毛筆書写1級対策にあたっては、準1級の練習の時点で、過去問を手に入れられるだけ手に入れました。(R4年度分は2023年4月に購入)
私が手に入れた1級の過去問は、
第1回(昭和49年6月実施)~第7回(昭和52年6月実施)
昭和53年度~平成3年度第1回・第2回
(※この時点では1級の実施は年2回だったようです)
平成18年度~平成24年度第1回・第2回・第3回
平成26年度~平成30年度第1回・第2回・第3回
令和2年度・3年度・4年度第1回・第2回・第3回
合計80回分です。
※管理人は、2018年1月に毛筆書写技能検定4級を受験する際に、平成29年度版の「手びきと問題集」を購入していました。
(29年度版には、平成26年第1回~平成28年第3回の1~5級の過去問が収録されている)
多分準1級まででいいやと思っていたら、ここまではやりませんでした。
でも準1級を受ける時点で、この試験は1級まで受けるつもりだったので、準1級の対策と並行して、何度か国会図書館に足を運んでコツコツと資料を集めました。
※通勤定期のエリアに国会図書館があり、直接来館する方が安上がりっていうのもあったため。
なぜ昭和の「書道検定」時代の過去問題も収集していたのかというと、「書道」という試験の性質上、たとえ私が生まれる前の古い過去問であったとしても、出題される内容は大きく変わらないだろうから、参考になる部分もあるはずと踏んだからです。
それもそのはず、漢字の古典、仮名の古筆は、北魏~唐の時代であったり、奈良~平安時代の歴史の遺物です。
また、現代の楷書の筆法も、唐の時代にある程度確立されたものです。
技術の進歩が速い情報系の試験や、法改正が頻繁に行われる法律系の試験と比較すると、その点で性格が違う。
それでも昭和の時代の試験と、令和の現代の試験を比べると、出題の傾向が変わっている部分は当然あります。
例えば、昭和の時代では、「寸松庵色紙」「升色紙」「大字朗詠集切」の仮名臨書が出題されていましたが、これらについては少なくともここ15年では出題実績はない。
また、「草書の読み」問題でも、ここ10年くらいは「書譜」「真草千字文」「十七帖」の3つのどれかが中心ですが、30年以上前はこの3つ以外からも、「風信帖(空海)」「伊都内親王願文(橘逸勢)」「地黄湯帖(王献之)」から出題されていたこともあります。
昔の試験と今の試験を比べて、変化している部分と変化していない部分を把握すること、どのように変化しているのか、過去問の踏襲率がどのくらいなのか等を知っておくことそれ自体が、試験対策では大きなヒントになります。
それらを知ることで、何をどこまで対策すればよいのか、逆に何をしなくてもいいのかが、優先順位がよりハッキリ見えてくるからです。
また、「賞状」の日付についても、基本的には試験の実施日の日付で出題されるため、過去問の練習をする時は、過去問通りの日付ではなく、私が1級の受験する日(令和5年6月18日)に置き換えて練習するようにしました。
参考:国会図書館に所蔵されている毛筆書写技能検定のテキスト・問題集類
・書道検定の手びきと問題集
1974.8 <Y54-1360>
・書道検定の手びきと問題集 昭和50年度
1975.2 <Y95-M77-2817>
・書道検定の手びきと問題集
1975.8 <Y95-M77-3071>
・書道検定の手びきと問題集
1975.8 <Y95-M77-3364>
・書道検定の手びきと問題集
1976.8 <Y95-M77-3842>
・書道検定の手びきと問題集 昭和52年春
1977.2 <Y95-77B134>
★第1回~第6回試験収録
・書道検定の手びきと問題集 昭和52年秋
1977.8 <Y54-M76-94>
★第1回~第7回試験収録
・書道検定の手びきと問題集 昭和54年度版
1979.3 <Y95-M77-5249>
★昭和53年第1回・第2回1級収録
・書道検定の手びきと問題集 : 文部省認定毛筆書写技能審査 昭和55年度版
1980.3 <Y95-M77-6020>
・書道検定の手びきと問題集 : 文部省認定毛筆書写技能審査 昭和56年度版
1981.3 <Y95-M77-6908>
・書道検定の手びきと問題集 昭和57年度版
1982.9 <Y54-3196>
・書道検定の手びきと問題集 昭和59年度版
1984.3 <Y54-3583>
・書道検定の手びきと問題集 昭和60年度版
1985.3 <Y54-4036>
・書道検定の手びきと問題集 昭和61年度版
1986.3 <Y54-4276>
・書道検定の手びきと問題集 : 文部省認定 昭和62年度版
1987.3 <Y54-4564>
・書道検定の手びきと問題集 : 文部省認定 昭和63年度版1988.3 <Y54-4935>
・書道検定の手びきと問題集 : 文部省認定 平成元年度版
1989.3 <Y54-5204>
・書道検定の手びきと問題集 : 文部省認定 平成2年度版
1990.3 <Y54-5604>
・毛筆書写検定の手びきと問題集 平成3年度版
1991.4 <Y54-6078>
・毛筆書写検定の手びきと問題集 平成4年度版
1992.3 <Y54-6466>
※平成4年版までの本には準1級の問題は収録されていない(準1級は平成18年度よりスタートしているから)。
また1級の試験は6月と11月の年2回のみ実施だったようです。
・毛筆書写検定の手びきと問題集 平成21年度版
2009.4 <Y54-J2546>
★平成18年度第1回~平成20年度第3回問題収録
・毛筆書写検定の手びきと問題集 平成24年度版
2012.4 <Y54-L2061>
★平成21年度第1回~平成23年度第3回問題収録
・毛筆書写検定の手びきと問題集 平成25年度版
2013.4 <Y54-L2062>
★平成22年度第1回~平成24年度第3回問題収録
・毛筆書写技能検定公式テキスト : 文部科学省後援
2021.2 <Y54-M3284> ※過去問の収録なし
楽天koboで購入可能
毛筆書写検定の手びきと問題集 2019年度版
★平成29年度第1回~平成30年度第3回問題収録
<★毛筆書写技能検定1級対策>
<準備・工夫>
・毛筆書写技能検定1級 使用したテキスト・字典・過去問・道具類まとめ
・毛筆書写技能検定1級に一発で合格するために行った事前準備と工夫
・毛筆書写技能検定1級対策(準備編)~過去問を出来るだけ多くかき集める(主に国会図書館で)
・【毛筆書写技能検定1級・準1級対策】筆を持たなくてもできる練習は意外とある
・毛筆書写技能検定1級に一発で合格するコツ①~理論は10分以内に完答できるレベルまでやり込む
・毛筆書写技能検定1級に一発で合格するコツ②~「賞状」を1枚25分以内で書けるようにする
・【硬筆・毛筆書写検定】苦手な科目でも評価4をもらうコツ
<各問題ごとの対策>
・毛筆書写技能検定1級 第1問(楷行草三体)対策~第5問Bも参考にする。草書体のインプットはペン書きで練習する。中筆を何本か試してみる。
・毛筆書写技能検定1級第2問(漢字かな交じり文)行書に調和した平仮名の練習を重点的に行おう
・毛筆書写技能検定1級第3問・漢字の臨書対策~形臨に重点を置いて練習する。
・毛筆書写技能検定1級第3問 楷行草三体よりも臨書の練習に力を入れていた理由
・毛筆書写技能検定1級 第4問かな臨書対策~高野切第一種・第三種、関戸本古今集の3冊を重点的に練習する
・毛筆書写技能検定1級・第5問条幅対策(漢字14字)~五体字類で集字する、「変化」を意識する
・毛筆書写技能検定1級・第6問賞状対策 レイアウトの組み方に慣れる・字はある程度大きく太く書くと重厚感が表現できる
・毛筆書写技能検定1級:賞状の失敗例と合格点が取れる答案の比較
・毛筆書写技能検定1級第8問A・草書読み問題対策~書譜・十七帖・真草千字文の臨書をする、硬筆準1級の過去問を参考にする。
・毛筆書写技能検定1級・第9問A書道用語対策~「手引き」の書道用語は一通り押さえておく、単語カードは敢えて手書きで作る。
・毛筆書写技能検定1級第9問B(書道史):時系列で覚える・作者ごとに覚える、漢字で作者名を書く練習をする
・硬筆書写技能検定1級:第10問B(歴史的仮名遣い)対策〜中学生・高校生用の古文の参考書を読む、過去問で誤りパターンを覚える
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