面が白くなります)。

筋彫り・粗彫り

今回は、凸彫りと凹彫りを組み合わせた作品にします。
まずは彫るのに時間がかかる、凸彫り(背景を彫る)から。
漢字の線の外側約2ミリのところにノミを入れます。


そのラインに対して垂直に、鑿を入れる。表面を浅く削っていく(粗彫り)
粗彫りがだいたい終わったところ↓

福と糾は凹彫り(漢字を彫る)なので、凸とは逆に、漢字の内側約2ミリのところにノミを入れていきます。


粗彫りは表面をすくう程度で、浅くいれます。



4枚とも粗彫り(捨彫り)が入れ終わったところ↓


筋彫りと粗彫りで、おおよそ4時間くらいかかりました。

本彫り

線に対して垂直(~やや斜め)に深く鑿を入れ、その線に対して鑿を入れていきます。



このくらいの深さになるように彫ります。
どのくらい深く鑿を入れるかは、板の大きさや字の大きさによっても変わりますが、今回は板がそれほど大きくないので、わりと浅めでもよいそうです。
(だからといって楽という意味ではない)

線の長さに応じて、鑿は使い分ける。
大きく取れるところは太い鑿で、細かいところは小さな鑿で。




凸彫りは1枚約3時間、凹彫りは約2時間くらいかかりました。

掠れの部分を細か~~~く彫っていく&細部の処理に結構時間がかかりました。
細かいところは間違って削ってしまいやすいので、神経を使うんですね…。

落款も彫りました↓

次は色ぬり・箔貼り編に続く!

前編からの続き。色ぬり・箔貼り編です。 色塗り 凸彫りの方は、漢字の上の紙を水を塗って剥がします。 なお、凹彫りの背景の和紙はまだ剥がしません。 この和紙がマスキングの役割も兼ねている...

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