硬筆書写技能検定3級・練習法

硬筆書写技能検定3級の練習・対策法をまとめました。

練習まとめ

使用教材
・「硬筆書写技能検定」三級のドリル
・硬筆書写技能検定試験[練習用紙]
大人が学ぶ小学校の漢字(二玄社)

学習時間
約2週間 25時間程度

取得に要した費用
受験料 2,100円
テキスト代:600円+1,620円+1,944円
用紙代:500円
筆記用具代(油性ペンと下敷きのみ追加購入):400円
合計:7,164円

3級の合格基準点
実技 415点以上(600点満点) 理論 275点以上(400点満点)

硬筆3級・合格率データ(平成28年度)
第1回 受験者15,299 合格者10,258 合格率67.1%
第2回 受験者14,774 合格者9,068 合格率61.4%
第3回 受験者7,190 合格者4,395 合格率61.1%

<練習法(実技)>

「硬筆書写技能検定」三級のドリルで第1問~第6問の練習、一般のペン習字練習帳で行書の練習をしました。

第1問:速書き(約120字程度、字体の指定なし、ボールペン使用。ボールペンで書かれていないもの・最後まで書き終えていないものは60点以下となる)
第2問:漢字10字を書く(楷書・行書)
第3問:縦書き(約50字程度、漢字のみ行書体指定、ひらがなは連綿で書かないこと。)
第4問:横書き(約80字程度、漢字は楷書体指定)
第5問:はがきのあて名
第6問:掲示文(横書き、B4サイズ

※第6問は、用紙の半分・1/4ほどに小さく書いたもの、文字の大きさと太さが不釣り合いな細さ(サインペンなど)で書かれたもの、油性マーカーを使用していないものは60点以下となる)

各問題ごとに条件や筆記用具の指定があるので、本番で戸惑わないように、その出題形式に慣れておくようにしましょう。
他の資格試験と違い、問題の形式や筆記用具の指定が細かいので、その形式に慣れないうちは、余計な緊張感からか思ったように上手に書けなかったりします。

特に、第6問の掲示文は、ただ文字を書くだけではありません。

最初にB4の紙に文字の配置を決めるんですが、定規で文字と文字の間隔や行間を計算し、鉛筆で線と○で大まかなレイアウトを作成し(※この時、文字の下書きはしてはいけません)、油性マーカーで文字を書き、下書きの線を消して…と、ほかの課題に比べると絶対的に時間がかかる課題です。
ぶっつけ本番で書くとかなりの確率で失敗してしまいます。
なお、指定の解答用紙が足りない場合は、市販のB4サイズのコピー用紙で代用できます。

試験本番では、A3サイズの上質紙が支給されます。
第6問は油性マーカーを使って解答するので、机にインクがうつらないよう、下に敷いて書くように指示されます。
(併せて、解答用紙を間違えないようにという指示もある…ごくたまに、A3サイズの下敷き用紙のほうに掲示文を書いてしまう人がいるらしいw)

それはそれでいいんだけど、いかんせん試験教室の机の面積が狭く、問題用紙・解答用紙(B4)・下敷き用紙(A3)を広げると、机から紙がはみ出てしまって、自宅で練習した時よりもすごく書きづらかったです。

★実技第6問目(掲示文)対策は別記事で書きました(2020年3月追記)

行書の書き方練習はどのくらい必要か?

4級までは楷書のみですが、3級からは「行書」を書かせる課題が出ます
この行書課題にはお手本はないので自運です。お手本通りに綺麗に書けるかどうかではなく、行書の書き方を知っているか(それを自力で書けるか)どうかが問われています。

管理人は硬筆で行書を書く練習をしたことがあまりなかったので、まずは「大人が学ぶ小学校の漢字(二玄社)」(※一般のペン習字練習帳)でもって、小学校で習う教育漢字1006字を行書で書く練習をしてみました。

ちなみにこれの姉妹版である「中学校の漢字」も一緒に買ったものの、こっちは結局使いませんでしたw
実際のところ、3級だったら「小学校」版の漢字を練習すれば十分足ります。

なぜ一般のペン習字練習本を買ったのかというと、この本は、小学校1~6年で習う教育漢字について、楷・行・草の三体が1冊にまとまっていること、漢字の書き順も載っていたからです。

書道教室の先生のお宅にこの本があって、パラパラパラパラと見せてもらったとき、「これ、書道の練習にも硬筆の練習にも役立ちそうだな(硬筆書写を受けるときはこの本を買おう)」とひそかに目をつけていたのでしたw

なお、てっとりばやく3級に合格するだけだったら、公式の「「硬筆書写技能検定」三級のドリル」に載っている課題を繰り返し練習すれば合格点はとれます。

(2019年追記)
準2級取得後に気づいたのですが、市販本だったら「硬筆書写技能検定 3級合格のポイント」も使えると思います。こちらの問題集にも過去問題は収録されていますし、過去問以外にも練習問題もそこそこ収録されていたので、一冊あって損はしないと思います。

もし上位級(2級以上)の受験を考慮している人や、そもそも行書体の運筆がよくわからない・練習したことがない人は、一般のペン習字練習ドリルを使った行書の書き方練習は、 一通りやっておいたほうがいいです。

実際、1年生の漢字から6年生の漢字まで1006字について、お手本を見ながら真似して書いていくうちに、徐々に行書体を硬筆で書くのにも慣れてきましたし、やって損はしないはずです。
小学校で習う漢字の行書体を一通り練習しておけば、本試験でどのような課題が出たとしても、概ね対応できるようになると思います。

あと、同じタイプのペン字練習帳に「きれいな文字の書きかた〈書き込み式練習帳〉(二玄社)」というのもあります。
今回の試験対策では使わなかったけど、試験が終わった後にコレもよさそうだなと思って購入しました。

こちらの練習帳では、楷書・行書の書き方練習のほか、ひらがな・カタカナの楷書・行書の練習もできます。
漢字以外にも、ひらがな・カタカナも練習したいという人(もともとの字に自信がない人)は、こちらの練習帳のが効果的だと思います。

<勉強法(理論編)>

3級になると、実技と理論はそれぞれ合格基準点があるため、理論対策も怠らないほうがいいです。
3級の理論は400点満点中275点が合格ラインなので、実質7割(280点)以上が合格となります。

理論についていえば、「硬筆書写技能検定 三級ドリル」か、あるいは「 硬筆書写技能検定の手びきと問題集 」に載っている問題の両方あるいは一方をきちんと勉強すれば、問題なく合格点がとれます。

最初は「書き順」問題で苦戦するかもしれないけど、世間一般的に間違いやすい(間違えて覚えている人が多い)書き順が繰り返し出題される傾向があるので、そこを集中的に覚えれば大丈夫です。

また、部首の名称も、覚えにくいものを集中的に覚えてしまえば、ほぼ満点が取れます。
書き取り問題(誤字訂正)も間違い方のパターンがだいたい決まっているので、ドリルに載っている問題をちゃんと覚えれば問題ないでしょう。
(なお、誤りは10か所あります。)

理論の中で、唯一満点が取りづらいと感じたのは、行書・草書を読む(常用漢字に直す)問題。
行書はともかく、草書の読み取りは、回によって難易度差があると感じました。
私が受験した回の問題はそうでもなかったけど、読めない文字が出ることもあるので、ほかの問題でリカバリーできるようにしておくのが現実的だといいます。

ちなみに今回私は「硬筆書写技能検定の手びきと問題集」は買いませんでした。
正確に言うと品切れで買えなかったんですよね。

最初は3級のドリルが1冊あれば足りるかな…と思ったけど、毛筆対策をしているときに、手引きに過去問9回分が載っているのをみて、やっぱり実際の硬筆3級の過去問もチェックしておきたい(注文しよう)…と思った時はすでに品切れになっていたのでしたorz

ただ、3級の理論問題は、「毛筆書写技能検定3級」とほぼ同じような形式・傾向の問題が出るので、毛筆用の手引きでも代用ができます。
(今回はたまたま毛筆を併願していたこともあり、毛筆用の手引きを使って理論問題の勉強ができました。)
また、硬筆用・毛筆用の手引きが手元になくても、「硬筆書写技能検定」三級のドリルに載っている練習問題をきちんと勉強すれば、理論対策は十分できます。

でも手引きは各級1級~5級の過去問題が3年(9回分)載っていること、各級の採点基準や出題の目的、質疑応答などが載っているので、出題傾向を分析する上では、とても貴重な資料となります。
また、2級or3級、あるいは3級or4級、どちらを受験しようか迷っているときの判断材料にもなりますので、できたら三級のドリルと併せて、こちらの手引きも買った方がいいでしょう。

ただ、第3回受験(1月受験)の直前期になると、品切れで買えなくなるので(その時期に品切れになると、増刷の予定がないうえに、amazonのマーケットプレイスで売っているのは20年以上前の古い本しかなかったりする)、硬筆書写検定の受験を検討している人は、できるだけ早めに買っておきましょう。

参考:硬筆書写技能検定で使用できる筆記用具類

第1問:ボールペン指定
第2問~第5問:ボールペン・サインペン・つけペン・万年筆・デスクペンのいずれか
第6問:油性マーカー(耐水性顔料マーカー)
第7~10問(理論):筆記用具の指定なし

※角切りのマーカー、水性のマーカーは使用できません。
実技全般にわたり修正液・修正テープを使用することはできません。
筆ペン、先が四角い種類の油性マーカーは使用不可
※下敷きは使用可能ですが、無地のものを使用すること。絵柄や罫線等が入ったものは使用できない。
※定規は第6問の掲示文でのみ使用可能。

第2問~第5問は使用できる筆記用具が複数あるので、どれが一番自分にとって綺麗に書けるか、複数試しておくといいでしょう。

管理人miwaは第1~5問までは、普段から使い慣れているドクターグリップの0.7ミリボールペンを使いましたが、ほかの受験生の様子を見ると、ごくごく普通のボールペンの人もいれば、ジェットストリームの人、 高級そうな万年筆を使っている人もいて、結構バラバラでした。

コメント

  1. apple より:

    はじめまして。
    資格についてweb検索した際、こちらのブログに辿り着き、いくつか記事を読ませていただきました。
    自分が過去に受験した資格の感想だけでなく、旅行記なども含め、楽しく拝見しました。

    来年あたり「硬筆書写技能検定」の受験を検討しています。
    公式では、3級は中学・高校生程度(合格率60%程度)とありましたが、実際に勉強されて、簡単だと感じましたか?
    ブログの記事で公開中の文字は、バランスのとれた綺麗な字だと感じました。

    私自身は以下の箇条書きにしたレベルですが、4級からチャレンジした方がスムーズだと思われますか?
    また3級の受験者は、子供から年配の方まで幅広い年齢層だったか、学生さんがほとんどだったか教えて下さい。
    (毛筆4級も受けられたそうですが、こちらの受験者の年齢層も教えて頂けると嬉しいです)

    ・子供の頃に書道を習っていた
    ・どちらかと言えば、字は下手ではない
    ・行書は書けない
    ・3級の理論についても、部首名や書き順は勉強が必要だと感じた(勉強しないで受かる実力はない)

    • apple より:

      今、ブログの最新記事を拝見したら、明日が日商簿記1級の試験だったのですね。
      良い結果となりますよう、お祈り申し上げます。

      繁忙期にコメントを送信して申し訳ございません。

    • miwa@管理人 miwa@管理人 より:

      >appleさん
      はじめまして、コメントありがとうございます。
      硬筆書写3級は、子供の頃に書道を習っていた経歴があって、字が下手でない自覚があるのでしたら、それほど難しくはないと思いますよ。
      3級から受験されても問題はないように思います。
      ただ、3級で出題される行書は、小学校でならう漢字を行書で一通り練習すれば大丈夫じゃないでしょうか。
      (時間がなければ、3級の練習問題だけでも)
      行書も大事ですが、それ以上に楷書を丁寧に書くことが大事かなと感じました。
      部首や書き順の勉強は、既存の教材で一通りやっておく必要はあると思います。
      新しい漢字を覚えなきゃいけないというのはないと思いますので、これもそれほど苦労せずに覚えられるでしょう。

  2. apple より:

    miwa様

    質問の件、ご返信ありがとうございます。
    お話を聞く限りでは、問題集等で学習をすれば、3級から挑戦で大丈夫そうですね。
    ご意見とても参考になりました。

    こちらの検定は下書き不可のようなので、その点が少し心配です。
    (書き間違えたら、どうするの?と)

    • miwa@管理人 miwa@管理人 より:

      appleさん
      書き間違いがあったときは、

      https://www.nihon-shosha.or.jp/qa.html#q2-6
      「基本、間違わずに書く(視写)する様に努めてください。やむを得ず訂正する場合は修正液(テープ)の使用はできませんので二重線を引き正しく書いてください。ただし減点となります。」

      …だそうです。

  3. うーたん・パーシー より:

    採点の時に目立ってしまうので、もし書き間違えた場合は、二重線で修正しないほうがいいと思います。一番いいのは、書き間違えないようにすることです。
    追伸 突然、横入りして申し訳ございません。

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