知的財産管理技能検定2級の勉強法をまとめました。
学習メモ
学習期間:3週間 約35時間
使用教材:
・知的財産管理技能検定 2級学科スピード問題集 2014年度
・知的財産管理技能検定 2級実技スピード問題集 2014年度
・公式HPからダウンロードした過去問題3回分
取得にかかった費用
受験料 15,000円
問題集代 1,782円+1,944円
合計 18,726円
公式サイト:知的財産教育協会
勉強法
・どちらともTACの問題集の問題キッチリと解けるようになるまで繰り返す。
(まずは学科の方の問題集から着手→実技問題集→学科問題集に戻る、という感じでやりました)
・公式HPからダウンロードした過去問題(直近3回分)で、出題された論点を確認しておく。
ちなみに、学科と実技を両方申し込んだものの、本試験までの勉強時間が足りない場合は、両方の問題集を広く浅く中途半端に勉強するよりも、まずは学科試験対策に力を入れたほうが良いと思います。
(それでも最低でも実技の過去問3回分くらいは一通り目を通しておいたほうがいいですが。)
学科試験で合格点がとれるレベルまで達していれば、実技対策にはそれほど時間がかかりません。
学科試験では出題されないけど、実技試験のみで出題される論点はというと、せいぜい期限や金額の計算をさせる問題くらいです。
実技試験は、学科試験で問われている論点を、事例形式や具体例に置き換えて出題している問題が多いので、学科試験で合格点がとれる人ならば、現場思考でもある程度問題が解けます。
(ただ、1事例で6問出題されたりするので、芋づる式に得点ロスするリスクもそれなりにある。)
「学科試験で覚えた知識を具体例(実技問題)で確認する」というイメージで実技試験の勉強に取り組むと、学科試験の知識の記憶にも役立つので、相乗効果で点数が伸びます。
逆に学科試験で出題される知識を理解できていない状態で実技試験対策に力を入れても、学科試験の問題が解けるようにはならないと思いますし、実技の本試験問題に対応するのも難しいと思います。
※私自身、3週間の勉強期間のうち、学科は2週間、実技は1週間足らずしか勉強しなかったにもかかわらず、本試験では学科はギリギリ、実技は余裕でクリア、という逆転現象がおきました(汗)
基本的には過去問やTACのスピード問題集に載っている問題が9割方解けるようになれば、ある程度難化したとしても8割は確保できると思いますが、単純に過去問を回しているだけだとちょっと厳しいかな…という印象もうけました。
各法律のポイントをいくつかリストアップしてみましたので、今後受験される方は参考になさってください。
★特許法・実用新案法
・発明の定義(法人は発明者にならない)
・職務発明に該当するもの、通常使用権
・新規性喪失の例外(出願日の6か月前)
・優先権の主張(出願日から1年以内)
・出願日から3年以内に出願審査請求(何人も可、審査請求の取り下げ不可。出願審査請求後の特許出願の取り下げは可)
・補償金請求権(出願公開から設定登録までの間)
・特許権の侵害
・特許調査
・実用新案法の保護の対象…物品の形状、構造又は組み合わせ(物品限定、方法は特許法で保護する)
★意匠法
・意匠登録の要件
・意匠権の及ぶ範囲(同一・類似)
・関連意匠
・部分意匠
・組物意匠
・秘密意匠
★商標法
・商標登録を受けられる可能性の高いもの/不登録事由
・一商標・一出願・複数商品・複数役務
・商標登録異議申立(商標公報発行後、2か月以内)
・商標登録無効審判(いつでも可(※一部5年まで)、利害関係人のみ)
・不使用取消審判(誰でも可、継続して3年以上同一商標が使用されていない場合に請求できる)
・登録の更新(使用は要件とされていない、商標権者が更新する)
★著作権法
・著作物の定義(プログラムの著作物、共同著作物、編集著作物、二次的著作物、映画の著作権など)
・著作財産権…複製権・上演権・演奏権・上映権・公衆送信権・口述権・展示権・頒布権・譲渡権・貸与権・翻訳・編曲・変形・翻案権等・二次的著作物の利用に関する原著作者の権利
・著作者人格権…公表権・氏名表示権・同一性保持権
・著作人格権は譲渡不可、著作財産権は譲渡可
・著作隣接権…実演家・レコード製作者・放送事業者・有線放送事業者の4者のみ
・著作権の制限…原則無断利用不可、例外規定を覚える
・著作権の侵害と民事的対抗措置
その他の法律・条約
★民法
・意思表示
・不法行為に基づく損害賠償
・同時履行の抗弁権
・瑕疵担保責任
・契約
★種苗法
・品種登録の要件…区別性・均一性・安定性・未譲渡性・洗顔(※進歩性は不要)
・育成者権の効力が及ぶ(及ばない)範囲
★不正競争防止法
・営業秘密…秘密管理性・有用性・非公知性
★独占禁止法
・不当な取引制限(カルテル)・私的独占・不公正な取引方法・企業間の結合や集中
★弁理士法
・独占業務と非独占業務
★関税法
・税関長の権限
★パリ条約
・3大原則…内国民の待遇の原則、優先権制度、特許独立の原則
優先権の期間→特許・実用新案12か月/意匠・商標6か月
★特許協力条約(PCT)に基づく国際出願
・国際出願制度、国際調査制度、国際公開制度、国際予備審査制度
19条補正 一度だけ修正可
34条補正 何度でも修正可
その他の重要ポイント
共有に係る権利
「単独で実施すると他の共有者の不利益になるものについては、他の共有者全員の同意(合意)が必要になる」というイメージで覚えるといいでしょう。
登録料
特許法→設定登録時は3年分を一括納付、4年目以降の特許料は前年までに納付する。11年目以降は減免・猶予なし
商標法→満了日6か月前~満了日までに納付。更新可能、更新時の使用は要件ではない(ただし使用していないと、不使用取消審判を請求される可能性アリ)
有効期間モノ
特許法→出願日から20年
実用新案法→出願日から10年
意匠法→設定登録から20年
商標法→設定登録から10年(10年ごとに更新可)
種苗法→設定登録から25年(永年性30年)
著作権法→著作者の死亡から50年、(映画は公表から70年)
ちなみに私は(3級の時もやったけど)、試験が始まったら「特出20・実出10・意登20・商登10・種登25(30)」「パリ特実12/意商6」を問題用紙の端にメモってから試験問題を解いてました。
「あれ?起算日は出願日から?設定登録の日から?どっちだったっけ!?」と混乱しがちだったのですが(著作権の有効期限については他のものとの混同がおきづらいためメモしませんでしたけど)、頭出しで一度覚えてしまうと間違えなくなります。
コメント
みわ先輩の対策解説は相変わらず役に立つと思います。受験生は是非検索してこのページにたどりついてほしいです。
基本は学科ですね。
みわ先輩、もし私が来年まぐれで弁理士の一次に受かったら、私をみわ先輩の弟子に認定してもらえますかね。。。恐縮すぎますが。。。
みわ師匠とよばせていただきたいです。。。
あと、ファイナルファンタジーの全曲ではなにが一番好きですか?
私は6のティナのテーマや2の反乱軍のテーマや10のザナルカンドが好きです。
>わたるさん
師匠とでも先輩とでも、お好きなように呼んでいただいて結構ですよ。
FFの全曲…といっても私はせいぜいFF8くらいまでしか知らないのですけど、FF8の「Liberi Fatali」やFF4の「赤い翼」が好きです。激しめの曲が好きなんですよね。
こんばんは。
相変わらずみわさんの解説はタメになりますね!
知財検定とは関係ないんですが、今自分はマンション管理士の勉強しています。
過去問を少しづつ始めたんですが、やっぱり難しいですね。
まだ、知識が定着していない感じです。
みわさんも今年受験されると思いますが、ぜひアドバイスお願いします!
>かーくんさん
知財は難しいわけじゃないけど、合格ラインの高さ故にウッカリすると不合格というのが怖いですね。
マン管はまだ全く手を付けてないですねー。
(FP1級が終わるまでは無理かも)
う~~ん。自分もちょっとどうやって勉強したらいいのか、模索中です。
割と受験生のレベルが高いので、基本的な問題は絶対に取りこぼしてはいけないということくらいしか言えないですね。
管理業務も受けるのでそっちは絶対合格できるように頑張りたいと思います。
みわさんもFPの方も頑張ってくださいね。
>かーくんさん
管業とのダブル受験なんですね!それは是非両方とも取っちゃいましょう!!
(私は片方を取り損ねてしまったw)
みわ先輩、11月の金融検定の要綱みてたら、検定の種類がどんどん増えてますよ。
事業支援アドバイザーというのも生まれてました。
他の銀行検定の経営支援アドバイザーや中小企業支援アドバイザーと同じ試験内容ですが。
ただ、マークシートで60%なのでうけやすいですが、テキストがまだうってないということです。。。でも、他の支援アドバイザー系のテキストで対応できそうな気もします。
試験日はマンション管理士の1週間前ですが、年に2回あります。
みわ先輩へのご報告でした。。。
>わたるさん
ホントだ!金融検定、種類が増えてますね~。
情報ありがとうございます。
ただ…既に銀行業務検定や金融業務能力検定で似たような試験があるせいなのか、なんかあんまり食指が動かないんですよね。
そしてテキストが売ってないという時点で自分的にはアウトです(苦笑)
昔の記事に初コメント失礼します
知財2級合格することができました
勉強方法、試験の雰囲気、自分のやる気を出すため、など何度もブログを読ませていただいていました。
2級受験資格があったので、2級から申し込んだものの実際に知財に携わっているわけではなかったので勉強を始めてから途方にくれましたが、こちらのブログを読んで1回で両方合格を目指して最後まで気持ちが折れずに頑張ることができたと思います。
今後は、別資格を目指して勉強する予定です。
情報、また力を与えてくださってありがとうございました。
>かつおぶしさん
はじめまして、コメントありがとうございます。
知財2級合格おめでとうございます。
このブログの記事がお役に立てたようで、私も嬉しいです。
2級は合格基準点が8割と中々ハードルが高いので、ちょっとの取りこぼしが命取りになっちゃうところが辛いですよね。
次に受験される資格も、合格できるといいですね。頑張ってください。
はじめまして。
知財2級の勉強をやろうと思い、テキストを買っただけで、2か月経過です。
受験資格に期日があるのを今日知り、3月の試験は厳しいと思い、
7月受験をしようと思っています。
miwaさんは、お仕事されながら、これだけの資格の保持。
凄いです。。
勉強をしようと思ったきっかけはなんでしょう?
>さんたさん
はじめまして、コメントありがとうございます。
>勉強をしようと思ったきっかけはなんでしょう?
最初に社労士の勉強を始めたときは、ニート主婦で暇をもてあましていたので、20台のうちに仕事で役に立ちそうな資格を取ってみようかな、くらいの軽い気持ちでした。
社労士合格の前後くらいからかな?、できる事務仕事のジャンルを増やしたくて、簿記や行政書士(まだ受かってないけど)・ビジ法…と触手を伸ばしていったという感じです。
コロナ禍のせいで受験計画見直し中のktakです。
知的財産管理技能検定2級手強いですね~
コロナ禍のせいで3月受験申し込み(第35回)が7月(36回)振替or返金対応となり
7月受験してきました。
実技で問題不成立のためによる全員正解が2問あり滑り込みで81%の
得点でしたw救済措置がなければ不合格(´・ω・`)
(福祉住環境コーディネーター2級で経験済み)
学科は自己採点通り少し及ばず。次回試験でリベンジです。
だいたい7割得点を目指す勉強法ではハードルが高い資格だということを
身をもって知りました。まあ試験料半額助かったと思っておきます。
ktak00さん
知財2級お疲れ様です。
8割が合格ラインっていうのもなかなか微妙ですよね。
救済措置というか、全員正解になりそうな問題次第で合否が左右されるっていうのもドキドキしますねー。
是非次の試験では学科も合格できるといいですね。