合格率10%以下の難関試験では、「変な問題」「見たことがない問題」が出るのは当たり前

ちょっと古い話なのですが、社会保険労務士試験では、こんな問題が出たことがあります。

〔問 10〕 労働安全衛生法に基づき定められた次の厚生労働省令の題名のうち、正しいものはどれか。

A クレーン等安全衛生規則
B 高気圧作業安全衛生規則
C 事務所安全衛生規則
D 石綿安全衛生規則
E 粉じん安全衛生規則

(第43回(平成23年) 労働基準法及び労働安全衛生法択一式 問10より引用)

「( ゚Д゚)ハァ?そんなん知るかーーーッ!!」って感じですよねwww
選択肢が文章になっておらず、ほぼノーヒントなので、知らないと全くもって答えようがありません。

ちなみに、こんな問題が1〜2問解けなくたって合否には影響しませんし、別に社労士業務にも大した影響はないと思いますので、出たとしても捨て問でOKです。捨て問上等!

社労士試験では、10年に1度出るか出ないかパターンの奇問のためにムダな労力を使ってはいけません。労働安全衛生法に関する規則名よりも、他に覚えるべき数値や名称がたくさんあります。

※ちなみにこの問題の正解肢はBの「高気圧作業安全衛生規則」です。
他の選択肢の正しい答えは、A:クレーン等安全規則、C:事務所衛生基準規則、D:石綿障害予防規則、E:粉じん障害防止規則です。
(ええ、もちろんググッて調べましたよw)

日商簿記1級でも、「事業分離・共同支配企業(第147回会計学」「オプション資産の時間的価値(第146回会計学」「のれんをS社の修正仕訳で計上する方法(第143回会計学)」「30年ぶりの本社工場会計出題(第140回工業簿記)」など、テキストにも解き方が載っていない(載っていたとしても、そこまでやりこんでいる人は殆どいなさそう)マニアックな論点が、手を変え品を変え出題されています。
もちろん、自分が受験生だった時、当然解けませんでしたよ(苦笑)

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マニアックな難問を出題する意味とは?

さて、資格試験では、どうしてこのようなマニアックで、覚える意味のなさそうな問題を出すのでしょうか?

殆どの受験者が解けない、確実に「捨て問」にされるのがわかっていても出題するのか?

それは、合格率10%以下の難関試験は、基本的には「落とすための試験」だからです。

過去問でも基本書でも見たことがないような、見知らぬパターンの問題が出ると、多くの受験生は、頭が真っ白になり、一瞬パニックになってしまいます。

ちなみに全くといっていいほど勉強していない人、勉強量が明らかに足りていない人は、逆にパニックになりません。
定番問題だろうがマイナー奇問だろうが、どの問題を見ても「知らない問題」「解けない問題」ばかりだからです。

逆に、「ある程度の時間をかけて勉強して、合否のボーダーラインの上下にいる人(特にボーダーラインのちょっと下にいる、あともう一歩で合格できそうな人)」こそ、この難問・奇問によるメンタル揺さぶり攻撃の格好の餌食になりやすいのではないかと思っています。

ある程度勉強して、定番問題はちゃんと解けるからこそ、マイナーな見慣れない問題を見ると「なんだこれ!?過去問パターンから外れた問題じゃないか!こんな問題見たことないよ!ギャーッ!どうしよう!」となってしまうんです。

試験当日は独特の緊張感もありますし、その緊張感の中で変な問題に出くわすと、それまで勉強してきた知識が一瞬どこかに飛んでしまう…そういう錯覚に陥ってしまいやすい。

でもそこでパニックになって、自分を見失って、本当だったらとれるはずの問題まで落としてしまうのはすごく勿体ない。

だから、過去問では見たことがないパターンの選択肢や、意表をつく問題をみかけたときは、
「ははーん。ここで受験生のメンタルを揺さぶって、(ボーダーライン付近の受験生を)振り落とそうとしているんだな?でもその手には乗りませんよ!ホッホッホwww」
「こんなのが解けなくたって合否には影響しない、他の問題をちゃんと解けば大丈夫なんだからね!」
と軽くあしらってやればいいんです。

未知の問題が出た時の気持ちの切り替え能力といいますか、パターンやマニュアルどおりにいかない事態がおこったとき、自分の持っている知識や能力を駆使して、どこまで冷静に対処できるかかが問われている、と考えればいいのです。

(※注:実際の実務では、曖昧な知識のまま知ったかぶりの解答すると、かなりの確率でお客様に迷惑をかけてしまいます。ある程度把握できるところまでは答えつつも、一度「お持ち帰り」をして、曖昧な点をクリアにしてから折り返し連絡・回答することになるでしょう。)


資格試験では、仮にCランクの難問・奇問が解けなかったとしても、Aランクの基本問題・Bランクの標準問題が解けていれば、大抵の試験は合格点はクリアできます。
満点はとれないけど、合格点は取れます。

「むむっ!何だコレは!?」という問題を見かけたら、まずは一呼吸して落ち着いて、その問題は飛ばして他の基本問題をキッチリ解いてください。
それから、余った時間で「変な問題」を解けばいいのです。
難問が解けなくて落ちることよりも、普段だったら解けるはずの問題まで落としてしまった結果、不合格になってしまうのが一番悔しいはずです。

とはいっても、試験本番で落ち着いて「駆け引き」ができるようになる、これらの「駆け引き」が生きてくるのは、結局のところはAランク・Bランク問題でキッチリと得点できる実力があってこそ、だったりするんですけどね…。

だって合格点を取れるだけの勉強をしてこなかった人が「これは難問だから捨ててよし!(キリッ)」なんて駆け引きしたところで、どう頑張っても合格点には届かないからです(苦笑)

そして、Cランクの難問・奇問ばかりに気を取られて、Aランク・Bランク問題の対策が疎かになってしまうのはもっとマズい(ベテラン受験生が陥りやすい)
難関試験にあともう一歩のところで合格できない時こそ、基本問題・標準問題で穴になっているところがないかどうか、基礎を復習する・徹底することが大事だと思っています(自戒をこめて)

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コメント

  1. しがないサラリーマン(小泉洋) より:

    同じ第43回選択式労災で、10円玉大というのもありましたよねぇ!!(笑)
    この回の労災は、結局2点救済となりましたが。

    択一は半分が基本事項ですからそこに10~15点上乗せ出来れば合格しますし、選択は先ず3点を目指して、難問なら2点救済があると割り切るしかないと思うしかないでしょうねぇ。

    ただ、あの試験会場でそのような冷静な判断が出来るかどうかですが(笑)

    • miwa@管理人 より:

      しがないサラリーマンさん
      そういえば、10円玉大とかテニスボールと卵だとか、話題になりましたね(その時の受験生じゃなくてよかった!?)
      基本的には択一での得点力がモノを言うとはいえ、択一である程度点数が取れるようになると、逆に選択で取りこぼすようになっちゃうんですよね…(余計な知識が邪魔をするのか、深読みしすぎて却って外してしまう?)
      社労士試験は良くも悪くも試験時間が長いので、最初は浮ついていても、問題を解いているうちに冷静さを取り戻せた記憶があります。

  2. 88_73 より:

    社労士は奇問がたまありますよね。
    ご多分に漏れず、応用情報技術者試験にも、奇問は2割ぐらいあります。
    しかも、他分野の資格試験から(技術士など)コピペした問題とか・・・
    明らかに資格マニアやその業界経験者?しか分からないような問題を入れてくる嫌らしいものを時折見かけます。
    資格マニアは社会的には「持っていても使える資格は一部なので宝の持ち腐れが多い」とレッテルを張られますが、他の資格試験から引用した問題からの出題となれば、これが裏目に出て、ラッキー問題になることもあるんですよね・・・。

    応用情報の午前試験の時、奇問をすっ飛ばすどころか、第80問目から逆行して解いてましたw
    1問目から解くと2進数問題とか手間のかかるものばかりなので、お尻から解くと、実務関係の問題からスタートするので、効率よく解答することができます。(但し、マークミスしやすいので問題番号と解答用紙の問題番号の照合をしてからマークという作業が余計に増えます。)
    今年の第80問目はTwitterでも話題になってたので、過去問も公開されていますからお時間の有る時に一読してみて下さい。

    • miwa@管理人 より:

      88_73さん
      情報処理の試験も、たまに変な問題ありますよね…。
      私が基本情報に受かったのは、まさに資格マニアの知識を生かしたお陰でしたし(全経上級・日商簿記1級の勉強をやってたので解けた)。あれはラッキーとしかいいようがなかったです。
      情報処理技術者試験は、情報処理能力そのものというか、合格するために必要な情報を取捨選択する能力があるかどうかが問われている試験と考えればいいのかもしれない(笑)

      応用情報の80問目、見ましたよ…。
      会社員としては利益やコスト削減は大事だし、本当は利益が大事だとお言いただけど、もっと広い視野で考えると、公衆の安全や社会の発展、ということになるんでしょうかね。

  3. MT より:

    今晩は。

    社会保険労務士試験では、そのようなことがあるのですね。
    中小企業診断士試験(第1次試験…平均合格率20%)においても、
    似たような傾向があります。

    平成28年度の『経営情報システム』と
    平成30年度の『経営法務』では、
    専門家でも解くことができない出題があった模様で、
    加点措置をして、点数を補正したようです。
    このような奇問が出題された場合は、
    時間が余ったら解くようにしています。

    逆に初見の問題であっても、常識で解けそうな問題だったり、
    紛らわしい文章になっているだけだ、ということを見抜いた場合は、
    さっさと解いて次の問題に移動してしまいます。

    ちなみに、今では、下火になってしましましたが、
    道内では未だに数多くのご当地検定が存在しています。
    『北海道フードマイスター検定試験』や『旭川大雪観光文化検定試験』など、
    試験対策講習がある試験は、何故か講習を受講した人にだけ
    易しい試験になっているらしいです。

    • miwa@管理人 より:

      MTさん
      診断士試験は出題範囲が広い割には問題数が少ないので、変な問題が出たときの得点ロスのダメージが大きそうだなと思います。
      だからこそ、あまりにも難しかったときは、加点措置があるんでしょうけど…。
      診断士試験の本番は2次ということを考えると、1次である程度絞りたいけど、だからといって不合格者を増やしすぎるのもあまり具合がよくないのかもしれません。

      ご当地検定の講習会もあるんですね。
      ご当地検定系は、京都検定レベルの試験ならまだしも、大抵は国家資格と違って過去問のデータ量が少ないので、講習会に出ることで難易度や傾向を掴みやすいというのはあると思いますよ。

  4. シーラ より:

    この社労士の問題、奇問といえば奇問だけど、解きようはあると思う。
    まず、「安全」と「衛生」は別のものということ。だから、安全に気を付けなければいけない作業かどうか、衛生が問題になる作業かどうかを考える。
    すると、迷いはするだろうけど、一番妥当な「両方に深く関係している作業」は高気圧かなあ、位に考えることは可能。
    事務所衛生基準規則は室内の温度湿度の基準を定めている重要な規則なので、事務所仕事の人は全員勤務先に貼っておくべきw (私は会社の温湿度計の下に貼りました)
    ちなみにこの規則によると、クールビズでエアコンを28度設定にするのは違法です。
    (エアコン設定温度ではなく実際の室温が28度以下になるよう努めなければいけないところ、設定28度だともっと高温になりがちなのは自明だから。(ダイキンの業務用エアコンを除くw)あと、そんなにエアコン弱くすると湿度の基準を満たせるわけがない。

    • miwa@管理人 より:

      シーラさん
      安全に気を付けなければいけない作業と衛生に気を付けなければいけない作業!
      なるほど~~。それはいい考えですね。
      当時はそういう発想がなかったです。
      実はこれの類似問題は平成13年にもあったのですが、自分が受験生の時、過去問題集の解説には「これは捨て問です。解けなくも問題ないです」などと書いてあった気がしますw
      というか、他にも覚えなきゃいけない重要論点が大量にあったので、優先順位を考えると、このテの問題は捨て問にせざるを得ないって感じでした