毛筆書写技能検定1級に一発で合格するために行った事前準備と工夫

私が2023年1月の硬筆1級受験後、2023年6月の毛筆1級試験に一発合格するべく取り組んだこと・工夫したことをいくつか書いてみたいと思います。

<事前準備編>

①準1級の時点で1級の過去問を出来るかぎり集める。過去問データを整理する。

私は毛筆準1級の受験時点で、1級過去問も複写してもらっていましたし、書写技能検定協会のサイトで、1級過去問も購入していました。

また、1級過去問の出題履歴(楷行草三体・漢字臨書・仮名など)も、excelでまとめていました↓

なので「1級の試験対策は準1級の時点から始まっている」と言っても過言ではないかもしれない。

②先に硬筆書写技能検定1級に合格しておく

先に硬筆1級に合格したからといって、毛筆1級の理論が免除になる特典はありません(笑)

ただ、免除の特典はなくても、7AB:旧字体・書写体、8B:仮名の古筆の読み、10AB:誤字訂正・歴史的仮名遣いは、硬筆1級と同じ出題形式です。

毛筆1級の8A:草書の読み問題は、硬筆準1級と同じ形式(書譜・十七帖・真草千字文など、草書の古典の図版を読む問題が出ます)。

毛筆1級の書道史は、多肢選択式から、作者名と時代を書かせる記述問題に変わるけど、硬筆1級で既に知識のベースの部分は出来ていれば、後は記述式で作者名と時代が書けるよう、アウトプットの練習をすればいいだけ。

つまり硬筆1級でもって旧字体・書写体・仮名古筆・誤字訂正・歴史的仮名遣いの勉強をしておけば、毛筆1級の理論でゼロから新たに勉強しなくてはいけないものは9A:書道用語の記述問題だけで良いことになります

2級以下の理論は大して難しくないですが(平成30年度からマークシートになったから余計にね)、準1級からは理論もそこそこ時間をかけて対策をしないと、理論で不合格になりかねません。

特に1級は理論の合格ラインも約80%とかなり高いので、理論の勉強時間もそこそこ必要になってきます。

でも先に硬筆1級の理論で合格点が取れるだけの勉強をしていれば、毛筆1級の理論の勉強にかかる手間と時間の大半を省ける分、毛筆1級実技の練習時間を捻出できるようになります。

③硬筆1級の結果待ちの間に毛筆1級の対策ノートを作っておく

1月に受験した硬筆1級の結果が出るまでの間(2月)に、過去問の

・第1問の楷行草三体

・第5問の自由作品(aとb)

の三体を調べて、ノートにまとめておきました。

硬筆1級を受験した直後の感触としては、理論は多分合格点が取れてそうだったけど、実技の出来が微妙だったので、硬筆1級の結果がくるまでの間は、毛筆1級対策と硬筆1級(実技)の両方の練習になりそうなことをやっていました。

<練習時間を捻出するための工夫>

①書道教室の先生に事情をぶっちゃける

お教室の先生には、「今年は東方展と毎日書道展には出品しますが、2月~6月中旬までは毛筆1級の試験練習があるので、自宅で月例課題を書く時間があまり取れないです」と、事前に話をしておきました(その間は条幅課題は出せませんでした)

あと、毎日書道展刻字部への出品作品も、今年は陽刻じゃなくて陰刻で出品しました。

陽刻にするとどうしても彫る時間がかかってしまう→腕と肩を痛めて書道の練習ができなくなるからです。今回は陰刻にして、箔貼りは雅印のみ・額入れもしない、ごくシンプルな作品にしました。

実際どうだったかというと、腕と肩は痛めなかったけど、予想外に色塗りに時間がかかってしまったので、思っていたほど時短にはならなかったです(ただこれは途中で背景色を変えたせいなので、本来だったらちゃんと時短できるはずでした)。

②机の上に書道道具と手本をセットしておく

これは特に休日(土日)に有効です。夜寝る前に、テーブルの上に翌日やる予定の練習道具を用意しておくんです。

書道に限った話ではないけど、勉強を始めるまでのアイドリング時間も積もれば結構な時間になります。事前に準備を済ませておけば、あとは書くだけでOKです。

③金曜夜に土日の練習予定をリストアップする。

金曜日の夜には、土日で何の練習をしたいか、手帳に全部書き出して、消化できたら一つずつ赤ペンで消すようにしていました。

頭の中で予定を組むよりは、やりたいことを紙に書きだして、終わったら一つずつ消していく方が、予定していたノルマを効率的に消化できることが多かったからです。

平日の分については、月~金までの5日を1単位にして、日曜日夜に予定を考えています。平日夜は練習に使える時間にも限りがあるので、1日単位よりは5日でノルマが消化出来れば良し、と考えていました。

④用具類が欠品しないようにする

試験直前に慌ててキョー和(新宿)や宝研堂(浅草)に駆け込まなくても済むよう、筆と墨、紙は多めに買っておきました。(余った筆はどうせまた今後の練習で使うので、買っておいても無駄にはならない)

半紙も書写技能検定協会のサイトで、残り3セットになった時点で発注するようにしていました(注文から大体3〜4日で届くので、3セットあれば欠品はしないはずです。)

⑤隙間時間の活用

臨書課題対策用に、2019年版の手引き(楽天kobo版)より、図版のスクリーンショットをとって、スマホのアルバムに入れていました。

あと、過去問もスキャンしてpdf保存→google driveでオフライン利用できるようにしていました。

通勤電車や太極拳クラブへの移動時間、仕事の昼休みなどの隙間時間で、スマホで撮影した図版、理論のノート、過去問などを眺めてました。

⑤問題ごとにまとめて練習する

1級に関しては、問1~6までの通し練習はしませんでした。

本当は通し練習もした方が良かったのだろうけど、道具の準備・後片づけに手間がかかるのが嫌で結局やらなかったです。毛筆1級は道具の準備と手間が本当に面倒くさいです…。

そのかわり、普段の練習では「今日の夜は第1問三体の過去20回分を通しで書いてみよう」みたいにまとめてやってました。

ただ、やっぱり同じようなものばかり書いていると飽きてくるんです(笑)

また、小筆は右手が疲れるし、条幅は足腰に負担がかかる。

なので土曜の午前に条幅を書いたら、午後に2時間仮名を書くとか、腕と足腰の疲労を考慮して、練習時間を区切るようにしました。

1~6までの通し練習はしなかったものの、一つの課題を書くのにかかる時間は計測するようにはしていました。

1枚を書くのに時間がかかる課題は、自由作品の条幅と賞状です。この2つについては、1枚あたりどれだけ時間がかかるか、計測しておくとよいでしょう。

⑥草書体の字形はペン書きで覚える

草書体の書き方自体は、ペン書きでも覚えられる→自宅外のカフェや図書館などでも練習できるからです。

硬筆の時はペン書きで覚えていたしね。

筆を握らなくても出来る練習ということで、とにかく一つでも多く、書けない草書体を潰していきました。↓

⑦過去問は第1回試験(6月実施)の課題を重点的に取り組む

書写技能検定で出題される問題は、季節感を大事にしているのか、第1回(6月)だったら初夏~夏、第2回(11月)だったら秋~冬、第3回(1月)は冬~春に関連する言葉が多く出ます。

なので過去問に取り組む際、特に楷行草・仮名・自由作品については、第1回(6月実施)の過去問を優先して取り組むようにしていました。

⑧書写能力診断テストを受ける

勉強開始時点と、試験直前期にそれぞれ1回ずつ受けておくと良いと思います。

毛筆1級に関しては、本当は2023年2月と4月に受ければよかったんだろうけど、2月テストの申込時点ではまだ硬筆1級の結果が出ていなかったため、申込はしませんでした。また、3月は診断テストの実施がありませんでした。

(今思えばフライングになってもいいから2月テストを申し込むべきでした。結果がわからないのなら、2月に硬筆1級と毛筆1級、両方のテストを受ければよかったなと。)

答案提出~返却のスパンを考えると、ベストは勉強開始時点と試験直前2か月前の診断テスト。最低でも試験直前の2か月前のテストだけは絶対に受けたほうがよいです。

また、テストの答案が返ってきたら注目したいのは、各問題ごとの指摘事項です。

レイアウトや余白、字の大きさに関することであれば、過去問を通して練習すれば短期間で改善できますが、字形そのものに関する指摘事項があったら、基礎点画の練習を重点的にやった方がいいと言えます。

テストを受けることで、練習の方向性を間違えないよう、適宜軌道修正をしていくわけです。

ですので、診断テストの時点で合格点が取れているかどうかは、あまり気にしすぎないほうがいいです。診断テストといっても、所詮ただの模擬試験でしかないからです。

何回受けて合格点をクリアしたからって、本番の得点には1点も加算されません(そもそも本試験では回答用紙に自分の名前を書く欄はありません。会場コードと受験番号しか書かない。)

特に診断テストで合格点に届かなかった場合は、どの問題のどの箇所がネックになっているのか、その箇所を修正していくことがとても大事です。

さすがに試験直前1か月前の時点で、20点や30点も足りてないようでは合格は厳しいかもしれませんが、1~5点足りない程度であれば、残り1か月の練習で十分リカバリーできます。

⑨とりあえず毎日筆を握るようにした!

単純にこれはもう、硬筆1級の合格(2月下旬)から毛筆1級の試験日(6月18日)まで、あと残り3か月半しかなかったからです。「これは毎日筆を握って練習しないと、6月の試験本番に間に合わないぞ!」と危機感を抱いたんです。

普通に考えると何も6月合格にこだわんなくてもいいじゃんって思うのだけど、11月はまた太極拳の大会と被るかもしれない(実際R4年度は大会と検定の日が被ってしまった)。

それに硬筆1級の時も、約4か月半、ほぼ毎日ペンを握って練習をしたら合格できたのだから、毛筆1級だって同じように毎日練習すれば合格できる可能性はゼロではない…はず。

そんなわけでこの3か月半、過去問やら、臨書用のテキストなど、手持ちの課題という課題を片っ端から書きまくってました。

太極拳の練習がある日も、帰宅後に夜10時から12時くらいまで毛筆の練習をしていましたし、休日は1日4~8時間は書いていたと思います。

旦那からは「試験前のmiwaは漢検1級の時と同じくらい狂気じみていた。一体どんだけ書道の練習するんだよと思っていた」と言われましたw

そんなわけで、3月~6月の試験本番までの書道の練習時間は、トータルで400時間は練習したんじゃないかと思います。

(※お教室に通ってる時間、月例課題や毎日展に出品する作品の練習時間も含めてですが)

これまでの1年間の書道の練習時間はせいぜい200時間程度だったことを思うと、この3か月半でおよそ2年分の練習をした計算になります。

書道教室に通ってる大半の人は、書道教室に通ってる時だけ筆を握る(あとはせいぜい自宅で課題を書いてくる)程度の練習量だと思うんですよ。というか毛筆1級受験前の私がそんな感じだったしねw

でも毎日(週7)筆を握って練習すれば、上で書いたように、3か月半で2年分もの練習ができるんです。単純計算で練習量が5倍に増えるわけですね。

もちろん、これまでの5倍の練習量を積んだからといって、そっくりそのまま5倍速で上達するとは限らないですが、少なくとも週1~3ペースで練習していた時と比べると、上達速度に加速がついたのは事実です。

最後になりますが、練習期間は短くても、過去問の出題傾向にそって練習すること、練習時間や理論の勉強時間を捻出する工夫が大事だと思います。

<★毛筆書写技能検定1級対策>
<準備・工夫>
毛筆書写技能検定1級 使用したテキスト・字典・過去問・道具類まとめ
毛筆書写技能検定1級に一発で合格するために行った事前準備と工夫
毛筆書写技能検定1級対策(準備編)~過去問を出来るだけ多くかき集める(主に国会図書館で)
【毛筆書写技能検定1級・準1級対策】筆を持たなくてもできる練習は意外とある
毛筆書写技能検定1級に一発で合格するコツ①~理論は10分以内に完答できるレベルまでやり込む
毛筆書写技能検定1級に一発で合格するコツ②~「賞状」を1枚25分以内で書けるようにする
【硬筆・毛筆書写検定】苦手な科目でも評価4をもらうコツ
<各問題ごとの対策>
毛筆書写技能検定1級 第1問(楷行草三体)対策~第5問Bも参考にする。草書体のインプットはペン書きで練習する。中筆を何本か試してみる。
毛筆書写技能検定1級第2問(漢字かな交じり文)行書に調和した平仮名の練習を重点的に行おう
毛筆書写技能検定1級第3問・漢字の臨書対策~形臨に重点を置いて練習する。
毛筆書写技能検定1級第3問 楷行草三体よりも臨書の練習に力を入れていた理由
毛筆書写技能検定1級 第4問かな臨書対策~高野切第一種・第三種、関戸本古今集の3冊を重点的に練習する
毛筆書写技能検定1級・第5問条幅対策(漢字14字)~五体字類で集字する、「変化」を意識する
毛筆書写技能検定1級・第6問賞状対策 レイアウトの組み方に慣れる・字はある程度大きく太く書くと重厚感が表現できる
毛筆書写技能検定1級:賞状の失敗例と合格点が取れる答案の比較
毛筆書写技能検定1級第8問A・草書読み問題対策~書譜・十七帖・真草千字文の臨書をする、硬筆準1級の過去問を参考にする。
毛筆書写技能検定1級・第9問A書道用語対策~「手引き」の書道用語は一通り押さえておく、単語カードは敢えて手書きで作る。
毛筆書写技能検定1級第9問B(書道史):時系列で覚える・作者ごとに覚える、漢字で作者名を書く練習をする
硬筆書写技能検定1級:第10問B(歴史的仮名遣い)対策〜中学生・高校生用の古文の参考書を読む、過去問で誤りパターンを覚える

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