TOEICで465点→560点→600点→725点→780点→835点までスコアを上げた勉強法について、いくつか書いてみたいと思います。
まずは使用した問題集について。
必須の問題集:直近の公式問題集(3〜5冊)
TOEICの公式問題集は、何だかんだ言っても一番本試験の出題傾向に沿っているし、難易度も本試験のレベルに近いです。
なので、公式問題集は必須です。
というか私が835点をクリアした時は、公式問題集3~7までの5冊(合計10回分のテスト)について、それぞれ90%~98%の正解率で解ける状態だったんですよね。
初見で解いたときの正答率は8割前後で、2~3回復習して95%前後の正答率に持っていった…という感じでした。
なので、800点以上を目指したい人は、「直近の公式問題集3〜5冊を初見で8割以上正解できるようにする」のを目標にすると良いと思います。
公式問題集を解く前の下準備〜「特急シリーズ」で基礎を固める
とはいえ、学生時代に英語が苦手だった人や、英語学習のブランクが長い人にとっては、TOEICの公式問題集を初めて解いてみると、解ける問題よりも解けない問題のほうが多いと思います。
また、TOEICは1回あたりの試験問題が200問(リスニング100問・リーディング100問)もあり、英検と比べるとかなりボリュームのある試験です。
それに、英検と比べても、リスニングの音声のスピードが速いと感じました。
(というかTOEICに慣れた後に英検2級のリスニングの音声を聞いたら「なんかずいぶんゆっくり喋ってるな!」と感じた)
そんなわけで、2019年1月時点の管理人のように、英語の勉強から10年以上のブランクがある大人は、いきなり公式問題集に真っ向から取り組んではいけません。
わからないことが多すぎる状態で公式問題集を解くのはハッキリ言うとただの苦行です。
あまりにもできない・わからない問題が多すぎると、点数が取れるようになる前に勉強そのものに嫌気がさしてしまい、スコアアップの前に挫折してしまいかねない。
ですので、公式問題集に取り組む前に、単語・文法・読解・リスニングのベースを作っておくこと、出題傾向や頻出論点をインプットすることをお勧めしたいです。
公式問題集はそれから取り組んでも遅くありません。
そのベースを作るにあたってお勧めしたい教材は、朝日新聞出版の「特急シリーズ」です。
これらの問題集は、一冊につき100問~200問程度とコンパクトにまとめられているので、短期間で重要問題を繰り返し解けるのが長所です。
本のサイズも文庫本サイズに近いので(縦17.2 x 横10.7)、通勤電車で読んだり、隙間時間で勉強するのも苦になりません。
それでいて、TOEICの頻出パターン問題が過不足なく網羅されているので、効率よく学習ができるのです。
ですが特急シリーズは結構いろんなタイプの本が売られているので、本屋に行くと「この中から一体どれをやったらいいの?全部やらないとダメなの?」などと迷ってしまいやすいです。
私が重点的に利用した特急シリーズは、
①出る単特急 金のフレーズ
②パート1・2特急Ⅱ 出る問難問240
③パート3・4特急 実力養成ドリル
④文法特急
⑤パート6特急 新形式ドリル
⑥読解特急
⑦読解特急5 ダブルパッセージ編
⑧読解特急6 トリプルパッセージ編
の8冊です。
それぞれの本について、使用時期・必須度などをもう少し詳しく書いてみたいと思います。
①金のフレーズ 必須度★★★★★
これは勉強の初期段階からずっと使います。
一番最初に取り組むべきTOEICの教材は「金のフレーズ」で間違い無いでしょう。
この1冊(約1000語プラスα)を覚えるだけでも、公式問題集の問題の9割はカバーできます。
まずはこの本に載ってる単語と例文をきちんと叩き込んでください。
ただ単に単語を覚えるだけでなく、例文や類語もすべて覚えて、解説も読み込むといいです。音声も利用しましょう。
②パート1・2特急Ⅱ 出る問難問240 必須度★★★★☆
パート1が40問、パート2が200問収録された問題集です。
「難問」とありますが、実際にはそこまで難しくないです。
一部、公式問題集よりも難しい問題もあるかな?という程度でした。
とはいえ、勉強の初期段階でいきなりコレを解くのはちょっとしんどいと思うので、最初は本(日本語訳と解説の部分)を読みながら音声を聞くところから取り組むのがいいでしょう。
また、全文ディクテーションで音声を聞き取る練習をやってみると、聞き取り能力がアップします。実際に問題演習を始めるのはそれからでも遅くありません。
③パート3・4特急 実力養成ドリル 必須度★★★★☆
パート3とパート4がそれぞれ20題、新形式になって追加された問題が17題収録されています。
この問題集は「穴埋めディクテーション」ができるので、いきなり問題を解くよりも、まずは穴埋めディクテーションから取り組むといいでしょう。
というかパート3と4の全文ディクテーションをやるのはすごく面倒くさいので穴埋めだけでもいいような気がしますw
④文法特急(新版) 必須度★★★★★
パート5の問題が125問、パート6の問題が7題(28問)収録されています。
パート5に関しては、まずこの1冊を全問解けるようにすれば十分です。
パート5対策問題集は、「文法問題でる1000問」も良書として有名なので、利用している方も多いと思います。
確かに良書なので、700点台の人が、800点~900点以上を狙いたいのであれば、やって損はしない問題集です。
ですが、400~500点レベルの人がいきなりこの問題集を解くと、解けない問題だらけで、多分品詞問題の演習で力尽きると思います(実際管理人も力尽きたw)
それでも、文法特急がすらすら解けるようになれば、「でる1000問」も6~7割は正解できるようになります。
もし「でる1000問」もやりたいのであれば、まずは「文法特急」でpart5とpart6の出題傾向を掴んでみて、文法特急がスラスラ解けるようになって物足りなくなってから、「でる1000問」にも取り組むのがよいと思います。
⑤パート6特急 新形式ドリル 必須度★★★☆☆
パート6の問題が30題(120問)収録された問題集です。
パート6自体が4題16問で、半分はパート5の知識で解ける問題ですし、パート7の読解対策をすれば、ある程度長文読解の練習もできます。
なので、「文法特急」「読解特急」と比べると、この本の勉強の優先順位は1ランク落ちます。
それでも、パート6ならではの特有のパターン問題も少なからずありますし、また、ここで余計な時間がかかってしまうとパート7の問題を解く時間が足りなくなってしまいます。
なので、パート5の文法特急・パート7の読解特急が解けるようになった後にこの問題集に取り組むと、パート6の時短と正答率アップに役立ちます。
⑥読解特急 必須度★★★★★
パート7の出題パターンを一通り網羅している問題集です。
part7対策としては、まずはこの1冊はおさえておくといいでしょう。
どんな分野のトピックスが出題されるか、文章のボリューム感、選択肢の作り方(ひっかけ方)など、パート7の攻略法はおおむね把握できるようになります。
ただこの問題集には、ダブルパッセージ問題・トリプルパッセージ問題があまり収録されていません。
ですが、DPだろうがTPだろうが、そもそもシングルパッセージの長文が読めないと話にならないし、500点~600点台の人はQ180以降のDP・TPにすら到達できないままタイムアップになることが多いです。
まずはシングルパッセージ問題の対策から始めたほうがいいでしょう。
⑦読解特急5 ダブルパッセージ編 必須度★★★★☆
パート7のダブルパッセージ問題が20題(100問)収録されています。
最近の本試験では、文章+文章(新聞記事+メールなど)の「読ませる」タイプの問題が増えてきているため、その点も考慮した問題構成となっています。
なので、どの問題も文章量が結構多めで、「読解特急」よりも解くのに時間がかかります。
ですので、コレは初学者向けではなく、700点台から800点・900点を目指したい人向けの問題集といえます。
とはいえ、この問題集が一通り解けるようになれば、公式問題集のパート7に対する心理的な負担は軽くなります。
700点台に到達した後、800点・900点を目指したい人は、やって損はしない問題集だと思います。(管理人が725点の停滞期から抜けるために使った問題集の一つです)
⑧読解特急6 トリプルパッセージ編 必須度★★★☆☆
2021年に新しく発売された問題集です。
トリプルパッセージというから結構難しそうなイメージがありますが、実際にはダブルパッセージ編よりも解きやすい問題が多かったです。
でも実際の本試験でも、600点台以下のレベルでは、そもそもトリプルパッセージの問題(Q185以降)にすらたどり着けずにタイムアップしちゃう人が圧倒的に多いです。
そういう意味では、これもダブルパッセージ編同様、勉強の初期段階では取り組む必要はありません。
ある程度リーディング問題の対策が進んで、700点台からさらにハイスコアを狙えるレベルになってから取り組めばよいと思います。
300点~400点台の人向けの特急シリーズ
上に挙げた8冊以外にも、学習の初期段階では、
①出る単特急 銀のフレーズ
②初心者特急パート1・2
③初心者特急パート3
④初心者特急パート4
も一通り使用しました。
ただ、私にとってはいずれも簡単でしたし、ボリュームも軽めだったので、これらは本当に初期段階でしか使用しませんでした。
ある程度英語ができる人は別に買わなくていいですが、もし上で紹介した8冊の本が難しいと感じたら、或いは300点〜400点台のところから学習をスタートする場合は、各パートごとの初心者特急シリーズからスタートすると良いと思います。(パート5・パート6・パート7の初心者特急もあります)
アプリ版と紙の問題集、どちらがいい?
「特急シリーズ」は、abceedのアプリでも問題演習ができます。問題演習をするにはアプリ内で有料コンテンツを購入するか、Pro版を契約する必要がありますが、リスニング用の音声データをダウンロードするだけなら、無料版でも利用できます。

ただ、私としては、スマホアプリよりも紙の本のほうが問題演習や復習がしやすかったし、解説を読み込むのも本のほうがやりやすかったので、紙の本を買うことをお勧めしたいです。
まずは紙の本で演習をやってみて、隙間時間でもスマホで一問一答をやりたい問題集は、スマホアプリ内で書籍を購入すればよいでしょう。
※私はgoogle アンケートで稼いだ費用を、アプリ内問題集の購入費用に充てていました。
特急シリーズについては、朝日新聞出版のサイトからも音声データをダウンロードできます。
最後に
TOEICは良くも悪くもメジャーな試験故に、いろんなタイプの問題集が売られています。ここで紹介している本以外にも、良書はたくさんあります。
これが英検だったら自分が受ける予定の級の問題集を買えば済む話でしょうけど、TOEICは全員が同じテストを受ける試験の性質上、問題集の難易度も「900点以上を目指す人向け」「400点~500点台の人向け」など、細分化されている印象を受けました。
だからこそ、初学者や英語があまり得意でなかった人ほど、どの問題集を使えばいいのか迷ってしまいやすい。
レビューを参考に、とりあえず評判のよさそうな問題集をいくつか買ってみたはいいけど、結局どれも中途半端なまま消化不良で試験日を迎えてしまう…という状況に陥りやすいと感じました。
ですが、どんな問題集であっても、ちゃんと解けるようにならないことには、本試験では役に立ちません。
でもある程度の基礎知識が入っていないと、問題演習をこなすこともままならない。
なので、「公式問題集」をストレスなくスムーズに解けるようにするための下準備として、各パートごとの特急シリーズを最低1冊ずつ取り組む、と考えればよいと思います。
実際、上で挙げた「特急シリーズ」8冊が9割以上スムーズに解けるようになってから公式問題集を改めて解いてみたら、初見でも7~8割前後の得点ができるようになりました。
「最初に感じた【難しさ】は一体なんだったの!?」って感じ。
ドラクエのレベルアップと同じで、いきなりボスのところに行ってはダメです。決して焦る必要はありません。徐々にレベルアップしてからボスのところにいけばいいんです。
<このブログのtoeicの勉強法記事>
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コメント
みわさん、ありがとうございます。参考にさせて頂きます!
いつも、保育士や宅建の時もみわさんの勉強法を参考にしていて、
実際にやってみると上手く勉強できたので、今回のtoeicも
すごく嬉しいです。
いつもありがとうございます。
ひーさん
それはそれは喜んでいただけたようで嬉しいです。
私が725点の壁を越えられたのは、おそらくダブルパッセージ・トリプルパッセージ編の問題が解けるようになった→パート7の問題も解けるようになったあたりだと思います。