これはあくまで私の個人的なスタンスですが、初受験の人ほど、理論・実技ともに一発合格を狙って勉強(練習)したほうがいいと思っています。
とはいっても、現実的には、試験本番までに十分な練習が積めない人も少なくないと思います。
ですので、「受験しようかな~」と思い立った時点で本番まであと1-2ヶ月しかない状況であれば、まずは理論の科目合格狙いで受験する戦略は有りだと思います。
それは毛筆1級の理論問題はオール記述式かつ合格基準が約8割(315点/400点)以上なので、確実に合格ラインをクリアするためには、ある程度の勉強量が必要だからです。
旧字体・書写体を自運で書く、草書(書譜・十七帖・真草千字文)と仮名が読めて、古典・古筆の作品名と筆者名を覚え、歴史的仮名遣いの勉強をして、書道用語についても60字程度で記述ができて…
私自身、硬筆1級合格後に毛筆1級を受けましたが、それでも理論対策にはそこそこ時間をかけて対策をしました。少なくとも一夜漬けでは絶対無理だったと思います。
だからもし仮に実技が不合格になったとしても、理論に合格できたら次の試験では実技対策に専念できる。
今は理論科目合格の有効期限は終身有効なので、理論に受かるだけでも結構大きなアドバンテージになります。
ただ、だからといって最初から「1回目は手堅く理論の科目合格狙い、2回目で実技に合格すればいい」と安易に考えるのはちょっとお勧めしたくないです。
特に1回目の受験では、実技・理論の一発合格を目指すつもりで、出来る限り頑張って実技の合格も狙って練習したほうがいい。
練習してみたはいいけど、どう頑張っても本番までに間に合いそうにもないとわかった時に初めて科目合格狙いに切り替えればいいのであって、最初から実技を捨てるのはやっぱり勿体ないと思うんです。
それは、実技は回によって難易度差、問題の当たりハズレや相性の良し悪しがけっこう大きいので、2回目の本命の受験で確実に実技の合格点がとれるとは限らないからです。
もしかすると、自分が実技を捨てた1回目の問題がサービス回で、2回目の本命回で、わからない草書体や書き慣れていない古典・古筆の臨書が出ることだって十分あり得る話です。
実際私も、2023年6月に毛筆1級を受ける前は、硬筆1級の試験から4か月しか準備期間がなく、しかも2月〜5月にかけて毎日展の作品制作(漢字多字数と刻字)・書道会の段位昇格試験が重なっていたので、最初は「6月の毛筆1級はとても実技で受かるとは思えない。6月は理論の科目合格ができればいい。」と思ったんですね。
ただ、楽な方に流されそうになるところを「やっぱり出来るかぎり一発合格を目指して頑張ろう!」と切り替えて頑張れたのは、過去の資格マニアの記憶です。
私の場合、一回目の受験であまり勉強が積めてない状態で受験すると、次の2回目の試験でもあまりいい結果が出せず、結果として何度も受験するハメになってしまったからです。
逆に本試験まで時間がなくて間に合うかどうか微妙な状況であっても、やれることは出来る限りやろうと頑張って勉強した試験は、案外一発で合格できたことも多かった…。
前者は行政書士(5回受けたけど結局合格できずに挫折したまま今に至っている)と日商簿記2級(合格まで3回受験した)、全経簿記上級(合格まで4回受験した)、日商簿記1級(合格まで足掛け8年、6回受ける羽目になった)。
後者は宅建・保育士・管理業務主任者・工事担任者AI・DD総合種・漢検1級などです。硬筆1級も然り。
だから、「6月の試験まであと4か月しかないけど、4か月でやれる練習は出来る限りやってみよう。それでダメだったらしょうがない。その時はまた11月に仕切り直そう」と思ったんです。
で、毛筆1級も、蓋をあけてみたら、曹全碑(漢字臨書)も高野切第一種(仮名臨書)も、以前月例課題で1年以上臨書練習をしていたし、条幅の漢詩14字も過去に出題実績があり、実際に何枚か条幅で書く練習したことがあるものでした。
懸念だった理論の書道用語記述も、過去問に出題実績があってちゃんと答えを暗記していた用語が出てくれたので、自分的にはなかなかの「アタリ回・サービス回」だったのです!
だから試験本番中は「諦めずに実技の練習も頑張ってよかった!」と心底思いましたし、逆にハナから実技を捨てて科目合格しか狙っていなかったとしたら「今回曹全碑や高野切第一種が出るんだったら、ちゃんと実技対策もやっておけばよかった…_| ̄|○」と絶対後悔していただろうな~と思いました。
というわけで、結局何が言いたいのかといいますと、
「勉強(練習)時間が十分取れなくても、合格するべく最大限の努力をしていれば、合格のチャンスが目の前に転がりこんでくるかもしれない(自分が努力していればチャンスをつかめる)」
「自分の練習不足が原因で、目の前にあるチャンスをつかみ損ねてしまうのは勿体ない(次もまた目の前にチャンスがやってくるとは限らない)」ということです。
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