色塗り
上の和紙をはがして、箔を貼る予定のところに朱墨を入れます。
落款のところにはチャイニーズレッドの絵具を入れます。
背景はアクリルガッシュの苺色(濃い赤紫色)を使用。
…これ、結構強い色だなぁw
和色なので、ショッキングピンクよりは落ち着いているとはいえ、なかなか彩度が高い色です(笑)
先生から「miwaさん、(落款に)チャイニーズレッド入れ忘れてない?」と聞かれたのですが、つまりは落款のチャイニーズレッドが目立たなくなってしまうほど、背景の赤味が強いってことね(笑)
苺色のみだとちょっとどキツイ感じがするけど、でも金箔を貼ると、苺色の鮮やかさと金色がマッチして落ち着くと思うんですよね。
刻字の場合、派手そうな色でも金箔を貼ったら大抵落ちつくのである(笑)
立体交差の部分には、青か緑系統の色を重ね塗りすることに。
背景の色が強い赤紫色なので、赤系統の色を入れるよりは、青か緑の方がメリハリがあって面白いんじゃないかと。
青も緑も金箔との相性がいいですしね。
手持ちの青・緑系統の絵の具(ビリジアン・ナイトブルー・キプロス)と、苺色を板の上に塗って比較検討した結果、あれっ?なんか案外キプロス良さそうじゃない!?ってことで、キプロスを上に載せていきます。
パソコンの画面の色見本で見るのと、実際板に塗った色の印象はちょっと違うんですよね。
だから実際に板に色を出して確認するのは大事かなと(2色以上使用する時は特にね)
キプロスを塗る前と塗った後を比較↓
青緑系統の色が入ることで、なんかちょっと締まりが出てきた感じがします。
そして字の上に金箔を貼ると、貼る前と貼った後ではまた印象が変わってくる…はず。
ちなみに先生からは「自分が作品を作る時はこういう色(苺色やキプロス)は絶対に選ばない。miwaさんはやっぱり若い人のセンスだよね。」と言われちゃいました。
(ただ、これは悪い意味ではなくて、そもそも自分の選択肢の中に苺色という色が存在していない、ということらしいです)
苺色にしろキプロスにしろ、毎回必ずといっていいほど、先生宅の絵具箱にはない色の絵具を持ってくるので、それはそれで「へーこんな色があるんだ!(この色を木に塗ったらこういう発色になるのね)」と面白がってる感じですw
箔貼り・箔落とし
今回は金箔のみを使用します。
プラチナ箔は前回(社中展)使用してみて、1枚あたりの値段が高い割には色が今一つ映えないと感じたので、プラチナは使わないことにしました。
銀箔は安いけど時間が経つにつれて酸化で黒くなってしまうしね。
箔を貼るところにカシューを乗せてうすーく伸ばします。
粘り気が出たら上に金箔を載せます。
金箔を貼って3日くらいすると、カシューが乾くので、柔らかい絵筆で余分な箔を落とします。
ある程度落とし終わった状態↓
ここまでくるとほぼ完成形が見えてきますね。あと一息!
やっぱり金箔を入れると、派手な色もいい感じに調和するもんです。
なので、旦那と「どんな派手な色を塗っても、金箔を貼ればだいたい解決する」と言い合ってますwww
額入れ
後ろからネジで止めたら完成です(∩´∀`)∩ワーイ!
日刻展は1/21(火)~1/26(日)まで、東京都美術館のロビー階第2・3展示室にて開催されます。
(最終日入場14:00まで/閉会14:30)
今年は入選でした↓
雅号で出品しようか、本名で出品しようかどうしようか迷って、結局本名のまま出品票を提出したのですが、先生が気を利かせて雅号に変更してくれたみたいです(葉書が雅号で届いたので)。
私のこの作品は、一般公募部門のどこかに飾られていますので、興味がありましたら探してみてください(笑)
モニター越しで見る色(写真撮影の角度や光の加減などによっても変わる)と、実際の発色は結構違うし、美術館で他の作品と一緒に並べられた実物は、また違った印象を受けると思います。
コメント
miwaさんの
才能・スキルは凄すぎです。
レベルが高すぎてもうあ然。
芸術性も素晴らしい。
よっちゃんさん
ありがとうございます。
こういう作品を作りたいなーと思ったときに、技術がまだまだ伴わないのがもどかしいですけど…。