「とめはねっ!」で学ぶ書道上達のコツ②:羊毛の筆の値段が高い理由/初心者にお勧めの筆

書道の筆といっても、筆の値段はピンキリなので、どういう筆を選べばいいのか、困ってしまう人も多いと思います。
100円ショップにも筆は売っていますし、西友やヨーカドーの文具コーナーでも、数百円で筆が売っています。

そこで大人の初心者の方にとっては、「100円ショップの筆があまりよくないのは何となくわからなくもないけど、だったら最低どのくらいの値段の筆を買えばいいの?」と疑問に感じるのではないかと思います。

「この筆は最初は弾力性がないのだが、つかい続けていくと墨に含まれている膠を毛が吸っていき、次第に弾力性がついていくという特性をもっているのだ。つまりつかえば使うほど良くなっていく。(中略)墨汁には膠は入ってないからね。そうやって育てていった羊の筆は二十年三十年とつかえるわけだ。」


「キミたちの場合、墨汁をつかってどんどん練習するんじゃないかね?だったら高い羊毫筆は宝のもちぐされだ」
「兼毛とは2種類以上の動物の毛を組み合わせていること。そうして硬さや弾力を適度に調節しているというワケだ。それは白馬と羊の兼毛で、初心者が漢字を書くのに適しておる。」
2巻P188・P194

そうそう!確かに純正の羊毫筆は高いんですよ!!
初めて買ったのが1万円、次に買った2本目が1万5千円(笑)
値段の面からもお勧めできませんけど、値段以外の面でも、初心者にとっては筆の扱いが難しいのでお勧めできません。

高校生以上の大人の初心者だったら、一本1500円~2000円くらいの、兼毛でほどよい弾力のある筆が一番使いやすいと思います。
程よくバネが効くけど硬すぎないので、楷書・行書・草書の三体を書くのに使えるからです。
ただこのタイプの筆は、一般的な小中学生向けの文具コーナーではあまり取り扱いがないので、書道用品の専門店(鳩居堂やキョー和など)で買うのがいいと思います。(まぁ書道教室に通うと、先生が初心者用の筆をお勧めしてくれるでしょうから、最初はそれを使えばハズレはないかと思います。)

私も、普段半紙での練習では2000円くらいの兼毛の筆を使ってます。
一方、条幅で行書や草書を書くときは、1万円の羊毛筆と4千円の初心者用の羊毛筆と併用していますし、行草の多字数を書くときは1万5千円の羊毛の長峰を使ってます。

純正の羊毛筆はとにかく筆が柔らかいので、筆のバネが効かないから、自分で筆を回転させたり、浮かせたりしながら、文字の太さ/細さを調整しなくてはいけないんです。
でも、筆の扱いに慣れてきたら、味のある柔らかい線、細い・太い・渇潤の変化、ダイナミックな表現など、表現の幅が広がります。
なので、行書・草書の多字数の作品を書くときに向いているのです。
でも楷書や隷書の作品を書くときには、もう少し固めの筆のほうが書きやすいでしょう。

ちなみに私は、羊毛筆に使い慣れるまで半年~1年くらいかかりました。
ただそれは条幅の作品制作、行書・行草体の書き方もまだ慣れていなかったため、余計に時間がかかってしまったからです。
なので、行書や草書体の書き方に慣れている人でしたら、もう少し早く使いこなせるようになると思います。

いずれにしても、その人の技量またはどの書体を書くのかによって、適切な筆は変わるということです。

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