日商簿記1級・2級・3級試験であれば、右手(利き手)で4本指打法のタッチタイピングができるくらいのスピードがあれば十分です。
パソコンのキーボードでテンキーを打つようなイメージです。
テンキーのタッチタイピングができる人であれば、電卓もそこそこのスピードで打てると思います。
また、ある程度の打刻スピードに加えて、メモリーキー・GTキー・ラウンドセレクターなどの機能を一通り使いこなせるようにしておけば、少なくとも電卓打ちのスピードが原因で問題を解ききれなかった…という心配はしなくても済みます。
それは1級でも例外ではありません。
この記事を書いている管理人miwaは、一応、全経の電卓1級と二段を持っています(どちらも2017年7月取得)。
ただ、「簿記検定の前に電卓検定をやっておくべきか?」と聞かれると、自分としては、電卓検定の練習をやってよかったとは思いますが、必須ではないと思っています。
商業高校・専門学校に通っている生徒さんは、簿記と同様に珠算・電卓もカリキュラムに組み込まれているでしょうから、興味があろうがなかろうが、電卓検定の練習もせざるを得ないと思います。
ただ、一般社会人・大学生の簿記受験生は、電卓検定は興味があればやっても損はしませんが、興味がないor時間がなければスルーしても全然構わない、ということです。
というのは、電卓検定は電卓が速く正確に叩ければいいという、電卓打ちのテクニック(キーの使いわけ)・正確性・スピードが試されるだけの、良くも悪くもシンプルな試験だからです。
とりあえず、小学校で習う四則演算(加減乗除)が正しくできるのであれば、試験問題そのものは解けます。それ以上の計算テクニックは必要とされません。
あとはその計算(打刻)のスピードと正確性を両立する練習をひたすら積み上げていく…という感じです。
だけど、簿記検定は、仕訳・計算の手順・財務諸表の作成・企業会計基準・原価計算基準などのルールに従った計算ができるかどうかが問われる試験です。
また、問題文の意味と指示を正確に読み取る読解力も必要です。
いくら電卓が早く叩けたとしても、肝心の仕訳のルールや、計算の手順、財務諸表のどこに何の数字を入れたらよいのかがわかっていないと、せっかくの電卓スキルも生かしようがありません。
簿記検定でも、電卓打ちは遅いより速いほうが有利であるのは言うまでもありません。
当然、速いに越したことはないのです。
だけど、電卓速打ちのスキルは、計算・仕訳をちゃんと勉強してこそ生きてくるので、簿記の試験に受かりたいんだったら、やっぱり本命の簿記の過去問をきちんと勉強したほうがいいと思います。
それに、簿記の過去問を解いていくうちに、電卓を打つスピードもある程度鍛えられるので、そんなに心配しなくてもいいです。
ただ、もし電卓検定を通して電卓の練習をしてみたい、電卓検定でいえば、どのくらいのスキルがあれば足りるのか?といったことが気になるのであれば、全経の電卓能力検定3級~4級、あるいは日電検の電卓技能検定の3~4級あたりが妥当ではないかと思います。
全経にしろ日電検にしろ、3・4級であっても、そこそこのスピードが必要ですし、メモリーキー・GTキー・ラウンドセレクターを使った計算も要求されるので、それらのキーを使いこなす練習としてはちょうどよいレベルの試験だからです。
全経・日電検の電卓3・4級に合格できるくらいのスピードと正確性があれば、日商簿記1~3級でも「電卓を打つスピードが遅いせいで問題が解ききれなかった」という心配はしなくて済むようになるでしょう。
…とまぁ、こんな偉そうなことを言ってる管理人miwaは、日商簿記2級・3級の勉強をしていたとき(2009年~2010年頃)は、右手4本指での打刻はできたものの、実はメモリーキーやGTキーの使い方を知らなかったんですけどねw
単に「電卓を使えば、四則演算が楽になるよね」くらいにしか思ってなかった(笑)
それどころか、miwaが日商簿記3級の時に使っていた電卓なんて、近所のドン○ホーテで買った999円の特価品でしたからねwww
大きさこそ実務電卓と同じくらいのサイズの12桁電卓だったものの、ルート(√)キーもGTキーもついてない、ただデカいだけの電卓w
明らかに「ポケット電卓じゃなくて、とりあえず四則演算ができて、パソコンのテンキーと同じくらい大きければいいんでしょ?あっ!999円で大きい電卓が売ってる~!安くてラッキー♪」と、テキトーに買ったことがバレバレである(爆)
その後、全経簿記上級・銀行業務検定財務・建設業経理士1級などの勉強の過程(2012年~2013年)で、メモリーキーや定数計算をようやく覚え、電卓検定1級・段位の受験をきっかけに、GTキー(AC・Cキーの使い分け)を使った計算や、ラウンドセレクターの使い分けができるようになりました。
なので、電卓のキーがちゃんと使いこなせなくても、ある程度のスピードで打てるんだったら、日商簿記2・3級くらいまでだったらまぁ何とかなるっちゃあなる…ともいえます。
でも今振り返ってみると、「日商簿記2・3級を勉強しているときに、メモリーキーやGTキーが使えていたら、もう少し楽に勉強できたのに…。もっと早く知っていればよかったーー!!」とも思うんです。
3級はともかく、2級の工業簿記の個別原価計算・総合原価計算を、メモリーキーもGTキーも定数計算も使わずに計算していたなんて、「ちょwwwお前どんだけ要領悪いんだよ!そのやり方面倒くさすぎるだろ!」と2010年頃の自分にツッコミを入れてやりたいです(苦笑)
ただ、商業系の高校・専門学校に通っている人ならともかく、一般の社会人は、パソコンやソフトの使い方を教わる機会はそこそこあっても、電卓の使い方をきちんと教わる機会は、実はそれほど多くないと思うんですよ。
最近は表計算ソフトや財務会計システムで自動的に計算してくれることも多いですからね。
となると、電卓のメモリー・GT・定数計算などの使い方を知らないまま、四則演算機能しか知らずに電卓を使っている簿記受験生は、案外少なくないのかもしれません。
そういう意味では、簿記と並行して、電卓検定3・4級レベルの電卓の練習をしておくこと(メモリーキー・GTキーを使えるようにする、定数計算ができるようになること)は、一般社会人の簿記受験生にとっても、決して無駄ではないと思います。
電卓検定が必須とまでは言わないけど、簿記の勉強をしているこの機会に、実務電卓の機能を使えるようにする練習は、一通りやっておいて絶対に損はしません。
せっかくの機会ですから、1~3日くらいは電卓を練習する時間を作ってみるといいと思います。
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