第39回日本刻字展に作品を出品しました!(後編:色塗り・箔貼り・額入れ)

色塗り

上の和紙をはがして、箔を貼る予定のところに朱墨を入れます。
落款のところにはチャイニーズレッドの絵具を入れます。

背景はアクリルガッシュの苺色(濃い赤紫色)を使用。

…これ、結構強い色だなぁw
和色なので、ショッキングピンクよりは落ち着いているとはいえ、なかなか彩度が高い色です(笑)

先生から「miwaさん、(落款に)チャイニーズレッド入れ忘れてない?」と聞かれたのですが、つまりは落款のチャイニーズレッドが目立たなくなってしまうほど、背景の赤味が強いってことね(笑)

苺色のみだとちょっとどキツイ感じがするけど、でも金箔を貼ると、苺色の鮮やかさと金色がマッチして落ち着くと思うんですよね。
刻字の場合、派手そうな色でも金箔を貼ったら大抵落ちつくのである(笑)

立体交差の部分には、青か緑系統の色を重ね塗りすることに。

背景の色が強い赤紫色なので、赤系統の色を入れるよりは、青か緑の方がメリハリがあって面白いんじゃないかと。
青も緑も金箔との相性がいいですしね。

手持ちの青・緑系統の絵の具(ビリジアン・ナイトブルー・キプロス)と、苺色を板の上に塗って比較検討した結果、あれっ?なんか案外キプロス良さそうじゃない!?ってことで、キプロスを上に載せていきます。

パソコンの画面の色見本で見るのと、実際板に塗った色の印象はちょっと違うんですよね。
だから実際に板に色を出して確認するのは大事かなと(2色以上使用する時は特にね)

キプロスを塗る前と塗った後を比較↓

青緑系統の色が入ることで、なんかちょっと締まりが出てきた感じがします。

そして字の上に金箔を貼ると、貼る前と貼った後ではまた印象が変わってくる…はず。

ちなみに先生からは「自分が作品を作る時はこういう色(苺色やキプロス)は絶対に選ばない。miwaさんはやっぱり若い人のセンスだよね。」と言われちゃいました。
(ただ、これは悪い意味ではなくて、そもそも自分の選択肢の中に苺色という色が存在していない、ということらしいです)

苺色にしろキプロスにしろ、毎回必ずといっていいほど、先生宅の絵具箱にはない色の絵具を持ってくるので、それはそれで「へーこんな色があるんだ!(この色を木に塗ったらこういう発色になるのね)」と面白がってる感じですw

箔貼り・箔落とし

今回は金箔のみを使用します。
プラチナ箔は前回(社中展)使用してみて、1枚あたりの値段が高い割には色が今一つ映えないと感じたので、プラチナは使わないことにしました。
銀箔は安いけど時間が経つにつれて酸化で黒くなってしまうしね。

箔を貼るところにカシューを乗せてうすーく伸ばします。
粘り気が出たら上に金箔を載せます。

金箔を貼って3日くらいすると、カシューが乾くので、柔らかい絵筆で余分な箔を落とします。

ある程度落とし終わった状態↓

ここまでくるとほぼ完成形が見えてきますね。あと一息!

やっぱり金箔を入れると、派手な色もいい感じに調和するもんです。
なので、旦那と「どんな派手な色を塗っても、金箔を貼ればだいたい解決する」と言い合ってますwww

額入れ

後ろからネジで止めたら完成です(∩´∀`)∩ワーイ!

日刻展は1/21(火)~1/26(日)まで、東京都美術館のロビー階第2・3展示室にて開催されます。
(最終日入場14:00まで/閉会14:30)

今年は入選でした↓

雅号で出品しようか、本名で出品しようかどうしようか迷って、結局本名のまま出品票を提出したのですが、先生が気を利かせて雅号に変更してくれたみたいです(葉書が雅号で届いたので)。

私のこの作品は、一般公募部門のどこかに飾られていますので、興味がありましたら探してみてください(笑)

モニター越しで見る色(写真撮影の角度や光の加減などによっても変わる)と、実際の発色は結構違うし、美術館で他の作品と一緒に並べられた実物は、また違った印象を受けると思います。

コメント

  1. よっちゃん より:

    miwaさんの
    才能・スキルは凄すぎです。
    レベルが高すぎてもうあ然。
    芸術性も素晴らしい。

    • miwa@管理人 miwa@管理人 より:

      よっちゃんさん
      ありがとうございます。
      こういう作品を作りたいなーと思ったときに、技術がまだまだ伴わないのがもどかしいですけど…。

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