それは、明らかに勉強が不足している状態で試験を受けると、その試験の本当の難しさや本質的なところを過小評価してしまいやすく、結果的にますます合格が遠のいてしまうからです。
①過去問が解けさえすれば難なく点が取れる論点
②過去には出題実績はないけど、基本書には載っている論点
③過去問にも基本書にも載っていないマイナー論点、解ける人がほとんどいない難問(解けなくても気にしなくていい)
過去問(①)からの出題と、そうでない問題(②③)の割合はどの程度か。
手持ちのテキスト・過去問だけで足りるのか。
次にまたこの試験を受けるとしたら、どこまで手を広げて勉強すれば合格できるのか(過去問をベースに、テキスト類をどこまで読みこむべきか)
最低でも①の勉強を一通りやって、①からの出題についてはほぼ確実に得点ができて、そのうえで結果的に惜しくも不合格になってしまった場合は、自分の足りない分野や弱点がクリアになります。
そこが次の試験に向けての課題となります。
ところが、明らかに勉強が足りてない状態、特に①の過去問すら満足に理解しきれていない状態で試験を受けると、ちょっと頑張れば正解できる問題と誰も解けない難問なのかの区別がつかないので、合格までに必要な勉強量の目測を見誤ってしまいやすいのです。
合格率30~50%台の中堅レベルの試験であれば、①の問題が8~9割を占めていますから、①の勉強がきちんとできていれば、たいていは合格点が取れます。
当然、合格率が低くなるにつれて、②と③からの出題が増えます。
特に常時合格率が1ケタ台の難関試験ともなると、①の問題は難なく解けるのは当たり前。
②の問題についても、ある程度はカバーできるようにならないと合格できないように作られています。
①の過去問が解けるようになれば合格できる試験と、過去問+αの勉強(②)が必要な試験では、合格に必要な勉強量は全く違います。
とりわけ難関試験で不合格になってしまったとき、次の試験に向けて、特に②の勉強がどれだけ必要なのかを正しく見積もるためにも、最低限過去問だけは絶対に解けるようにしてから試験を受けたいし、初受験でも一発合格を目指すつもりで受験したい、と思うのです。
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