毛筆書写技能検定準1級の第1問では、四文字の漢字を、楷書・行書・草書の三体で書く問題が出題されます。
こんな感じの問題が出ます↓



字は大きすぎても小さすぎてもダメで、各文字について上下左右約1センチの余白をとれるくらいの大きさで書くと、ちょうどよい大きさになります。
半紙を12マスになるように折って、そのマスの中で1センチずつ余白を作るという感じですね。
もちろん字形によっては、厳密に1センチの余白が取れない字もありますし、マス目どおりに書くことにこだわりすぎると、かえってバランスを崩すこともあるでしょう。
(縦長になりそうな漢字があるときは、6マスで折って、上2文字・下2文字を入れるようにしていました。)
ただ、どのような字が出たとしても、紙に対して字が大きすぎる/小さすぎるとあまりいい評価が得られないようです。
(2級の時に受けた書写能力診断テストで「字が大きい」と指摘された。)
大きすぎず小さすぎず、適度な余白を作ることを意識して練習するのが大事だと思います。
もっとも、準1級で大変なのは、レイアウトよりも、まずは漢字を楷書・行書・草書の三体で書き分けられるようになることだと思います。
準1級にチャレンジしたいけど、草書体が覚えられなくて躊躇している人、受験したはいいけど草書体が適切に書けなくて不合格になっている人が結構多いように感じます。
とりあえずは、出題が予想されそうな草書体はスラスラ書けるレベルまで叩き込むしかないです。
ある程度はインプットをしないことには書きようがないからです。
単純に行書を崩せばいいかというとそうとは限らず、旧字体がベースになっている草書体も結構多いですし(苦笑)
たとえば「声」とかね。
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声の草書体は、旧字体の「聲」がベースになっている。
では具体的に、どんな草書体を、どれだけ覚えたらよいのか?
私は、同時期に硬筆書写技能検定準1級を受験していたため、草書体のインプットは主に硬筆の方でやっていました。
硬筆準1級の対策でも、大部分はカバーできるものの、毛筆準1級の過去の出題実績をリストアップしたところ、必ずしも硬筆準1級の第2問対策だけで、毛筆準1級の第1問が網羅しきれているわけではなさそうでした。
なので、毛筆準1級と1級の過去問(H18−1〜R3−3)をもとに、過去に出題された漢字については、書体字典でしらべてノートに纏めました。
字体そのもののインプットは、筆で書くと時間がかかるので、硬筆の練習を兼ねて、ペン書きで練習しました。
ただ、行書にしろ草書にしろ、一つの字でも複数の書体があるので、正解は一つではないのが地味に厄介です。
でも最初のインプットは、まずはベーシックな草書体を一つだけ覚えるようにした方が効率が良いです。
(そういう意味では、毛筆の方も硬筆と同じ書体で覚えればよかった…と後悔しました…。硬筆と毛筆で違う本を使って書体を調べたため、字形の違う字に混乱してしまったので。)
まずはベーシックな草書体を一つ覚えて、理論の「草書の読み」問題などで同じ字が出題されているのを見つけたら、その書体をノートの余白に書き込んでおくと、理論対策にもつながると思います。
<毛筆書写技能検定準1級対策ページへのリンク>
・毛筆書写技能検定準1級 使用した教材・道具類
・毛筆書写技能検定準1級・過去問題の収集方法
①・毛筆書写技能検定準1級・第1問対策 上下左右に適度な余白を作る、過去に準1級・1級で主題された三体を覚える。
①・硬筆書写・毛筆書写準1級対策:草書体の練習だけで練習時間の6割を費やした理由
④・毛筆書写技能検定準1級・第4問かな臨書対策~高野切第一種・第三種・伊予切を中心に練習する
⑤・毛筆書写技能検定準1級・第5問(はがき)練習法~上下左右の余白と字の大きさに気を付ける
⑧・硬筆・毛筆書写技能検定準1級:旧字体・書写体対策~硬筆2級のドリルを使って書き取り練習をする
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