刻字作品「鶏口牛後」の制作過程①(書稿作成→捨彫りまで)

今回日刻展に出品した作品は「鶏口牛後」です。

「鶏口となるも牛後となるなかれ」
大きな集団の末端になるより、小さな集団であってもトップとなる方が良い、という意味の四字熟語です。

…って、読めるかーーーい!

そりゃそうだよ。
だってコレ甲骨文字で書いてあるんだから、初見ではまず読めないのが普通です。
(※右から読みます。)

ただ、「鶏口牛後」だよって言われてみたら「あーなるほど!確かにそう見えなくもない!」って感じじゃないかなと思います。

だとしても「後」がなんでこんな字になるのかは意味不明だと思うがw

旦那からは「どうみても絵にしか見えない」と言われましたが、「パッと見は絵っぽいけど、本当は字を書いてるんだよ」という作品にしたかったんです。

今回この四字熟語を選んだ理由は…正直いうとあんまり深い意味はないです(え?)

書体字典を見ていたら、「今度は甲骨文字を彫ってみたいな~だとしたら動物系の漢字が入った熟語がいいな」ということで、「木鶏」と「鶏口牛後」で迷って、今回は「鶏口牛後」を選んだのでした。

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書稿作成

いただいた手本をもとに試行錯誤してみる。↓

そして先生の添削をもとに、筆を変えてもう1度書いてみる↓

私が最初に書いた書稿と、最終的な書稿を比べてみると、先生曰く「掠れがある方が味になる。この掠れを彫ったらすごく面白い作品になりそう」というじゃありませんか。

確かに、掠れのない書稿と掠れのある書稿を見比べると、線に掠れや揺れのある書稿の方が、「おっ!」と面白い感じというか、人間臭い感じがするから不思議です。

昔、少年ジャンプで連載されていた「アウターゾーン」という漫画で、人間の描いたハート型は線が震えていて形も歪だったのに対し、ロボットが書いたハートマークがキッチリとした左右対称でゆがみのない綺麗な形だったことから、ロボットを見破ったという話がありました(…ってこのブログの読者に、この話を知ってる人がどれだけいるのか!?)

人間の作る作品には、良くも悪くも歪な部分や欠けている箇所があるからこそ、味があると言えるのかもしれません。

ただ彫ったら面白そうと簡単に言うけど、実際に彫るのは大変なんですよコレww

籠字とり

和紙に小筆で字の周りを取っていきます。

今回は基本は凸彫り(漢字を残す)ですが、「牛」の字だけは凹で彫ります(漢字を彫る)。
本当は牛の字は籠字をとらなくてもいいけど、ここに牛の字を彫りますよ…というイメージとして一応一緒に取っています。

こうしてみると、全部凸彫りでもいいんじゃないかって感じがしますね~。

増粘剤で和紙を板に貼り付けます↓

時間が経つと、増粘剤が乾いて表面が白くなります。

捨彫り

まずは鶏・口・後の周りを彫っていきます。

↓牛の字も遠慮なく彫りますよ〜(勿体ない)

ある程度周りを彫り落としたら本彫りに入ります。続きはまた明日!

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