硬筆書写技能検定準2級の勉強法(練習法)についてまとめました。
使用教材:
・「硬筆書写技能検定」二級のドリル
・平成30年度版 硬筆書写技能検定の手びきと問題集
・準2級過去問題
・平成30年度版 硬筆書写技能検定1・2級合格のポイント(日本習字普及協会)
取得に要した費用:
検定料 3,000円
テキスト・問題集 2000円+800円+850円+1944円
合計: 8,594円
難易度
★★★☆☆☆(C- やや易しい)
実技課題の内容は、2級の内容に準じたレベルのものが出題され、理論課題は2級とほぼ同じレベルのものが出題されます。
3級を難しくしたものが準2級、というわけではなくて、「2級の採点基準を緩くしたものが準2級」という印象をうけました。
とはいえ、実技・理論ともに2級レベルの準備をすれば、十分合格が可能です。
参考:合格証書裏面に載っている技能審査基準(準2級)
硬筆書写技能検定準2級 実技練習法
★使用するテキスト
今回は
「硬筆書写技能検定の手びきと問題集」
「平成30年度版 硬筆書写技能検定1・2級合格のポイント」
の両方を買ってみました。
両方とも買ってもいいし、どちらか1冊でも足りると思います。
2級か3級、あるいは4級のどれを受けたらいいか迷っているのであれば、書写技能検定協会が出版している「手引きと問題集」を買った方がいいでしょう。
手引きには、1級~6級までの全級の過去問題のほか、各級の審査基準・解答例が載っているからです。
平成30年度版の手引きには、平成28年第1回~平成29年第3回までの6回分+平成30年第1回の準2級・6級の過去問が収録されていました。
逆に、2級(準2級)や準1級・1級をピンポイントで練習したいのであれば、後者の「1・2級合格のポイント」の方がいいと思います。
こちらの本は、1・2級の実技練習問題、1・2級の理論対策のほか、過去2年(6回分)の全級の問題が収録されています。
平成30年度版の「ポイント」には、平成27年度第3回~平成29年度第2回までの6回分が収録されていました。
(※ただし平成30年版には準2級と6級の問題は収録されていませんでした。とはいえ、平成31年度以降のバージョンになったら、過去問として収録されるのではないかと思います。)
実技の練習をもう少し追加したいのであれば、書写技能検定協会が発行している「「硬筆書写技能検定」二級のドリル」も使えます。
こちらは実技以外にも理論対策も充実していますし、値段も800円と安価ですので、1冊あっても損はしません。
※ちなみに、「手引き」「ポイント」の両方に、過去2年分の過去問が収録されているということは、練習問題のバリエーションを増やすという観点からすると、技能検定協会で最新版の「手引き」を購入し、amazonのマーケットプレイスで2~3年前の「1・2級合格のポイント」を買うのもアリなのかな…と思ったりします。
参考:準2級対策は、2級教材と3級教材のどちらを使ったらよいか?
なお、「手引き」「ポイント」「ドリル」にしても、準2級の出題内容に直接対応しているわけではありません。
準2級に直接対応している練習用の教材はというと、平成31年2月現在では過去問題だけです。
ただ、準2級の出題内容は2級とほぼ同じレベル(3級よりも2級の方に近い)ということを考えると、理論・実技ともに、2級教材でもって準2級の出題内容に合わせた練習するのが合理的、といえます。
なお2級と準2級の問題の違いは、
・第1問の速書きの文字数が5~10文字くらい少ない。
・第2問の解答用紙(準2級は3級と同じ形式…マス目10文字を埋める、2級は1行に10文字をバランスよく配置しなければいけない)と、
・理論問題で旧漢字問題が出題されない
ということだけです。
それ以外は2級とほぼ同じ内容が出題されます。
行書体の練習方法
実技では、第2問と第3問は漢字を行書体で書くことが求められますが、お手本はありません。
なので、行書体の筆法自体に慣れていない人は、市販の硬筆書写の練習帳を1冊練習しておくといいです。
硬筆書写検定用のガイドや練習問題だけだと、行書体の筆法そのものの練習という点では少し不安が残るからです。
「硬筆書写技能検定の手びきと問題集」 には過去問題は載っているけど練習問題はありません。
「合格のポイント」と「ドリル」は練習用の問題も掲載されてはいるものの、行書体の手本が載っている問題とそうでない問題があります。
3級レベルだったら「「硬筆書写技能検定」三級のドリル」をやれば足りると思うけど、準2級以上となると、もう少し高いレベルが求められるので、市販の硬筆・ペン字の練習本を1~2冊練習しておくと、安心して試験が受けられると思います。
私は、「きれいな文字の書きかた〈書き込み式練習帳〉」を使いました。
こちらの練習帳は、漢字だけでなく、ひらがな・カタカナの練習や、ひらがなの連綿の練習ができるところがお勧めです。
3級・準2級・2級までだったら、この本1冊があると結構使えると思います。
※とはいっても、私は時間がなくて、とりあえず行書や連綿のところしかやらなかったですが…。
次に2級を受けるときは、こちらの本をもうちょっと繰り返し練習したいですね。
同じ著者のシリーズには、「大人が学ぶ小学校の漢字」という練習帳もあります。
(「大人が学ぶ中学校の漢字」もあります。)
こちらの練習帳は、小学校1~6年生で習う教育漢字の、楷書・行書・草書の三体が練習できます。
準1級・1級では、草書の自運課題が出題されるので、このドリルを使えば、小学校で習う教育漢字について、草書体が一通り学べるのがよさそうです。
理論の練習法
基本的には、「「硬筆書写技能検定」二級のドリル」の問題や、過去問題などをきちんと勉強すれば、問題なく合格点が取れます。
高校生2年生、大学生、一般社会人であれば、理論で苦戦する人はあまりいないような気がします。
とはいえ、準2級では、第8問の「草書を読む」の勉強時間が少々必要かもしれない。
草書問題は10問出ますので、この対策を怠ると、理論問題で不合格…にもなりかねません。
※準2級の理論は71%以上の得点で合格。
ちなみに配点は、400点満点中、第7問・第8問・第9問A(平仮名)・第9問B(漢字の部分の名称)は1問10点、第10問(常用漢字の正誤判断)は1問5点となっています。
草書を読む問題自体は3級でも出題されていましたが、3級は文章中に書かれている熟語を読む問題なので、文脈から意味を推測していけば、正しい熟語を選ぶことができます。
なので、正しい読み方がわからなくても、ぶっちゃけ何となく正解できてしまうことも多かったんですよね。
でも準2級・2級では、単純に草書で書かれた二字熟語の読み方(常用漢字)を選ぶ必要があります。
よっぽど草書を普段から毛筆で書き慣れてます!という人でもない限り、大半の人は、草書の読み方そのものをほぼゼロのところから覚えていく必要があるので、結構面倒くさいんです。
日常生活でも、ビジネス文書を草書体で書く人っていませんですしね(いたらちょっと迷惑だと思うw)
草書を読む問題は、平成30年度からは4択(草書→常用漢字の選択)で出題されるようになったので、29年度以前のように、ピンポイントで答えの漢字を書かなくてもよくなった分、難易度は下がったとも言えます。
それでも、4択のうち、紛らわしい漢字や迷いそうな漢字をダミーとして入れてきているので、読み方がわからなければやっぱりなかなか正解率は上がりません。
なので、選択肢に頼らなくてもピンポイントで読めるようにすること・似ている漢字(紛らわしい漢字)との区別をつけながら覚えていくことが大事だと思います。
次に面倒なのは「漢字の書き順」です。
準2級・2級では、小学校で教える筆順のほか、小学校で教えていない楷書の筆順と、行書の筆順が出題範囲になっています。
「行書体と楷書体で筆順が変わる漢字」「複数の筆順がある漢字」が出題されます。
(3級は楷書のみで、正解がほぼ1つしかなかった。)
書き順問題については、目で見て覚えても今一つピンとこないこともあるので、実際に「正しい書き順で書く」練習をするのが確実だと思います。
逆に、「ひらがなの由来」や「常用漢字の誤り」の問題は、1問も落としてはいけない箇所ともいえます。
特に「ひらがなの由来」は、いろは仮名のみを覚えればよい(変体仮名は出ない)ので、ものすごく簡単です(笑)
もともとそんなに難しくない問題なのに、4択のマークシートになってさらに簡単になった気がします。
とはいえ、「え?なんでこれがこういう字になったの??」と今ひとつ納得のいかない字もありますが…(つ→川 を→遠 とかね。)
まぁそういう変わったものは別途覚えればいいだけの話ですし、そんなに問題はありません。とにかくこの問題は得点源です。
常用漢字の問題は、小~中学生で習うレベルの漢字なので、大人だったら問題なく解けます。
これは明らかにおかしい・間違ってるだろ、って漢字には迷わず×をつけられると思います。
ただ、毛筆や行書体であれば、こういう書き方でも間違いではないんだけど…というものについては、どこまでが正解でどこからが誤り扱いになるのか…その判断で迷うことがあります。
微妙なものについては、これは問題集で匙加減を確認するしかないでしょう。
★実技第6問目(掲示文)対策は別記事で書きました(2020年3月追記)
コメント
はじめまして。
漢検の勉強で美和さんのサイトを見つけました。無事二級合格しましたが、準一級のテキストを見て1P目から愕然としてやる気喪失気味…
硬筆検定も勉強を始めたのですが、書き順がネットで調べると違うんですよね。数個ならそう覚えるか、と思うのですが沢山ありどうしたものか…又行き詰まっています。
もう一つ、質問させて下さい。
B4紙に書く掲示分ですが、実際にテスト中定規で測って鉛筆書きでレイアウトするものなのですか?(フリーハンドでなく)
突然の質問で失礼いたしました。
>はなまるこさん
はじめまして、コメントありがとうございます。
漢検2級合格おめでとうございます。
硬筆書写の書き順は、もし「手引き」を持っていれば、そちらには複数の筆順例と、楷書と行書で筆順がかわるものの例が載っているので、それを参照するのがベストです。
ドリルに載っている問題で、○の筆順はそのまま覚えてしまう、×の筆順はネットや筆順辞典で調べて、正しい筆順を覚える、でいいと思います。
あと、掲示文については、テスト中に定規で測って、鉛筆で線や文字の配置のレイアウトをします。
フリーハンドでザックリと配置をしても大丈夫でしょうけど、定規を使ったほうがきれいに配置ができると思いますよ(そのくらいの時間的余裕はありますし。)
追記
書き順について迷った件ですが
硬筆のテキストは書写検定協会の「硬筆書写技能検定」二級のドリル です。