大平光代「応援します あなたの旅立ち」集中して勉強できる時とそうでない時の差

もう一つ、私が社会保険労務士試験と宅建を受験する時に、参考にした勉強法の本は「応援します、あなたの旅立ち -大平流「独学」のすすめ」です。
(今は既に絶版になっているので、中古でしか買えないのが残念ですが…。)

この本は、司法修習生時代のエピソード、弁護士になってから語学学習を始めたきっかけ、語学学習法に関する内容が中心なのですが、一箇所「なるほど!」と強烈に印象に残った箇所があったので、その部分を紹介したいと思います。

「集中力を高める」
私は集中力を高めるために、次のような方法をとることに決めている。
①あれもこれも一度にしようと思わない。
②したいと思うことを全部紙に書き出す。
③書き出したものに優先順位をつける。
④いちばんしたいことが決まったら、それをするためにはどうすればよいのかを考え、紙に書き出す。
⑤それをするのに必要なものだけをそろえる。
⑥必要なもの以外、目にはいるところには置かない。
⑦すべてにおいて無理な計画は立てない。

私は、これまで宅建、司法書士、司法試験と受験して合格してきたが、集中して勉強できたときとそうでなかったときがあった。
宅建の勉強を始めたとき、1冊の基本書を読むのにかなりの時間がかかった。あまりにも読めない漢字が多かったからだった。
が、そのときはそれが幸いした。その1冊しか読めなかったので、そこに書かれていることは、なにがなんでも覚えるといった気持ちになり、集中することができ、短期間で合格することができた。
それに対して、翌年に受験した司法書士試験は合格しなかった。もちろん、勉強不足が原因だが、根本的な原因は、集中して勉強できない時間が多かったからだと思う。当時の私は、宅建に1回で合格したことで有頂天になり、司法書士の勉強を始めたばかりなのに、上級者が読むような、コンメンタール(法律の解説書)なども読むようなことをしていた。
その結果、基本書を読んでいるときは、上級書に記載されている細かなことが気になり、上級書を読んでいるときは、基本がわかっていないから、知識が空振りしてしまう。結局、どちらも中途半端になってしまった。
そこで、翌年には、基本書は一つに決め、それを集中して勉強したあとに、そのほかの資料を読むようにした。そして、基本書のあいているところに書き足したり、付箋をはりつけたりして、これさえ読めば大丈夫という「マイ基本書」を作り、それが集中力にもつながった。
このような経験から、私は、物事を集中してするために、上記のように決めた。
とはいっても、いまでも集中できないときがたまにある。特に寝不足で疲れがたまっているときなどは、雑音がはいってきて、どうしても集中できない。そんなときは、どうするか…私は、その日はあきらめて、とっとと寝るようにしている。
(p210〜211より引用)

以前この記事を書いた時にも少し触れましたが、まず最初に、基本書1冊と過去問題集2冊(労働編/社保編)の合計3冊のみを購入した(他の教材を買わなかった)のは、この本のことが頭にあったからです。

なるほど、むやみに難しい本に手を出したりする必要はなくて、過去問や一冊の基本書を繰り返し勉強する、基本を大事にすれば合格できるんだな」と感じたので、使う教材もできるだけシンプルにしてみようと思ったのです。

ただ、使う教材をシンプルに絞っても、社労士試験の場合、基本書は1000ページくらいありますし、過去問題集も2冊あわせると700ページくらいはあった(確か)ので、これを一通り勉強するだけでも結構大変だなぁと思いましたが(;´Д`)

それまでは、難関法律系国家資格試験は、難しい問題が解けなければいけないとか、六法全書を全部覚えなきゃいけないだとか、本を何冊も勉強したりしないとダメなんだろうな…という漠然としたイメージをもっていました。

法律系の難関国家資格は、東大や京大とかの難しい学校を出ている人が受かる試験であって、地方の私立大学に通う、法学部出身でもない自分には全く縁のない世界の話だと思いこんでいたんですよね。

でも、宅建や司法書士試験ですらも、基本書や過去問を繰り返し勉強すればいいんだ、難しい問題は解けなくても合格できるのか…。

合格率3%の超難関の司法書士試験でさえ、基本的な問題がきちんと解けたら合格できるんだったら、自分だってその気になって勉強すれば資格が取れるんじゃないの?と感じたんです。

中学校を途中でドロップアウトしてしまった人でも(失礼)、勉強法を間違えずに一定量の努力をすれば司法書士や司法試験に合格できたのだから、自分だって努力の方向性を間違わなければ、資格試験に合格できるかもしれない!」と思ったわけです。

ただ、この本を初めて読んだ当時は、「やればできるかもしれない」と感じただけで、実際に法律の勉強を始めたわけではありませんでした。

当時は仕事が忙しく、新卒故に新しく覚えなきゃいけないことが多くて、プライベートに何か他の勉強をするほどの精神的余裕が全くなかったからです。

それでも、「自分には全く縁のない世界の話」だと思っていた難関資格試験が、「頑張ればもしかしたら自分にも資格が取れるんじゃないか?」という希望が持てたことは、自分の中ではエポックメイキングだったのです。

自分にはまったく縁のない世界の話だと思いこんだままだったら、26歳の時に資格試験(社会保険労務士試験)を受けてみようかな、という発想には至らなかったでしょうから。

なので、社労士試験の基本書と過去問を買ったあとは、
「社労士試験の合格率は7~8%で難しいとは思うけど、でもこの過去問題集に載っている問題がちゃんと解けるようになれば、本試験に合格できるようになる(だろう)から、難しいけど頑張って勉強してみよう。」
と自分に言い聞かせて、繰り返し過去問を解いて、基本書を何度も読み返していたことを覚えています。

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応援します、あなたの旅立ち -大平流「独学」のすすめ [Feb 22, 2002] 大平 光代

コメント

  1. MT より:

    今晩は。そしてお久しぶりです。
    社会保険労務士試験においても、
    やはり過去問がモノを言うのですね。

    私が一番過去問の大切さを思い知らされた試験は、
    2017年4月に合格を勝ち取った
    『第26回知的財産管理技能検定2級試験』(2回目の受験)です。
    この時は学科試験で約9割、実技で約8割過去問から
    そのまま出題されるという、信じ難いことが起こりました。

    この試験は、難関資格ではないものの、
    合格基準がべらぼうに高いため
    印象に残っているのかもしれません。

    • miwa@管理人 miwa@管理人 より:

      MTさん
      そうですね。過去問そっくりの問題が出るわけではないですが、試験として問われる論点がどこなのか、それは過去問とテキストから探っていくのが大事だと思います。
      国家資格や公的資格は概ねそういう作りになってるんだな、というのがわかったのが、自分にとっての財産でもありますね

  2. くろちゃん より:

    こんばんは。お久しぶりです。
    TOEICの勉強を始めて2ヶ月たちました。
    勉強前の簡易テストのスコアは650点でした。自分の予想とほぼ一致でした。数日前、公式問題集を初めて2時間で解きました。何とスコア650点!全然スコア上がってなかったです。しかもリスニングは勉強したのに、スコアは300点にも満たなかった。
    月にがんばって、40時間位しか勉強できないので、勉強不足とはいえ、ショックでした。
    リーディングもパート7の正解率が低い。しかも最後まで解き終わらない。
    なかなかスコアって上がらないと実感しました。
    800点目標に春に受験を予定してましたが、延期せざるを得ない状況です。TOEIC受験記事に激しく同感です。

    • miwa@管理人 miwa@管理人 より:

      >くろちゃんさん
      お久しぶりですね!
      TOEICのスコアは勉強量に比例するとはいえ、一次関数的に上昇するわけではないので、もどかしい時期もありますね(苦笑)
      リーディングのパート7は本当に時間が足りないです…。
      (新形式になってますますその傾向が強くなったそうです)
      800点目標ならば、とりあえず春に受けてみて、そのうえでもう一度戦略を練り直すのがよいかと思いますがいかがでしょう!?

  3. しろべぇ より:

    こんにちは

    図書館で予約し先日やっと読むことが出来ました。
    『大平流独学法』大変興味深かったです。
    『暗記の極意?』のところに入浴中に暗記するとありましたが、私もやっていました。
    お風呂の中だとリラックスできるからか、頭によく入ったような気がします。
    話は変わりますが、
    miwaさんは行政書士の試験はもう受けられないのですね。
    当方、今年ではない近い将来、チャレンジしてみたいと思っており、miwaさんの合格体験記を読み、勉強法やテキストなどを参考にさせていただきたいと思っていたので受験されないことを知り大変残念に思っています。(勝手に思ってすみません)
    ブログにあるように、まずは基本書と過去問題集を繰り返しやってみようと思っています。

    • miwa@管理人 miwa@管理人 より:

      >しろべぇさん
      行政書士の試験内容は自分にはあまり合っていなかったため、残念ながら当面は撤退することにしました。
      とはいっても、日商簿記1級もしばらく休止していたところからの復活だったので、事情が変わればまたやってみようかな…と思う時がくるかもしれないです。
      行政書士の学習法自体は、記述式対策と一般常識対策も別途必要ですが、他の法律系資格試験と比較してもそれほど大きく変わらないと思います。過去問とテキストが基本になるのは間違いないでしょう。

  4. くろちゃん より:

    お返事ありがとうございます。コメントしてから、色々考えました。この2ヶ月、TOEIC問題集ばかり勉強してきました。英語の基礎力が圧倒的に足りないのに、問題集ばかりやってもスコアあがらないこと気付きました。英文読解の初心者用の基礎のきそ本や、リスニングトレーニングの本を買い直し、やり直しします。
     
    miwaさんの記事は本当にためになりました。記事のおかげで特急シリーズも買いましたし、アドバイスありがとうございます。

    TOEICは6月あたり受けたいと思っています。

    • miwa@管理人 miwa@管理人 より:

      くろちゃんさん
      とりあえずは受けてみるのが一番の対策になると思いますよ。
      (本番は思っていた以上に時間に追われます)
      年10回試験があるので、ある程度対策してから…という人も多いんですが、受けようと思ったら、2〜3ヶ月以内に一度受けてみることが大事かなとおもっています。

      • くろちゃん より:

        そうですか、近い試験を検討してみますね。
        でも本番はもっとリスニングできなさそう。
        とりあえずリスニングトレーニング頑張ります。貴重なアドバイスありがとうございます。

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