社会保険労務士試験は、実務経験がなくても合格できます!

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社会保険労務士試験の受験生の中には、「私は実務経験や知識がないから合格は無理なんじゃないか」と思っている方は少なからずいらっしゃるかもしれません。

でも、社労士試験は実務経験がなくても合格できる試験なので、その思い込みはきっぱり捨てた方がいいです。

実務経験は、もちろん、ないよりはあった方が有利です。
現実の経験と、試験問題や条文をリンクさせながら勉強した方が、やりがいがあるし、楽しいからです。

ちなみに私が行政書士試験を挫折してしまったのは、勉強内容がどのように実務とリンクするのかが今一つ見えてこなかったから、というのもありました。
それに加えて、学生時代、政治経済系の科目が苦手だったことも相まって、勉強が苦痛になってしまったのも良くなかったと思います。

なので、今やっている勉強が実務経験に役立っている、役立ちそうな感触が得られると、勉強のやりがいが感じられます。
そのやりがいや充実感が、勉強のモチベーションを維持するのに役立つのは事実です。

ただ、なまじ実務経験があることで、実務経験に固執しすぎるあまり、合格に必要な知識の定着が却って遅くなってしまうケースも少なくないと感じます。

「法律ではそうかもしれないけど、でも実務ではこうなっていますよ?」と法令の条文と実務上の運用を混同してしまったり、試験に殆ど出ないようなマニアックな枝葉の部分ばかりが気になってしまう、という弊害もあります。
資格スクールに通っていたときも、実務経験者がやたらマニアックな質問をして、講師を辟易させるという話を聞いたことがあります。

そもそも、社労士試験の範囲の大部分を網羅できるだけの実務経験を満遍なく積んでいる受験生って殆どいないと思います。

組織が大きくなればなるほど、人事部や総務部などの中でも、人事担当、社会保険担当、労務担当、給与支給担当、労働安全担当などに細かく枝分かれします。
そうなると、社保の中でも健康保険しか担当しないとか、自分が担当する業務の幅はどうしても狭くなりがちです。
逆に、中小企業であれば、一つの部署で労働保険(労災・雇用保険)・社会保険・労務などを扱っているかもしれません。
ただ、会社の人数が少なくなればなるほど、扱う事例が少ないので、部署としての業務の守備範囲は広くても、扱う事例が限定的で偏りやすくなります。

じゃあ社労士事務所で実務補助の経験を積めばいいのかというと、資格のない補助者に対して、試験対策に役立つ形でまんべんなく実務経験を積ませてもらえるかはちょっと疑問です。

将来自分のライバルになるかもしれない社労士の卵に対して、受験に役立つように満遍なく実務を経験させてくれるような、親切にお膳立てしてくれる社労士がたくさんいるとは思えないです。
また、事務所の代表の社労士が、どの分野の仕事を得意・専門にしているかによっても、積める実務経験の種類は変わってくるでしょうし。

よって、実務経験が直接得点に結びつくのはごく限られた範囲、点数に換算すると数点程度のアドバンテージにすぎないのです。
ですので、自分に社労士業務に関する実務経験がないからといって、実務経験のある人を必要以上に羨ましがらなくても大丈夫です。
自分の実務経験の無さ・乏しさを卑下する必要もありません。

結局のところ、実務経験があろうがなかろうが、試験に合格するための勉強を積んできた人が試験に合格できます。

もちろん、実務経験が全くの無駄という意味ではありません。
せっかく実務経験があるなら、それは是非活用したほうがいいに決まっています。
ただ、実務経験を試験勉強における強みとして活かすためには、自分の経験に固執しすぎない・マニアックな論点にハマりすぎないことが大事だと思います。

参考:各資格スクールの社会保険労務士講座(例)

LEC東京リーガルマインド
→合格講座、短期集中合格コース、出る順社労士必修講座解説講座などの一括セットの他、法改正や白書、一般常識等に絞った単科の講座も多い。通信・通学どちらも可能。

資格スクエア
→オンラインで受講できる講座。充実したインプット・アウトプット講座が低価格で受講できる。

フルカラーテキストの社労士試験講座【アガルート】
アガルートアカデミー:社会保険労務士試験|直前対策講座
→オンラインで受講できる社労士講座。必要なものに絞られた講座で合理的な学習が可能。

コメント

  1. しがないサラリーマン(小泉洋) より:

    実務をやっているからといって得意かといえばそうでもないですし、
    意外と実務を知らないほうが、問題は解きやすいかもしれません。
    すんなり法律等で覚えそうですし!!

    • miwa@管理人 miwa@管理人 より:

      小泉洋さん
      先入観がない分、純粋に基本書と過去問の勉強に集中できるのが実務経験がない人のメリット、と言えるかもしれませんね。
      行政書士に比べたら、実務のイメージがしやすい試験ではあるけど、結局はやっぱり法律の試験だよなぁと思います。

  2. 88_73 より:

    こんにちは。
    確かに実務経験は資格試験にしろ転職にしろ生きる場面はあると思いますが、「要素」の一部ぐらいにしかならず、結局はそれぞれの世界に合った特有のやり方に順応していく能力が求められていくと思います。

    逆に社労士試験の内容だけが実務を補完するかといえばそうでもなく、現場ではどの仕事でもそうですが、スラスラ答えられる部分って定型的な内容であることが多く、あまり事例がない内容は資料や上長の確認の上で間違いがない答えを導き出すのが一般的というか社会人としてのマナーみたいな所でもありますね。

    受験経験から言えば、試験対策は自分の勉強の方向性や学習レベルに合ったテキストや問題集を使って演習できているかが大きなポイントではないかと思います。

    • miwa@管理人 miwa@管理人 より:

      88_73さん
      実務もしょせん要素の一部にすぎないし、試験も実務のすべてをカバーしてるわけじゃないのがわかったうえで対策すれば、何の問題もないと思います。
      ただ、これから試験を受けてみようかなと興味を持ったばかりの人や、まだ勉強が浅い人などは、自分には実務経験がないから不利なんじゃないかという間違った不安を持っている人が少なからずいるんですよね。なので、そうじゃないよ(そこはあんまり気にしなくても大丈夫だよ。そんな無駄な不安を持ったまま勉強していたら受かるものも受からなくなるよ)と言いたくてこの記事を書きました。

  3. シーラ より:

    実務で何十年やろうと、勉強しないと試験に受かるような知識はあまり付きませんね。そしてかなり頭良くて経験あっても、1回は過去問題読まないと落ちることが多いと思います。
    逆に、過去問さえ覚えれば簡単な資格は学生でも受かるし、難しい資格も経験者より未経験のほうが職業的な常識に引っ張られない分、有利な部分は多いと感じます。
    圧倒的に経験者有利なのは、書類作成がある資格ですね。土地家屋調査士、通関士、建築士など。でも経験者ならすぐ受かるかというとそうでも無いですね、実際は。
    実務だとPCで選んだり検索するのが主だったりして、手書きしませんし。未経験でハンディと言えるほどの差はない気がします。
    実際に働いてる人が受験すると、まず学科でバンバン落ちますね。全国平均の合格率より成績悪かったりします。普段勉強らしい勉強してない人が受けるからですね。勉強のやり方がわからないのです。過去問読むだけだとしてもです。(だから予備校が流行る)
    その点、大学生はかなり有利です。でも、年の若さゆえ、知識の奥行きが少ないということがあります。受験勉強だと、「無駄な知識」のインプットが少ないですから。知らない事柄を類推でなんとか解くのが難しいかもしれません。ここは資格マニアの本領が発揮される部分と思います。

    • miwa@管理人 miwa@管理人 より:

      シーラさん
      職業的な常識と法令上の建前を切り分けて考えられるなら、実務経験は有利になると思いますが…なまじある程度実務経験が長い人ほど、それもなかなか難しいですよね。
      社労士試験でよくあるのは、択一は合格ラインに届かなかったけど選択では合格ラインがクリアできちゃう(結局不合格だけど)→翌年勉強して択一の合格ラインがクリアできたはいいけど今度は選択式の科目別の足切りに引っかかってまた不合格、という蟻地獄ですね。
      これも、中途半端にあいまいな知識が多く詰まっていると、かえってダミーの選択肢に惑わされやすくなるんですよ。
      なので、よく出題される論点や基本は深く掘り下げて勉強するのと同時に、些末な論点は思い切って捨てることも大事だし、満点は狙わず合格ラインのちょっと上あたりを手堅く狙うのが攻略のコツになると思います。
      でもそのあたりのメリハリのつけ方は、普段勉強らしい勉強をしていない人や、難関試験をクリアした経験が乏しい人にとっては結構大変だと思います。

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