硬筆書写・毛筆書写準1級対策:草書体の練習だけで練習時間の6割を費やした理由

今回受験した硬筆準1級・毛筆準1級とも、草書体のインプットで練習時間の大半を使いました。

それは、草書体が書けないと、硬筆書写第2問・毛筆書写第1問で大きく失点する=不合格に直結するからです。

書写技能検定協会が実施している書写能力診断テストでは、以下の6段階で到達度の評価がなされます。
5(88点)→十分以上の答案であると考えられ、とても優れている
4(86点)→十分合格できる実力があると判断できる
3(84点)→おおむねよく書けているが、改善の余地がある
2(82点)→合格には努力を必要とする
1(80点)→合格にはかなりの努力を必要とする
0(60点)→書ききれていなかったり、誤字や脱字が著しかったり、何らかの違反、問題の意図に反しており評価できないもの

この診断テストの評価から推測すると、仮に硬筆第2問・毛筆第1問の草書体が書けなかった場合、評価1(80点)か、最悪、評価0(60点)がつく恐れがある、ということです。

準1級の実技の合格基準点は515点/600点。
どの問題も評価4(86点以上)の得点が必要です。
(実際には評価3があっても、評価5の課題があればリカバリーはできますが、どの課題でも4が取れるだけの練習をするのが望ましいでしょう。)

もし硬筆第2問の評価が1(80点)だった場合、残りの5問で435点、つまり5問中3問で5、2問で4を取れなければ合格点をクリアできなくなってしまいます。
で、評価0(60点)の場合は、残り5問で評価5をとったとしても合格点には届かなくなります。
他の課題がどれだけ綺麗に上手に書けたとしても、0が一つあれば実質的には即不合格です。

理論の草書の読み問題は、仮に読めない字が1~2つあったとしても、それだけで不合格に直結しません。
また、硬筆第5問の自由作品は、書体の指定はありません。
自分の得意な書体で、体裁よく作品を書けばいいわけですから、草書がわからない字があったら、そこは行書に置き換えてもいいんです。
(私は漢詩を選択し、行書と草書を半分ずつにして、「行草体の作品を書きました」という体裁にしました)

でも、実技の硬筆第2問と毛筆第1問は、草書体が書けないと、その書けなさ度によっては(たとえば空欄のまま提出する)、それだけで不合格に直結します。
ある種のドボン問題と言えます。

なので、草書体に関しては、準1級の過去問に加えて、1級の過去問、硬筆準1級第5問(自由作品の漢詩)にも範囲を広げて覚えました。

ただ、準1級の過去問だけでは足りないからといって、覚える範囲をむやみに広げすぎると、逆に準1級頻出漢字の練習がおろそかになってしまいます。そうなると本末転倒ですよね。

幸い、硬筆の第2問・毛筆の第1問では、難易度の高い草書体を書かせる問題は出ません。
まずは準1級での頻出・既出漢字の草書体を書けるようにすることを最優先に、プラスαの練習を上乗せする、という感じで取り組みました。

<硬筆書写技能検定準1級対策ページへのリンク>

準備編
独学でも硬筆書写技能検定準1級・1級に合格するコツ
硬筆書写技能検定準1級:使用した問題集、お勧めペン字練習帳と書体字典
各問題ごとの対策・練習法
①・硬筆書写技能検定第1問(速書き)対策~正しい書き順の復習と、行書の練習を重点的に行う。時間を測って過去問を練習する。
②・硬筆書写技能検定準1級・第2問の出題傾向と対策〜草書はどれだけ覚えればいいのか?
②・硬筆書写・毛筆書写準1級対策:草書体の練習だけで練習時間の6割を費やした理由
②・硬筆書写技能検定準1級&1級・第2問で草書体が書けない時の対処法~知ってる漢字を組み合わせて書く、行書を草書風に崩して書く(絶対に空欄のまま答案を出さない!)
硬筆書写技能検定第2問(3級・準2級・2級・準1級・1級)学年配当別の出題割合を比較してみた!
③・硬筆書写技能検定第3問(縦書き・行書)対策〜連綿は入れられるなら入れたほうが映えるけど、無理に入れなくてもいい
④・硬筆書写技能検定第4問(横書き・楷書)対策〜悪い評価がつく人が少ないからこそ、確実に評価4以上は取れるようにしたい
⑤・硬筆書写技能検定準1級・第5問(自由作品):漢字かな交じり文ではなく漢詩を選んだ理由
⑥・硬筆書写技能検定第6問(掲示文)~コピックを使うなら本番までに十分慣れておいたほうがいい(決して万人向けのペンではない)
⑦・硬筆・毛筆書写技能検定準1級:旧字体・書写体対策~硬筆2級のドリルを使って書き取り練習をする
⑧・硬筆書写技能検定準1級・1級 第8問B:古筆(仮名)対策〜よく出る変体仮名の読み方を覚える。

<毛筆書写技能検定準1級対策ページへのリンク>

毛筆書写技能検定準1級 使用した教材・道具類
毛筆書写技能検定準1級・過去問題の収集方法
①・毛筆書写技能検定準1級・第1問対策 上下左右に適度な余白を作る、過去に準1級・1級で主題された三体を覚える。
①・硬筆書写・毛筆書写準1級対策:草書体の練習だけで練習時間の6割を費やした理由
④・毛筆書写技能検定準1級・第4問かな臨書対策~高野切第一種・第三種・伊予切を中心に練習する
⑤・毛筆書写技能検定準1級・第5問(はがき)練習法~上下左右の余白と字の大きさに気を付ける
⑧・硬筆・毛筆書写技能検定準1級:旧字体・書写体対策~硬筆2級のドリルを使って書き取り練習をする
毛筆書写技能検定準1級対策(試験本番)~課題を書く順番と半紙の使用枚数 

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