合格率は低くても大変コスパがよい保育士試験

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先日、平成22年度保育士試験の実施状況が発表されていたようです。
受験者数:46,820人、最終合格者:5,324人、合格率:11.4%とのことです。
(データ引用元:キャリア・ステーション、※一部科目合格率等は非公開。)

そういえば、私は過去の記事で、「最終合格率は平成20年と平成21年あたりの数値で落ち着くのでは」と書いていたんですね。

平成20年の最終合格率が10.6%、平成21年が12.6%、そして平成22年度が11.4%ですから、何気に読みが当たっていました。

今年度の最難関科目はやっぱり小児栄養

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それと、キャリア・ステーションの受講生の合格率を見ていて気づいたのですが、今年は「小児栄養」よりもむしろ「保育実習理論」の合格率が一番低かったようです。

なるほど、これは保育実習理論の「音楽問題の問1・問2」「絵画制作問題の問10・問11・問12」が例年と比べて難しかったことが影響しているのかもしれませんね。
私自身、なんで保育実習理論が75点もとれていたのか今でも不思議なくらいですし…。
とりあえず、本試験直前に音楽問題の第3~5問目(和音・移調)を確実に得点できるようにしておいたのがよかったのかな。

ただ、小児栄養については不適切問題の分だけ5点分上乗せがあった上での結果ですから、事実上の最難関科目は小児栄養であったことには間違いないと思います。

資格の知名度の割に知っている人が少ない?

保育士の資格を取得するためのルートは、大まかにいうと「養成校」と「試験」の2つです。
「養成校」は、つまり大学・短大・専門学校の保育科等(厚生労働大臣指定保育士養成施設)で所定の単位を取得すると、卒業と同時に取得できるルート。

「試験」は、保育士試験(国家試験)を受験して取得するルート。
8科目の学科試験と2科目の実技試験に合格すると、資格の取得ができます。
*ユーキャン、キャリアステーション、四谷学院、LEC、CBライセンスなどの資格スクールが開講している「保育士講座」は、「保育士の国家試験対策講座」です。これらの講座に通うだけでは資格取得はできません。あくまで対策講座なので試験に合格しなければ意味がないといえるでしょう。
名称が紛らわしいですが、養成校(指定保育士養成施設)と勘違いしないようにしてください。

世間的にはそこそこ知名度があって、女子のなりたい仕事のひとつでもある保育士(保母)ですが、資格の知名度の割には、保育士試験というルートが存在すること、保育士試験を何年も受験し続けている人が少なくないこと、などは今ひとつ知られていないような気がします(←知らなかったのは私だけなのか?)

もっとも、保育士や幼稚園の先生になりたい子は、たいていは進学の時点で養成校を選択するので、試験ルートはハナから考えていないのかもしれませんが。

私自身、昨年の願書提出前までは、「保育士」は、養成校(専門学校・短大・大学)の単位をとって卒業しないと取得できないものだと思っていました。

それが、「国家試験に合格すれば資格が取得できる」「学部・学科を問わず、短大卒・大卒・大学で62単位以上取得すれば誰でも受験が可能(中卒・高卒・専門卒でも条件次第では可能)」ということを知ったのは、中村一樹氏の「60日で取れるとっておきのお得な資格」で、保育士が挙げられていたからです。

昨年の4月に、夫に「なんか保育士って試験でとれるみたいだよ。面白そうだから受けてみようかな」といった話をしたら(2010/4/30日記参照)、

え!?保育士?それってキャラ違いじゃないの?そもそも受験資格はあるの?」
と驚いていたので、中村氏の本を見せたところ
大卒だったら学部問わず受験ができるんだ!へぇ~じゃあ商学部卒の俺でも受験しようと思えば受験できるってことかー。知らなかったよ。」と言われました。

(参考:保育士試験の受験資格

あと、別の人からは「保育士試験?あれってピアノが弾けないとダメじゃないの?そもそもmiwaはピアノが弾けるの?」とも言われました。

確かに昔の実技試験は音楽(ピアノの弾き語り)・絵画制作・言語が3科目とも必修だったようですが、現在の実技試験は3科目中2科目の選択なので、音楽は選択しなくても試験に合格することは可能です。

もしピアノが必須だったら多分受験は諦めていたでしょう。ギターも弾けないし…。
※ただしピアノは弾けなくても、保育実習理論で音楽問題が6問出題されるので、最低限の楽典知識は必要です。

ちなみに、私の母は、保母試験に合格して保母さんになった知り合いがいたので、試験ルートで保育士(保母)になれることは知っていました。ただ、保母試験の内容は全く知らなかったみたいです。

ていうか母親には試験を受けていたこと自体を内緒にしていました。合格後に事後報告したら、「簿記1級もあるっていうのに…そんなにスケジュールを詰め込んで…アンタ一体何考えてるのっ!?」ってかなり驚いていました…。

確かに、自分でも何考えているのか本当によくわからなくなるときがあります(苦笑)

忙しい社会人にはありがたい試験制度

資格マニア的には、筆記だけで丸2日拘束される上に、採点基準がよくわからない実技試験を受けるなんて面倒くさいと思われるかもしれませんが、保育士試験は、通常なら数10万円~数百万円の学費をかけ、2~4年間学校に通って取得する資格を、筆記試験2日・実技試験1日+受験料12,700円+教材費だけで取得できるのだから、考えようによっては大変コストパフォーマンスがよい資格試験ともいえます。

保育士資格を持っていると、保育所以外にも、児童養護施設、母子生活支援施設、児童館、託児所などでも働くことが可能です。

ハローワークの求人検索を見ると、保育士資格を要件とする求人も多いです。特に子育て経験のある人や子供が好きな人にとって、再就職にはとても役立つ資格といえるでしょう。

そんな保育士試験ですが、今後、どう変わるのかはわかりません(参考:厚生労働省 保育士養成課程等検討会
それでも、多少難易度が高くとも、試験受験の門戸は広いまま残してもらいたいものです。

資格マニアの立場からではなく、社会人になってから再就職のための資格をとりたいと思う人のためにです。
保育士に限らず、医療や福祉の国家資格は就職に直結するものが多い反面、大学・短大・専門学校などの養成校を卒業しなければ受験資格を得られないものが多いですが、保育士は例外的に試験での取得ルートが設けられているのです。

学校に通うのは、時間とお金に余裕がないとなかなか難しいものです。
だから、仕事や育児をしながらでも、2~3年かけて試験に合格して、資格取得ができる保育士試験制度は大変貴重だと思います。

※保育士試験の難易度について

→(筆記)
科目合格制なので、科目によってB+(それなりに難しい)からD(一般常識+αで解けるレベル)と幅がある。
解答用紙は5肢択一ですが、組み合わせ問題が多く、実質3択または4択試験のようなものです。一般常識でも正誤の判断のつく問題も少なくなく、合格率よりも問題は解きやすいと感じると思います…が、落とし穴のごとくマニアックな問題も少なくないので、油断は禁物です。

年度によって科目の難易度が上下するのに合格ラインの調整がない(不適切問題で全員+5点ということはたまにあるのですが)ので、合格率が高めの簡単な科目でも、突然の難化に備えてある程度対応できるように準備する必要があります。

60分科目は試験開始30分経過後途中退室が可能で、試験と試験の間は30分間の休憩があるが、それでも真夏の暑い日に丸2日間(土日)10教科8科目を受験することは肉体的にも精神的にもキツいです。ペース配分や体調管理にも気をつける必要があるかも。

(実技)
合格率は高いけど、それはあくまで筆記試験を通過した人のみが受験するから合格率が高いのです。ぶっつけ本番で受験すれば玉砕します(汗)

ある程度練習して、一定の基準をクリアする必要があるということで、Cにしました。
個人的には、音楽(ピアノ、ギター、アコーディオン)か絵画のどちらかができる人は、もう一方の選択科目を言語にすれば筆記試験終了後から実技対策を始めても合格ラインは十分クリアできます(言語の練習は疎かにしないようにしてください。勿論音楽&絵画選択でもOKだと思います)。

両方苦手…という人は、筆記試験対策と平行して少しずつ取り組むしかありません。ただ、決して高い芸術性を求められる試験というわけではないので、あくまで保育士試験に受かるレベルを目指して練習してみてください。

コメント

  1. くおん より:

    miwaさん、はじめまして
    2年くらい前、「保育士試験」で検索して辿り着いてから時々お邪魔していました。

    今回、2回目の保育士試験で教育・養護、栄養が2度目の撃沈。
    来年3回目受験予定です。

    ただ、ライフワークとして無謀にも日商簿記1級も取得したく思っています。
    1級は3月から始めましたが、諸事情で一時中断中です。

    来年6月、11月受験目標で、保育士試験と同時進行させるための学習スケジュールの組み方などありましたら教えて頂けると有難いのですが・・・。

    突如、失礼な書き込みで申し訳ありません。
    よろしくお願い致します。

    ちなみに41才、子アリのパート職です。

    • miwa@管理人 miwa@管理人 より:

      >くおんさん
      コメントありがとうございます。
      保育士試験お疲れ様でした。
      今年も養護と栄養が難関だったようですね。

      日商簿記1級と保育士試験の両立…
      来年6月と11月に1級を受けるのでしたら…

      ・来年2月に全経簿記上級取得(日商簿記1級の前哨戦として…)
      ・来年6月に日商簿記1級取得
      ・来年8月に保育士筆記(養護・栄養)
      ・来年10月に保育士実技

      となるのが理想かなと思いました。
      来年11月に日商簿記1級…となると、実技試験の後1カ月しかなく、少し厳しいと思いますので、来年6月までに間に合わせるのが良いのかなと思います。

      私自身まだ日商簿記1級に合格していないのであまり偉そうなことは言えませんが(汗)
      ある程度短期決戦で集中したほうが却っていいかもしれませんよ。

      • くおん より:

        miwaさん、返信ありがとうございます。

        2月に全経上級は考えつきませんでした。
        スケジュール的にぴっちりですけど、集中して短期決戦で学習計画立ててやってみたいと思います。

        信じて勉強したら結果報われますよね?

        まったく別ジャンルなので、主人にもどっちかに絞ってみたら?と言われるんですが、保育士勉強だけしてるとムショウに簿記をやりたくなって・・・。
        と、収拾がつきません。

        でも、ちょっと自分を律して集中してやってみます^^

        アドバイスありがとうございました。

      • miwa@管理人 miwa@管理人 より:

        >くおんさん

        ご主人のおっしゃることももっともですね。
        だからといって今から来年の保育士に向けて勉強…というのも現実的ではないと思います。
        実技が苦手で今からピアノの練習を…というならともかく、筆記試験対策でダラダラ時間をかけてもモチベーションが持たないでしょう。
        それなら来年の5~6月までは簿記専念モードのほうが集中できそうな気がします。

        日商簿記1級も全経簿記上級も、「●ヵ月やれば確実に合格できる」とは言い切れない部分もありますが、とりあえずは2月の全経上級に向けて勉強し、2月試験が終わったらまたスケジュールを検討すればよいと思います。

  2. くおん より:

    ふたたび、ありがとうございます。

    保育士の筆記試験の勉強もちょっとやり方を見直してみたりしながら、簿記に取りかかろうと思います。

    ちょっと迷いが取れてヤル気になって来ました。
    ありがとうございました。

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