毛筆書写技能検定1級 第1問(楷行草三体)対策~第5問Bも参考にする。草書体のインプットはペン書きで練習する。中筆を何本か試してみる。

私にとっては、第1問の三体は「そもそも草書体が書けるかどうか」がネックだったので、第1問はペン書きで「行書・草書体が書けるかどうか」チェックをする練習を中心にやっていました。
筆を持たなくていいなら、自宅以外の場所でも練習できるからです。

まずは第1問の過去問を楷行草で書けるように練習するのが最優先ですが、第5問B(漢字5字)とA(漢字14字)との漢字の草書体も書けるように練習しました。

第1問で出題される漢字5字は、漢詩などから抜粋されたものが多く、硬筆1級第2問の熟語とは出題傾向が異なるように感じました。
また、過去に第5問Bで出題された語句が第1問で出題されることもたまにあります(逆もまた然り)。

なので、教育漢字や常用漢字のすべての草書体をマスターするよりかは、漢詩で使われている漢字の草書体をマスターする…という方向性で練習する方が良いと思いました。
あるいは墨場必携などを参考に、5文字・10字の語句を練習してみるのも効果的だと思います。

草書体を覚えるだけならペン書きでも出来ますが、1級の三体は、慣れないうちは5文字×3行をちょうどよい大きさで半紙に書くこともなかなか難しいです。

半紙に15文字(5文字×3行)を書くとなると、どの筆を使って書けばちょうどよい大きさで書けるか、試行錯誤を繰り返しました。
最初は準1級の時と同じ筆を使っていましたが、何十枚書いてみても、ちょうどよい太さの線を出すのが難しくて、出来不出来の差が激しかったからです。

準1級の12文字(4文字×3行)はなんとかなったけど、15文字だとどうしても下の文字がうまく入らなかったり、字間が詰まってしまうことが多かったのです。
月例課題や臨書問題の字に比べると小さくて細いけど、でも小さく見せない、だけど窮屈に見せてもいけない。その微妙なところの調整が難しかった。

そこで、1サイズ小さい筆に変えてみたら、線の太さと字の大きさがちょうどよく書けるようになりました。

何が言いたいのかというと、サイズ感や字間の調整がうまくいかないようなら、筆のサイズを変えてみると、案外うまくいくかもしれない、ということです。
ですので、中筆を何本か用意して試してみるのも効果的だと思います。

というか書道用品専門店の店員さんに聞いて、試し書きをさせてもらうのが手っ取り早いです。

というのは、宝研堂で筆をさがしていたら、店員さんに「どういう筆をお探しですか?」と声をかけられました。
書かなければいけない課題は既に決まっているのだから、こういう時は具体的に何を書きたいのかを言った方がピッタリな筆を出してくれそうだな!と思いました。

そこで毛筆1級第1問の課題の写真を見せつつ「こんな感じで半紙に楷書行書草書の三体を5文字ずつ書きたいんですけど、半紙に15文字を程よい大きさで、楷行草の三体を書くのにちょうどいい筆がほしいです」と言ったら、「このサイズだったら中筆ですね」と3本ほど候補を見繕ってくれました。

水習字用のプレートで試し書きをさせてもらった結果、私が選んだのは「宝研堂製 博楽」という筆です(定価2500円のところ、確か2000円くらいで買った記憶がある)。

※第1問用の筆に限らず、どの筆がいいか迷ってるときは、書道用品専門店の店員さんに、書体(楷書/行書/草書/隷書/篆書など)、目的(漢字・仮名・漢字かな交じり文・実用など)、字の大きさ、紙のサイズ(半紙・半切・二六など)をお伝えすると、ちょうどよい筆をいくつか出してくれます。
大字書用の太くて大きい筆とか、高級な羊毛筆とかじゃない限り、1本1000円~3000円程度の程よい値段の筆を見繕ってくれます。

ちなみにこの第1問については、この程度書けたら評価4はもらえます(2023年4月に受験した書写能力診断テスト参照)

なのでこの程度の大きさや字間をキープしつつ、更に良い字形で書けるように、練習を繰り返しました。

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