第38回・日本刻字展に作品を出品しました!

出品作品が完成しましたので、制作課程後半編をupしまーす。
ちなみに今年の字句は前回も説明したように、「曲則全」です。

○本彫り

まずは実線に対してより深く刃を入れる。その切り込みに対して彫る。
ある程度彫れたら外側に向かって彫っていきます。

細かいところは、細い刀でちょっとずつ削っていく。

もし彫っている最中に木片(残す予定のところ)が飛んでしまったら、速やかに木工用ボンドで補修をします。

こことかね(補修のあとw)↓

なぜか斜めに破片が飛んでしまい、なかなかボンドがくっついてくれなかったです(´;ω;`)

落款を彫ったあと↓

○色塗り

本彫りが終わったら、上の紙(和紙)をはがします(水を塗って拭くと簡単にはがれます。)

まずは、箔を貼るところに朱墨を塗ります。
これは彫り残しがないかどうかをチェックするためでもあります。

あと、落款のところ(漢字)にはチャイニーズレッドの絵具を入れます↓

漢字には金箔をはる予定なので、背景は緑~青の間の色で、濃い色がいいな→とりあえずアクリル絵の具(ビリディアンとピーコックブルー)を2色買ってみました。

で、今回は「ピーコックブルー」をチョイスしました。
どういうわけだか、いつも先生宅の絵具のストックにない色をチョイスしたくなる、天邪鬼な生徒であるw

塗り残しがないようにチェック。

これは塗った直後↓

乾くとこんな感じに落ち着きます。想像はしていたけど、結構鮮やかな色ですね↓

アクリルガッシュの色見本と、絵具のチューブから出してみた色と、実際に木に塗った発色具合はやっぱり微妙に違います。石膏ボードと木もまた違います。

実際に塗ると、色見本でみた印象よりも少し明るい感じになりますね。
なかなか鮮やかで素敵な色(‘ω’)
あと金箔(プラチナ箔)をはる前とはった後も、色と色の対比効果で、背景の色の印象が変わります。

黒だったら金箔が絶対映えるだろうということも、どういう感じの色合いになるかも想像しやすいですが、自分としては安直に黒は選びたくないという感じです。
(こういうところも天邪鬼である)

黒は言葉の意味を踏まえて、他に何かいい色はないかを検討した結果、どうしてもいい色が思いつかない時の最終手段にしたいんですよね。

○箔貼り・箔落とし

凸彫りの漢字部分には金箔を貼ります。
まず、ヤスリで表面をツルツルにします(ヤスリがけをすることで金箔がきれいにくっつく)。

金箔を貼るところにはカシューを乗せて、指で伸ばしていきます。
つけすぎと、背景のところに落とさないように注意すること。
指にベタッと吸い付くくらい粘度が上がるのを待ちます。

金箔をはってから3~4日すると、カシューが乾きますので、ハケ(やわらかい絵筆)を使って、余分な金箔を落とします。

背景色を塗った直後・背景色が乾いた直後・金箔をはった後で印象を比較↓

そして、家の中で見る作品と、美術館で飾られている作品もまた、印象が変わってくるんですよね。
空間が縦横に広がること、他の大多数の作品との比較になるからですかね?

○額入れ

額に入れたらついに完成です!

前回の日刻展では約25時間(中堅レベルの資格が1個とれるくらい)かかったのですが、今回の製作時間は約15時間程度でした。
多分それは彫りに慣れてきたのもあるだろうし、前回ほど字が細かくないというのもあると思います。

さて、この作品は、1/20(日)~1/26(土)まで、上野にある東京都美術館にて展示される予定です。ロビー階第2・第3展示室のどこかに飾られる…はず。
(一般公募部門への出品なので、割と奥の方ですけどねw)

興味がありましたら、観ると面白いと思います。
私の作品よりも遥かに優れた作品が多数出品されていますのでw

<追記>
今回は佳作賞にはいりました!

コメント

  1. 三重の英樹 より:

     色々なことに挑戦して素晴らしいですね。殊に芸術的センスがある人には感心します。私の方は明けても暮れてもボウリングと資格(それも実技がある試験は全く嫌いです)だけです。
     2019年の受験予定を計画しました。社労士、数検1級(2回目の合格目指して3回受験)、登録販売者、ボイラー技士(先ずは2級から)、福祉住環境コーディネーター(3級から手始めに)、特殊無線(三陸特から開始)、一般計量士の計9回です。社労士は合格でも不合格でも多大な時間をかけてしまうので今回が最後。2020年からは数を勝負にやっていきたいのでレベルの高い資格は極力避けようと思います。60歳定年までに100個の目標を目指しています(現在59個)。
     

    • miwa@管理人 miwa@管理人 より:

      >三重の英樹さん
      自分にとっては書道がメインで、刻字は余興という感じです(笑)
      ただ、普段の書道はモノクロの世界ですけど、刻字は色やデザインを考える楽しさがあるところはいいなと思います。
      ボウリングだってすごいじゃないですか。パーフェクトゲーム間近だなんて、私には絶対できないですよ。
      2019年の受験予定は、資格の難易度差がとても大きいですね。
      三陸特はいくらなんでも簡単すぎるのでは…って気がしますが、無線従事者の下位資格は、資格の数を稼ぐにはちょうどよさそうですね。

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