毛筆書写技能検定3級についてまとめました。
使用教材
・毛筆書写技能検定の手びきと問題集(平成29年版)
・毛筆書写検定ガイド―文部科学省認定 (実技3・4級)
・毛筆書写技能検定用半紙
・書道セット
練習・学習時間 約2週間・15時間程度
※自宅で3級実技の自主練習をした時間と、理論の勉強に使った時間。書道教室に週1で通っている時間は除く。
毛筆3級受験時点での書道教室通学歴と級は、約2年・1級レベル(一般部)。
※硬筆書写技能検定準2級・3級合格済み
取得に要した費用
受験料:3,100円
テキスト代・道具代:1,512円
「毛筆書写検定ガイド―文部省認定 (実技3・4級)」以外は、4級受験時に購入したもの・手元にあるものを使用しているため、新たに購入したものはなし。
合計:4,612円
毛筆3級合格率データ(事業報告より抜粋)
平成27年
第1回 受験者4,142 合格者3,073 合格率74.2%
第2回 受験者3,771 合格者2,841 合格率75.3%
第3回 受験者1,546 合格者1,033 合格率66.8%
平成28年
第1回 受験者4,106 合格者2,912 合格率70.9%
第2回 受験者3,545 合格者2,587 合格率73.0%
第3回 受験者1,671 合格者1,143 合格率68.4%
3級の練習法(実技)
「毛筆書写技能検定の手びきと問題集」には、過去問題は理論・実技問題ともに載っていますが、実技試験のお手本は載っていません。
一方、「毛筆書写検定ガイド」の方には、過去の出題例のお手本が載っているので、まずは実技試験の練習はこのガイドを使って練習するのが効率的です。
「ガイド」の発行年度は1995年とちょっと古いんですが、現在でも、3級実技問題は、このガイドにのっている課題と同レベルのものが出題されているので、十分使えます。
一通りそこそこ書けるようになれば、実技試験で落ちる心配はしなくても大丈夫です。
(毛筆で求められる技術・筆法そのものは、時代が変わっても、大きな変化がないからだと思います)
なお、試験本番では、お手本は配られません。
問題用紙には、明朝体で字句が書かれています。
ですので自運で楷書・行書を書くことになります。
3級の実技は、楷書・行書の筆法を使い分けられるかがポイントになります。
とはいっても、練習でもお手本を見ないでただひたすら書くだけでは、効率はよくありませんよね。
ですので、このガイドに載っているお手本を見ながら一通り練習するのが良いです。
実際の過去問題は、「手引き」を購入して確認するのがよいと思いますし、実際の過去問のお題を一通り書いてみる練習もやったほうがいいのですが、最初は「毛筆書写検定ガイド」の手本を参考にして練習したほうがいいでしょう。
一回でも書いたことがあれば、書き方のコツやポイントはある程度つかめると思いますし、行書もどの程度のレベルのものが求められるかわかります。
一口に行書といっても、楷書に近いものもあれば、草書に近いレベルで崩されたものもありますからね。
※なお、「手引き(平成29年度版)」によると、3級では、小中学校の書写教科書中の手本や、九成宮醴泉銘・孟法師碑、集字聖教序、蘭亭序(初歩的段階で学習する古典)程度の書き振りを期待しているとのこと。
3級のレベルはあくまで「中学生・高校生レベル」ということもありますので、答案例をみても、中学校や高校の授業で習う程度(楷書に毛が生えたレベル)のものが書ければ十分だと思われます。
(3級の答案例参照)
また、3級では、漢字かな交じり文(20文字程度)が新たに出題されます。
これは、7~8号サイズの細筆を使って書きますが、こちらも、漢字は行書指定。
ひらがなの書体は特に指定されていませんが、連綿で書かないこととの注意書きがあります。
行書の筆法については、第2問と同じレベルのものが書ければ十分でしょう。
ちなみに3級実技の合格基準点は、600点満点中415点以上(69%以上)なので、仮に多少行書が苦手でも、楷書で挽回が可能です。
なので、楷書がそこそこ書ければ、行書はそこまで神経質にならなくても大丈夫だと思います。
3級の練習法(理論)
毛筆3級の理論問題については、多少注意が必要なのは、草書の読み方と、書き順くらいなので、それほど難しいものではありません。
また、合格基準点も400点満点中275点以上(69%以上)なので、ぶっちゃけ理論で落ちる人は殆どいないと思います。
毛筆3級の理論は、硬筆書写技能検定3級とほぼ同じ傾向の問題が出ます。
なので、既に硬筆3級を持っている人は、その時と同じように勉強すれば大丈夫です。
★試験当日の注意点
・スリッパは必要な会場とそうでない会場があります。
・半紙を折って折り目を付けるのはOK。
・以前は罫線付の下敷きは使用できなかったが、2019年度から下敷きの指定がなくなったので使用できるようになった。
・受験票には書いてないけど、書き終わった半紙を置いておくための新聞紙を数枚持っていくとよい(新聞紙の支給をしてくれる会場と、そうでない会場がある?)
・基本的に、試験会場では使用した後の筆・硯などを洗うことはできない
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