総合旅行業務取扱管理者の海外旅行実務では、英語が200点中40点分出題されます。
大問2つにつき小問が4つずつ、合計8問です。
・空欄補充(文脈にあった英単語を選ぶ)
・下線部の熟語に近い意味の単語を選ぶ
・英文に合致している(していない)日本語の選択肢を選ぶ
・条件書から(キャンセル料などの)料金を計算する
といった問題が出題されます。
レベルは概ね、英検2級~準2級相当と言われています。
海外旅行実務が鬼門になってしまう人と、さほど苦労せずに合格点が取れる人の差はひとえに英語です。
「英語は、総合旅行業務取扱管理者の試験科目「海外旅行実務」に含まれます。「海外旅行実務」200点満点のうち、英語の配点は約40点です。合格ラインは満点ではなく120点なので、英語であまり点数が取れなくても、合格を目指すことは充分可能と言えるでしょう。」
また、大原の海外旅行実務のテキストにも、「英語がまったく苦手という者は、語学に時間をかけて学習するよりも、他の海外旅行実務の分野で点を稼ぐことを考えて学習するほうが得策である。」と記載されています。
資格スクールの社会人向け講座(ユーキャン・LEC・フォーサイト・大原・ヒューマンアカデミー(たのまな)・トラベル&コンダクターカレッジ・JTB総研)を検索して見ても、総合旅行業務取扱管理者講座では、英語はあまり重要視されていない印象を受けました。
なので、資格スクールは、「英語が苦手な人は、英語の得点力アップを目指すよりも、それ以外の分野で120点を確保してください」というスタンスなのが伺えます。
それは間違ってはいません。
英語ができなくても、結局のところは、トータルで120点以上とれば合格できるのは事実です。
なので、「英語以外の科目で160点中120点を取る」という戦略は間違っていません。
勉強時間が取れない人はそうせざるを得ないですし、英語を捨てて他で120点を稼ぐのも立派な戦略ですので、そこは否定しません。
これがもし英語の配点が80点だったら、英語もある程度勉強しましょう、となるだろうし、10点や20点くらいだったら、迷わず捨てる人も増えそうです。
だけど40点の配点は結構微妙なところでして、英語を捨てて120点を確保するのも、英語をある程度勉強して点数を稼げるようにするのも、どちらも間違っていないからこそ、「英語はちゃんと対策をした方が良いか」と迷うのではないかと思います。
ただ、自分自身の体験を言えば、たとえ40点分の配点だとしても、英語をハナから完全に捨ててしまうのは勿体ないと思います。
さすがに試験まであと1ヶ月しかないような状況ならまだしも、特に、国内旅行に合格した翌年に総合旅行を受験するケースであれば、いっそのこと半年くらいは英語の勉強に時間を使っても損はしないでしょう。
30点~40点のアドバンテージは小さいようで結構大きいです。
特に、R2年度のように、航空料金や旅行実務で見慣れないタイプの問題が出て思うように点数が伸びない時、英語で安定的に点数が確保できる人は、英語でリカバリーが可能になります。
でも英語で点数が取れないと、英語以外の科目が難しかった時に、合格ラインギリギリの勝負になってしまいます。
幸い、英検1級やTOEIC900点台など、そこまでハイレベルな英語は求められません。せいぜい英検2級またはTOEIC600~700点レベルがあれば十分です。
英語は英検2級相当以上の読解力があれば、JATAのサイトにある過去問5年分(2問×5=10問)をgoogle翻訳を使用しながら自力で読みこなせるでしょう。
あとは旅行英語に関する知識を上乗せしていけば、コンスタントに6問以上正解できるようになります。
それに、今現在英語が出来ないといっても、中学・高校時代はそこそこ普通に英語が出来ていた人(大人になってから暫く英語を勉強していないので忘れている人)であれば、それこそTOEICや英検の勉強を半年やれば、高校生時代の長文読解力やスピードは取り戻せます。
また、海外旅行実務は80分で52問を解かなければいけない、その中には航空料金や時差の計算問題も含まれている、ということを忘れてはいけません。
英語の読解スピードもある程度求められるということです。
(管理人は全問解き終えた時には残り時間が2~3分ほどしかありませんでしたし、途中退室している人は殆どいませんでした。)
また、仮に英語を捨てるということは、英語以外の160点で確実に合格点(120点)をクリアする戦略を立てなくてはいけません。
ということは、空港コードや都市コードをはじめ、海外の鉄道、旅行用語の暗記にも力を入れなくてはいけませんし、観光資源の対策も、更により広く・深く突っ込んだところまで覚える必要が出てくるでしょう。
試験を受ける時のメンタルとしても、英語で稼げない分は他でなんとかしようと意気込みすぎてしまうと、想定外の難問が出たときに、過剰に動揺してしまい、普段解けるはずの問題でミスをする恐れがあります。
でも英語で得点が稼げる余裕があれば、多少難しい問題が出たとしても、落ち着いて問題を解くことができます。
というわけで、私個人の意見としては、「時間があるなら英語はある程度勉強しても損はしない」派です。
英語は総合旅行の試験対策を抜きにしても、できて損することはないので、やれる時間があるならやったほうがいいです。
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コメント
おはようございます。
よく調べ上げましたね。
>英語が苦手な人は、英語の得点力アップを目指すよりも、
それ以外の分野で120点を確保してください
確かにそのような指導方法はありそうですね。
>時間があるなら英語はある程度勉強しても損はしない
私も同感です。
総合旅行業務取扱管理者試験に限らず、
ある程度英語を知っておいた方が、
後々も何らかの形で役に立つと思われるからです。
ところで、miwaさんがご気分を損ねるかもしれませんが、
少し訂正させていただきたいと思います。
海外旅行実務(英語)は、『英検2級』ではなく、
『英検準2級程度』ですよ。
(私が見たほとんどのテキストで『英検準2級程度』の
文字を目にしました)
MTさん
個人的には、短期合格狙いは英語がそこそこできる人でないと厳しいと思っています。
そうでなければ、英語を勉強するにしても、英語以外の科目で120点を狙うにしても、どちらにしても3~6ヶ月の勉強が必要になるでしょうね。
あと、出題される英文自体のレベルは準2級相当であっても、試験時間の短さを考慮すると、ある程度のスピード(残り時間20分で長文読解の大問2つが解ける)が必要ですよね?
英検ではなくてTOEICを受けるにしても、準2レベル止まりだとreadingの問題を解くのが結構大変でしょうから、総合旅行の英語対策は英検2級を目安に勉強したほうがいいと思います。なので訂正はしません。
免除無しの方は国内地理、海外地理。免除ありの方でも海外地理を勉強しなくてはならない以上、英語を丸投げするのはリスクが高いかもしれませんね。地理は幅広く、運要素もあるので・・・
>ダークさん
地理は試験範囲の広さに対して問題が少なすぎるので、過去問やテキスト類をちゃんと勉強すれば6~7割(24~28点)は確保できるのでしょうが、それ以上の得点を安定的に確保するのはなかなか難しい(他の科目の失点をカバーするところまではいかない)と思います。