財務3級では財務諸表問題が30問、財務分析問題が20問出題されます。
財務諸表…計算問題と会計学理論の5肢択一問題が半分ずつくらい。
計算問題でよく出るのは、商品在庫(移動平均法・総平均法・先入先出法)・期末棚卸資産額・利益額(売上総利益・営業利益・経常利益)・減価償却費(定率法)・保険差損益・為替差損益・減損損失といったところです。
財務分析…計算問題と択一式の知識問題が出ます。
収益性分析・安全性分析・生産性分析・損益分岐点分析・キャッシュフロー計算書等、計算問題の方が多いです。
過去問題から外れた問題は少なく、難問・奇問も少ないです。
ある程度簿記の基礎知識がわかっている人(日商簿記2級レベル所持者)が、財務3級問題解説集に載っている問題を完璧にとけるようになれれば8割は難なく得点はできるでしょう。
1~2割は過去問題では見たことがない論点が出ますので、満点(≒個人賞)を狙うなら財務3級 受験対策シリーズの例題も解けるようにしたほうがいいです。
注意点…勘定科目の分類を覚えること。
流動資産・固定資産(有形・無形・投資その他)・繰延資産
流動負債・固定負債
純資産(株主資本・評価換算差額等・新株予約権)
費用(販売費及び一般管理費、営業外費用、特別損失)
収益(営業外収益、特別利益)
勘定科目がどの項目に分類されるのかをキッチリ覚えましょう。
特に、流動と固定の分類は要注意です(正常営業循環基準と1年基準)。
財務諸表では「営業外費用に該当しないものはなにか」「無形固定資産の金額はいくらか」「投資その他の資産の金額はいくらか」「勘定科目と分類の組合せで誤っているものを選べ」「経常利益を計算しなさい」といった問題が数問出るので、勘定科目の分類がわかっていないと得点できません。
また、財務分析においても、どれが流動資産でどれが流動負債なのか、勘定科目の分類がわかっていないと正しい分析できません(流動比率や当座比率など)。
財務3級の難易度
★★★☆☆☆(C 普通)
日商簿記2・3級を持っている人にとっては決して難しい試験ではありませんが、3級とはいえ試験で出題される論点は日商簿記1級の商業簿記・会計学で出題される論点が少なくないので注意が必要です。
日商簿記1・2・3級のように、級が上がるごとに難しい論点が追加されるというわけではなく、財務3級であっても日商簿記1級で出題される論点(有価証券・減損会計・リース会計・資産除去債務・退職給付会計・税効果会計・連結・外貨換算・キャッシュフロー計算書)+財務分析が出題されるので、「3級=所詮日商簿記2~3級レベルでしょ?」と思いこむのは危険です。
財務3級を持っていても日商簿記3級にすら落ちる人もいるし、日商簿記2級を持っていても財務3級に落ちる人もいます。逆に日商簿記3級を持っていなくても財務3級に合格できる人もいます。
簿記の知識を持っていると有利なのは事実ですけど、財務3級の出題傾向に沿った勉強が必要です。
2級と3級の難易度差はどのくらい?
3級と2級の難易度差は何かというと、回答形式が択一式か記述式かの違いであって、日商簿記2級⇒1級のように、出題範囲が3~4倍に増えるわけではありません。
計算問題の答えを5択の中からそれっぽい値を選べる・消去法で正解にだどりつけるのが3級、ピンポイントで計算問題に正解しなければならない&一つ間違えると芋づる式に大量失点の危険性があるのが2級、です。
合格証書
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