私が公開会場で毛筆書写準1級を受験した時、準1級の受験生は自分を入れて10人いました。
毛筆準1級の合格率は概ね20%弱です。
ということはここにいる10人のうち、2人しか合格できない。
「ここにいる10人のうち2人しか合格できない」とに気づいた瞬間、
「とてもじゃないけど自分には受かりそうにない。なんでこんな試験を申し込んでしまったのだろう」
と尻込みしてしまい、会場から逃げ出したくなりました。
ただ実際に試験が始まったら、「ここまできたらもう逃げられない。受かるか落ちるかは私が判定することじゃない。だから気にしてもしょうがない。私が合格者2人のうちの1人になればいい。今日はとにかく1枚1枚丁寧に書こう。」と開き直っていた気がします。
では硬筆1級のとき、試験の開始前は何を考えていたのかというと、
「この会場では(硬筆)1級の受験生は自分を入れて5人。ということは5人全員が落ちる可能性もあるんだな」
…という嫌な予感が一瞬だけ、頭をよぎりました。
「でも11月の診断テストでは合格点をクリアできていたのだから、その時と同じくらいの出来栄えで書けたら合格点は取れるはず!」と頭の中でエンドレスでループさせて、ネガティブな考えが入り込まないようにしていました。
ただ実際には、第1問の速書きで2か所字を書き損じて訂正したり、第2問の草書体が思い浮かばなくてなんちゃって草書で誤魔化した箇所があったため、「この2つのミスでどれだけ減点されるか…ギリギリ合格かギリギリ不合格かなぁ」と、結果がくるまでの約1か月ほど悶々とするハメになりました_| ̄|○
だからポストに不在通知が入ってるのを見たときは、合格キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!と小躍りしたことは言うまでもない。
(※準1級と1級は、合格証書は筒状の定形外郵便で送られてくる。科目合格か不合格だと長形封筒がポストに入っている。なので書写技能検定からの定形外郵便の不在通知=ポストに入らない=合格証書なんである。)
そして毛筆1級の時は、室内の1級受験生は自分を入れて12人(実際には2人欠席で10人)。
1級の合格率は約10%だから、割合的にはこの中では1人しか受からないんだよな…とは思ったものの、
「4月の診断テストでは合格点にちょっと足りなかったけど、評価2・3だった問題はキッチリ修正できたから、きっと合格点をクリアできるはず!とにかく一枚一枚丁寧に書けばいい。」と自分に言い聞かせていました。
硬筆準1級・1級、毛筆準1級・1級は、回答が中央審査委員会に集められて、採点と合否判定が行われます。
(なので、準1級と1級は、2級以下に比べると結果通知が届くのがやや遅い。)
合格率は準1級が20%弱、1級が10%弱と、回ごとの合格率に大きな変動はありません。
ですから、受験者全体の中で上位20%、上位10%以内に入らないと合格できないのは事実です。
もちろん、「準1級(1級)ならばこのくらい書けてほしい」といったある種の基準値はあるだろうし、それがクリアできていないとダメなんでしょうけど、周りの受験生との比較で点数が上下する可能性があることも否定できません。
確かに合格率20%とか10%って聞くと、「自分に出来るのかな…」と弱気になってしまう気持ちはよくわかります。
でもだからといって、他人の出来栄えや合格率を気にしてもしょうがない。
それは自分でコントロールできることではないからです。
一番ダメなのは、他の受験生の存在や合格率を気にしすぎるあまり、これまで練習してきた成果や本来の実力が思うように発揮できなくなることです。それはあまりにも勿体ないです。
試験はあくまで自分自身との戦い。
合格率が低かろうが高かろうが、試験当日に合格できるレベルの答案が書けるかどうか、ただそれだけの話です。
下手に「これが出たら嫌だな、アレはどうしよう」などと思い悩むよりは、「今日は一枚一枚、心を込めて丁寧に書こう」とシンプルに考える方が精神的にも楽ですし、その方がかえって普段の実力を発揮できるとも思います。
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