毛筆書写技能検定準2級・実技各課題の練習法とコツ

毛筆書写技能検定準2級の実技対策についてまとめました(※理論は硬筆書写準2級と同じなので省略します)

使用教材(書道セット除く)
毛筆書写技能検定の手びきと問題集  2019年度版(楽天kobo版 平成29年・平成30年の過去問題6回分が収録されている)
毛筆書写検定ガイド―文部科学省認定 (実技1・2級)
・毛筆書写技能検定準2級過去問題(令和元年度実施分3回、日本書写技能検定協会より購入)
・毛筆書写技能検定用半紙(100枚入り)×1(日本書写技能検定協会より購入)

練習・学習時間 約4週間・25時間程度
※自宅で実技の自主練習をした時間と、理論の勉強に使った時間。
書道教室に週1で通っている時間は除く。
※管理人のスペック:硬筆書写技能検定2級合格(2020年1月)
毛筆準2級受験時点での書道教室通学歴と級は約3年半・初段(一般部)。

実技第1問(楷書4文字)・実技第2問(行書4文字)

これは3級と同じタイプの課題なので、あまり特筆すべきことはありません。
ただ、3級に比べると、筆で書くのが難しい字が必ず1~2字含まれるので、しんにょう、曲げはねなど、苦手な字の基礎点画を集中的に練習しておくといいでしょう。

実技第3問(漢字かな交じり文)

これも、3級と難易度はあまり変わりません。約25字程度の文章を、3〜4行に分けて行書で書きます。
ただ、3級と決定的に違うのは、仮名を連綿で書いても良くなるところです。
連綿で書かなければダメ、ってわけではないので、連綿が書けないなら普通に書いてもよいのです。

ただし漢字が行書指定なので、仮名も行書に調和する形(やわらかめ)で書いた方が印象がよいと思います。
漢字が行書なのに、仮名がキッチリした書体だったら、チグハグに見えるからです。

そう考えると、平仮名の連綿の練習も多少はやっておいた方がよいと思います。
2~3か所程度、連綿が入っている方がパッと見で上手に見えるので。

実技第4問(古典の臨書)

準2級から新しく追加される課題です。準2級では、楷書(孔子廟堂碑・九成宮醴泉銘・皇甫府君碑・孟法師碑)の4つのうちから、1題が出題されます。

「手引き」や「ガイド」に載っている原帖を見ながら練習すれば大丈夫です。
上手く書けない字があれば、鉛筆で骨書きをして字の形を掴むとか、五体字類、アプリで調べるなどの工夫をするといいでしょう。

参考:過去に出題された古典

H30-1 孟法師碑「西王而可」
H30-2  九成宮醴泉銘「然昔之池」
H30-3  皇甫府君碑「時者見之」
R1-1 孔子廟堂碑「地平天成」
R1-2 孟法師碑「六気列仙」
R1-3 皇甫府君碑「皇甫府君」
R2-1(コロナで一般会場試験中止)
R2-2  孔子廟堂碑「預聞前史」

実技第5問(俳句)

準2級と2級で出題される課題です。

第2問のように、5・7・5で均等かつ真っ直ぐ、縦3行に書いても、それが理由で落ちることはないと思います。
ただ、毛筆書写検定ガイド1・2級には、散らし方の例が載っていますので、それを参考に練習してみるのも面白いと思います。
自由作品的な性格の課題ではあるので、ただ3行でまっすぐ書くよりは、レイアウトや書体を工夫した方がよいのでしょうが、無難に書いても合格はできます。

実技第6問(掲示文)

イメージとしては、硬筆書写準1級の掲示文(縦書き)の毛筆版という感じでしょうか。

3級の掲示文は2行だったので、それと比べると明らかに難化する問題であり、 個人的には、準2級のヤマ場はこの問題だと感じました。細筆で楷書または楷書に近い行書で多字数を書くのは、結構神経を使うからです。
もし仮に、書道教室で細字課題をやっていなかったら、私はこの課題でめちゃくちゃ苦戦したと思います。

鉛筆で下書き線を引いたりするのはダメですが、半紙に折り目をつけるのは可なので、レイアウト線に相当する部分に折り目をつけて、そのラインを目印に書くようにしていました。
かといって細かく折りすぎると、折り目の線に筆がひっかかって上手く書けないので、題字と項目、半分のラインくらいにしていました。

なお、私の字は小さめですが、これより大きく書いても全然問題ないです(むしろそうした方がいいです)。

要は掲示文としての体裁が取れているかどうかが大事なので、字が大きすぎて入らないとか、小さすぎてスペースが余ってしょうがない、といった事態にならないよう、体裁の良いレイアウトの練習も必要です。

幸い、準2級の課題は「カルチャー講座の案内」を書く課題で、パターンがほぼ固定されているようです。
「日時」「場所」「主催」「費用」「教室」「区役所」「図書館」「公民館」「円」「日・月・時」といった文字が毎回出ますので、これらの文字が上手に書けるよう、繰り返し練習しておくと安心できます。

★合格の最低基準(75点レベルの字)を把握しておこう

直近過去問(3回分)を購入すると、採点のポイントや、合格の上限・下限の答案例がのっています。
(手引きにも合格答案の例は載っていますが、上限の方は載っていないので)
やや割高かもしれませんが、これは事前に買っておくことをお勧めしたいです。

というのは、「準2級合格の最低ラインー75点相当の字」がどの程度のレベルを要求しているのか、事前に把握しておいたほうがよいからです。
どの課題も、手本なしで概ねこの最低ラインがクリアできてるのであれば、安心して受験ができます。

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