「記事中にいろんな工具や部品の名前が出てくるけど、一体何を言ってるのかさっぱりわからない!」という方も多いと思うので、まずは初心者の方向けに、技能試験で使用する器具・部品の説明をします。(筆記試験でも出ます。)
ケーブル
左から VVF1.6㎜×2C VVF1.6㎜×3C VVF2.0㎜×2C EM-EEF2.0㎜×2C VVF2.0㎜×3C VVR2.0㎜×2C VVR1.6㎜×2C
VVFケーブル…600Vビニル絶縁ビニルシースケーブル平型(Vinyl insulated Vinyl sheathed Flat-type cable)
VVRケーブル…600Vビニル絶縁ビニルシースケーブル丸形(Vinyl insulated Vinyl sheathed Round-type cable)
EM-EEFケーブル…600V耐熱性ポリエチレンシースケーブル
試験当日の問題用紙の支給材料欄には 「600Vビニル絶縁ビニルシースケーブル平型、1.6mm、2心、長さ約1400mm」などと書かれています。
リングスリーブ・差込形コネクタ
電線同士をつなぐ部品です。
テキストの予想問題と、本試験の施工条件で大きく入れ替わる可能性がある箇所です。
(例)テキストでは、ジョイントAがリングスリーブ、ジョイントBが差込みコネクタ となっているところが、本試験ではAが差込みコネクタ・Bがリングスリーブで結線、という指示になることも多いので注意が必要。
ちなみに、二種の技能試験では大スリーブを使った課題は出題されません(過去問を見ても、一度も見たことがないです)。
でも大スリーブを使うとしたら、一体どんな問題になるのだろう(笑)
一体いくつランプを点滅させたら気が済むんだよ!みたいな感じですかねw
スイッチ・コンセント類
取り付け連用枠、タンブラスイッチ、位置表示確認灯付スイッチ、3路スイッチ、4路スイッチ
スイッチそのものには極性はありませんが、施工条件で指定されたらその指示に従ってください。
パイロットランプの接続は、常時接続・同時接続・異時接続の3パターンがありますが、現状の2種の技能試験では、常時接続と同時接続が出題されています。
コンセントには極性があるので、施工条件の指示にしたがって白線・黒線を接続します。間違えると重大欠陥でアウトです。
①と②のコンセントには極性があるので、白線(接地側)と黒線の接続を間違えないこと。
②のEET(接地極接地端子付きコンセント)と③の250Vコンセントは、裏の接地記号のあるところに緑のIV線をつなぎます。
引掛シーリング(角型・丸型)・ランプレセプタクル・露出型コンセント
いずれも極性のある器具なので、白線と黒線をつなぎ間違えたら一発アウトです。
※とはいっても、問題の施工条件には「コンセント及び引掛けシーリングの接地側極端子(N,W又は接地側と表示)には白色の電線を結線する」という指示があるので、それに従って白線をつなげばいいというだけの話です。
*参考動画
・器具の結線 露出型コンセント HOZANTOOL
・器具の結線 ランプレセプタクル HOZANTOOL
アウトレットボックス、ゴムブッシング、PF管、ねじなし電線管
27年度の場合は、13課題中、4題でアウトレットボックスが出題されました。
練習用の部品セットを買うと、最初は自分で穴をあけなくてはいけませんが、試験問題の施工条件には、すでに穴が開いている部分を使用してくださいと指示されます。
勝手に穴を開けると軽欠陥をとられます。
(なのに、試験当日、アウトレットボックスをカンカンカンカンと叩く音が響いていたのはなぜだwww)
参考動画
・金属管工事 アウトレットボックスにボックスコネクタを取り付ける方法 第2種電気工事士技能試験練習用動画
・金属管工事 ねじなしボックスコネクタに金属管を取り付ける方法 第2種電気工事士技能試験練習用動画
・アウトレットボックスと金属管を電気的に接続する方法 第2種電気工事士技能試験練習用動画
防護管・バインド線・端子台
防護管・バインド線:メタルラス壁を貫通する際に、感電防止のために行う措置です
参考:防護管の取り付け
端子台:自動点滅器、タイムスイッチ、漏電遮断器、リモコンリレーなどが出題されたときに、それらの代用品として配布されるものです。
器具・部品は通販でセット購入するのがおすすめ
問題集を見ながら、必要な部品を個別に全て買い揃えるのは、手間がかかるし面倒くさい(近所のホームセンターや電気屋で一括で揃えられるとは限らない)ので、電気工事士対策セットとなっているものを通販で購入したほうが効率がよいです。
※amazonや楽天で「平成●●年度 第二種電気工事士 部品セット」などと検索すればヒットするはずです。
もし完全独学で対策する場合は13課題につき2~3回分の作品が作れる部品セットを、講習会等で13課題を一通り作る予定がある人は1~2回分の部品セットを購入すれば十分足りるでしょう。
回数はケーブルの長さの差
この1・2・3回の回数差は何かというと、「ケーブルの長さの差」です。
どのセットを買っても、完成後に部品からケーブルを取り外して再利用する形になります。
管理人は技能講習に通っていたので、自宅練習用にamazonで1回分の部品セットを購入し、テキスト(すぃーっと合格)の支給材料を見ながら13課題分のケーブルをカットして使いました。(1.6×2と1.6×3のVVFケーブルは少し余ったので、余ったケーブルは外装剥ぎ・部品接続の練習に使いました。)
あとは破損した器具のスペアをバラで買う、本試験と同じ規格の物にこだわりたい場合などは、個別に器具・部品を買い足せばいいと思います。
・ニチフ 差込形コネクタ クイックロック QLX2-RCL
・明工社 レセップ E26口金
・電気工事士 試験 練習用 埋込取付枠(金属) 2枚セット
・電気工事士試験 練習用 ねじなし電線管 E19 10cmカット
・電気工事士試験 練習用 防護管・バインド線セット
作業時間を節約したい人は、ケーブル切り分けセットがおすすめ
プロサポート社の器具・ケーブルセット(第二種電工技能試験練習用器具+13課題切り分けセット)は本試験で実際に支給される器具・部品がセットになっている&ケーブルが13課題ごとに切り分けられていて便利です。
ちょっと高くても、こっちのセットを買えばよかった…。
他の部品セットに比べると、値段は若干高めですが、ケーブルの束から各課題ごとにケーブルをメジャーで測って切り分けていく作業は、地味に面倒くさかったです…。
時間もなんだか勿体なかったし、腕も痛くなっちゃった。
練習時間がとりにくい人ほど、既にケーブルが切り分けられているセットを買ったほうがいいでしょうね。
(いざ練習しようにも、まずは課題ごとにケーブルを切らなきゃいけない
のか…と思うと、ちょっとモチベーションが下がるような気がします。)
部品・ケーブルの購入を安く済ませたい人はオークションを利用する
部品・ケーブルセットは決して安いものではないため(1回分のセットが1万円以上します)、できるだけコストを抑えたい人もいるでしょう。
部品以外にも、指定工具一式も揃える必要もあるので、一発合格・完全独学だとしても4~5万円のコストがかかるからです。
多少手間がかかってもいい、欠陥品を掴まされるリスクは覚悟の上で、とにかくコストをおさえたい場合は、オークションを定期的にチェックするのがいいと思います。
2~3回練習できる部品セットを買ったものの、結局は1回しかやらなかった人が、セット品の余りを出品していることが多いのです。
(オークションをチェックするなら、技能試験が終わった後や、技能試験の結果発表が終わった後…7月下旬~9月中旬、12月上旬~1月下旬あたりがオススメですね。)
ちなみに、2種試験では、器具の配置や施工条件が変わったとしても、使用する部品やケーブルそのものは毎年ほぼ同じなので、過年度のセット品であっても十分事足りると思います。
※年度によっては、新たな器具やケーブルが新たに出題されることもありますが、その場合は単品で別途購入すれば大丈夫です。
コメント
みんな同じに見える( ̄。 ̄)覚えられるだろうか( ̄▽ ̄)。o0○
>ピタヤさん
練習していくうちにイヤでも覚えられますよ!
miwaさん、真夜中に失礼します。材料の確保(特に消耗品類)は、これから受験される多くの方の頭を悩ます問題ですよね。
1.6㎜のVVFケーブルは、①も②も多めに持った方が良いですね。13問1周分で、①のVVF1.6-2Cは約20m程、②のVVF1.6-3Cは約6m程使います。
特に①はホントによく使うので、100m巻きのケーブルを1本丸ごと買っても良いぐらいですね。(私は1本丸ごと使い切りました。w)
②のVVF1.6-3Cは、25~30mぐらいあれば十分でしょうか?外装を剥くと、電線管の問題(№11と№12)に使うIV線としても代用できますからね。その分を見込んでも、それで十分だと思います。
一方の2.0㎜のVVFケーブルは、意外とそれほど使わないので、③のVVF2.0-2Cで10mぐらい、⑤のVVF2.0-3Cなら3mもあれば十分ではないでしょうか?
VVRケーブル、EM-EEF(エコケーブル)、IV線、裸銅線は、単位作業の練習さえしっかりできれば、無理に必要長さ分を揃える必要はないと思います。裸銅線も、ケーブルから外装と絶縁被覆を剥いた銅線で間に合いますからね。
かえって、防護管取付用のバインド線の方が、代用できる線がないので、ある程度(最低でも1mぐらい)は持っていた方が良いですね。
あとは、リングスリーブの小で150~200本、中で30~40本、連用取付枠を10~20枚ぐらい揃えれば良いでしょうか?
リングスリーブの節約(特に小)のために、差込コネクタを2~3個余分に購入しておいても良いかもしれません。(それでも、中は意外と使わないので、4本用の差込コネクタは2つあれば十分です。)
連用取付枠は、ツメがすぐに折れてしまってモロいですから、意外と枚数を要しますね。私は延べ15枚の連用取付枠を使いました。
どちらかというと、パナソニック製よりは東芝製の方が、やや耐久性があるように感じるので、できれば東芝製の方がお薦めですね。(ただし、あまり無茶に使うと、東芝製でもツメがすぐ折れます。)
P.S.ダブルコンセントの写真、上下の向きが逆です。www
>甲種危険人物さん
私は技能講習で廃線をもらったり、自宅練習で使った廃材や残った電線を利用して輪作り・レセップ接続の個別練習をやりましたが、多少多めに持っていても損はしないですよね。
もしこの材料の中で、プラスαで買うとしたら、VVF1.6×2cとVVF1.6×3cと連用取付枠くらいですかね。あとは電線管の留めネジとか。
器具のスペアもいいけど、工具に金をかけたほうがいいような気がします。
(VVFストリッパーは2本持っていてもいいと思う)
>ダブルコンセントの写真、上下の向きが逆です
あらら!ホントだわ!!気づかなかった~~。
画像差し替えました。ご指摘ありがとうございます。
こんばんは。
筆記と技能の両方、東京都キャリアアップ講習会の抽選に通ってしまいました。
4月学科、5月技能です。
GWに複線図など勉強してから挑みますので、今年のGWはないかもしれません。
でも、この試験、何か意気込みがないと今一、取り組みにくい試験ですので、
それでいいのかしれません。
頑張ります。
>受験生Aさん
キャリアアップ講習、どっちも当選したんですね。よかったですね!
学科は講習で講義を受けるだけでなく自力で過去問を繰り返し解く必要はあるでしょうが、両方講習に通えば多分大丈夫だと思いますよ。
おはようございます。
miwaさんは最終的に公開問題の課題は何周されましたか?
私の場合、2周が完了したのですが、途中で間違いをすることがあり、
3周目突入です。
いろいろな体験談に技能を何回やった、どういう練習を個別にした、
どういう動画を見たなどは案外書いてありません。
以外に筆記の捨て問題についてしてやったりの体験談が多いです。
このあたりを教えてください。
また、技能は何時間くらいかけて勉強?しましたか?
平日、休日何時間で総合合計何時間、期間はいつからいつでしょうか?
>受験生Aさん
私は2週ですね。講習会で1周、自宅で1周。
電工筆記から実技までの間に、高圧ガス販売2種と消防設備士甲種4類を受けていたため、まとまった練習時間が甲4終了後の1週間。この1週間で、13作品+α(No.8のもう一つのバージョン)を本試験を想定して作るという感じでした。
講習会終了時点で、だいたい30分ちょいくらいで作品を作れるようになっていたので、あとは複線図書き(HPに載っている単線図をDLして、そこから脳内で複線図を描く→作業工程をイメージしていく)とか輪づくりの個別練習をやったり。
テキストで重大欠陥・軽微欠陥例を叩き込んだりしました。
講習+自宅練習で、だいたい45~50時間くらいです。
忙しいのにありがとうございます。
普通の講習会時期に受けて、急ピッチで演習されるパターンですね。
自分は「勉強時時期」を研究したほうで、筆記受験前に講習を始め、
完全に2ヶ月やることにしました。
それでも、2周完了した段階での取り組み方はmiwaさんの方が断然濃いものと思います。
取り組み方がすごい、プロです。
参考にし、取り組んでみます。
>受験生Aさん
一つ間違えると全部落ちるリスクがある綱渡りなので、あんまりオススメのできない方法ですねw