毛筆書写技能検定1級第3問 楷行草三体よりも臨書の練習に力を入れていた理由

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毛筆1級では、第1問の楷行草三体の練習よりも、実は第3問・第4問の臨書練習を重点的にやっていました。
ちゃんと数えてないけど、第3問(漢字)と第4問(仮名)の臨書練習だけで、半紙2500枚は使ったと思います。

というのは、1級臨書でよく出題される隷書と北魏楷書は、現代の楷書とは筆法が異なるので、ある程度時間をかけて練習しないと、その特徴をうまく表現できるようにならないからです。

そんなわけで、過去問だけでは飽き足らず、「書の古典シリーズ」を数冊追加購入してしまった!

さすがにこれらのテキストを全ページ臨書をする時間は取れないので、「書の古典シリーズ」の巻末にある「臨書作品制作」のページから、4文字の部分を抜粋して臨書しました。(隷書は2文字で出題されることが多いので、2文字バージョンと4文字バージョン両方とも)

行書と草書に関しては、準1級と1級の出題傾向はそれほど差はありません。

ですが、1級は隷書が1年に1回の割合くらい、楷書が出題される時は北魏系(牛橛造像記、張猛龍碑、高貞碑、鄭文公下碑)または唐代でもやや難易度が高いもの(雁塔聖教序、顔氏家廟碑)が良く出題されます。

総じて、準2級・2級・準1級よりも、やや難易度が高めのものが選ばれます。

つまりは1級では「書き慣れていないとその特徴をうまく表現できない」難しい問題が結構な頻度で出題されるということです。

これは、「書き慣れている人とそうでない人では、出来不出来の差がつきやすい」とも言えるのではないでしょうか。

1級は合格率が毎回10%前後の難関試験であり、また中央審査委員会に回答が集められて合否の審査がなされる試験です。

上位10%以内に入らないと合格できない、相対評価的な側面を持つ試験でもありますし、基本的には【落とすための試験】です。

出題実績が少なくて書くのも難しい古典は、上手く書ける人が少ない(臨書したことがある人が少ない)でしょうから、ここではそれほど差はつかない。

逆に、簡単かつ定番すぎる古典だと、皆そこそこ上手に書けるので、これもまた差がつかない。

でも、張猛龍碑や高貞碑、鄭文公下碑、曹全碑、礼器碑のように「難しいけどよく出る」古典は、十分練習してきた人とあまり練習していない人の出来栄えの差が大きい。
だからこそ、「比較的有名だけど難易度が高めの古典」を出題することで、受験生間の力量の差を見たい(点数に差をつけたい)のかもしれません。

またこれらは2級と準2級では出題範囲には含まれていませんので、2級との棲み分け、2級との難易度差をつけたいだろうし、「1級の受験生ならば、唐代の楷書・行書・草書だけじゃなくて、隷書や北魏楷書もある程度書けるようにしてほしい」ということなんだろうと解釈しました。

もう一つ、直接的な第3問・第4問対策以外の理由としては、筆力そのものを向上させる訓練としても、古典の臨書練習は効果的と言われているからです。

第1問の楷行草の三体の書き方それ自体は、ペン書きでも覚えられる。

だったら筆を握るときは下手に自己流で自運で練習するよりも、まずは一旦基本に立ち返って、古典の臨書を重点的に練習する方が、ベースの筆力向上につながるだろう…と考えました。

また古典で使われている漢字は、書写体や旧字体がベースになっていますから、理論の第7問対策にもつながりますし、書写体や旧字体を練習することで、回り巡って草書体の習得にも役立ちます(草書体は行書を簡略化したものではなく、隷書体から発展しているから)

それに第5問の自由作品でも、古典の表現を勉強して作品に活かしてほしいと言われているのだから、古典の臨書練習はまわり巡って第5問対策にもつながっていくと思うのです。

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