<過去問・公式系>
・過去問題(「合格のポイント」の過年度版に載っている過去問のほか、R1年度〜S53年度を収集)
・2019年度版 硬筆書写技能検定の手びきと問題集(楽天kobo版)
・2級合格のドリル(書写技能検定協会のサイトで購入。準2級受験時に購入)
・書写能力診断テスト(書写技能検定協会のサイトで申し込める。9月・11月にそれぞれ受験)
過去問は準1級の受験時点で1級分と一緒に集めました。
日本習字普及協会から毎年出版されている「硬筆書写技能検定1級・2級合格のポイント」には、過去問が2年(6回分)が収録されていますので、過年度版の本を国会図書館で複写してもらいました。
※ただし、国会図書館には、平成20年~平成16年の問題集が収蔵されていないため、平成15年~平成18年の過去問については、「合格のポイント」の中古本を購入して入手しました。
さすがに昭和の時代の過去問まで集める必要はないですけど、直近~20年分の問題はあっても絶対に損はしないです。草書の出題実績や理論対策のためにも、過去問はある程度集めたほうがよいでしょう。
「2級合格のドリル」は、硬筆2級・準2級の時に使っていたドリルです。
1級では、草書の読み問題対策に使っていました。
何故かというと、1級の草書読み問題は、ペン字で書かれた草書体一文字を読む問題だからです。
同じ過去問でも年代によって字形が違いますし、古い過去問を見ていると、ぶっちゃけ字があまりうまくないな~(わかりづらいな!)と感じるものがあります。
最近の本試験で出題される字形に一番近いのは、公式の2級のドリルで使われている書体ではないかと思います。もし2級のドリルを持っていたらまだ捨てちゃダメです。
<公式系以外の教材>
・常用漢字書きかた字典(二玄社)
・大人が学ぶ小学校の漢字(二玄社)
・きれいな文字の書き方(書き込み式練習帳)(二玄社)
「大人が学ぶ小学校の漢字」「きれいな字の書き方」は3級の時からずっと使っていた本で、字の書き方を基本からやり直したいときに、定期的にこの練習帖を使って練習していました。
「大人が学ぶ中学校の漢字」も持っていますが、中学校の方は殆どやってないです(そこまで手が回らなかった)
「常用漢字書きかた字典」は、準1級の後に追加で購入したものです。私は1級の時しか使いませんでしたが、これは1級の受験生だけではなく、3級以上の受験生にお勧めしたい字典です。
なぜ3級以上かというと、3級から行書が出題範囲に入ってくるからです。3級だけでなく1級まで長く使えますから、3級を受験する時点で書体字典は1冊買っておいて絶対に損はしません。
また、「大人が学ぶ小学校の漢字」「きれいな字の書き方」の筆者である宮澤正明先生の字であり、宮澤先生は書写技能検定協会の理事を務めていらっしゃいますので、少なくともこの字典に載っている字を書いて不正解扱いにされることはないだろうと考えました。なので硬筆に関しては、この2冊の行書・草書体をインプットしました。
※ただ、2023年4月現在、amazonや楽天などでは中古本の大変値段が高くなっており、版元の二玄社のサイトでも注文を受け付けていないようです。
私は準1級合格後に書写技能検定協会のサイトで購入しましたが、現在は書写技能検定協会でも取り扱いがないようです。
将来的に再販される可能性はあると思いますが、もしこの字典が入手できない場合は、この字典にこだわらず、別の楷行草三体の書体字典でも全然問題ありません。
楷行草三体の検索ができる字典は、「楷行草 筆順・字体字典 第三版」「正しく美しい字が書ける 楷・行・草 筆順字典」「楷行草 漢字筆順字典: 常用・人名用二九七六字」「ペン字常用漢字の楷行草」「改訂 よく使う漢字の書体と筆順字典」などがあります。試し読みなどで書体の比較をして、自分の好みに合うものを選べば良いでしょう。
個人的には、「改訂 よく使う漢字の書体と筆順字典」は、常用漢字のほか、人名用漢字毛筆・硬筆の理論対策〜書道史や歴史的仮名遣い、書道用語なども収録されており、特に準1級・1級の受験生におすすめです。1級合格者を多く排出している桃花会の書籍ですので、その点でも書写技能検定の出題傾向に合致していると言えます。
<仮名の法帖>
・粘葉本和漢朗詠集(上下巻)
・伊予切
私の場合は、硬筆対策用に買ったのではなく、毛筆書写技能検定の臨書対策用に買ったものを、硬筆の理論対策にも使った…という感じですね。
毛筆書写技能検定準1級・1級を受験する人は臨書対策として買った方が良いですが、硬筆書写技能検定しか受験しない人が買うにはちょっと躊躇してしまうお値段です。
理論の仮名の読み問題のためだけに、約1万円以上かけて仮名の法帖を買うのはちょっとコスパが悪いでしょう。
なので、過去問題を10年~20年分持っているならば、過去問を重点的に練習すれば足りると思います。
「5冊は買えないけど1~2冊だったら買ってもいいかな…」という方は、高野切第一種が良いと思います。
高野切第一種は出題頻度が高いこと、字形も端正で形があまり崩れていないので比較的読みやすいからです。
まずは高野切第一種で、仮名の文章に読み慣れるのがいいでしょう。
更にそこにもう一冊追加するならば、関戸本古今集ですね。
関戸本は、硬筆1級では出題頻度がそこそこ高いのですが、高野切や伊予切に比べると、使われている変体仮名の種類も多く、字形にも一癖あるので、読み慣れていないと余計な失点をしてしまうリスクがあるからです。
なので目を慣らす意味でも、高野切に加えて、関戸本古今集にも一通り目を通しておくと、仮名対策はバッチリだと思います。
<理論全般>
もともとは書写技能検定対策ではなく、書道教室においてあったのを読んでみたら、高校の書道の教科書はとても便利でわかりやすいと思ったので、教科書販売所で買いました。
管理人は高校時代は美術を選択していたため、書道教室に入るまで高校の書道教科書を読んだことがなかったのです。だから初めて書道の教科書を読んだ時、小中学校の書写と、高校の書道は全然違う科目じゃないかって思いました。高校入学の時、芸術科目は音楽と美術と書道から1科目選ぶんだけど、「音楽と美術はわかるが、なぜ書道がこの芸術科目のカテゴリに入っているのだろう」と疑問に思ったが、これは確かに書道は芸術科目だわと、大人になってからようやく腑に落ちたのであった。
この高校の教科書は1冊500円程度なので、3冊かっても1500円弱で済みます。
書写技能検定では、古典の図版がカラーで載っていること、巻末には書道史の年表が載っているので、書道史対策にとても役立ちました。
ただ注意が必要なのは、小中高校の教科書を扱っている書店は「教科書販売所」に限られていることです。
また、学生さんに教科書を配布し終わってからでないと一般の人は購入できないとか、現金払や代引きなどしか対応していないといった不便さもあります。
ですがその不便さを補って余るほど、コスパが大変良い教材だと思います。
※一応amazonでも買えなくはないですけど、amazonだとなぜか2000円とかで売られているので、よっぽど近所に教科書販売所がないとか、クレカで決済したいといった事情がない限り、教科書販売所で購入することをお勧めします。
<筆記用具>
・(第1問 速書き)パイロットドクターグリップ0.7mm
・(第2〜5問)ぺんてる エナージェル0.7mm
・(第6問 掲示文)コピック チャオ100(ブラック)
私が硬筆1級で使っていたペン類は上記の3本です。
まず速書きのボールペンは、ジェットストリームとドクターグリップ、どちらがいいか両方で練習してみた結果、ドクターグリップを使うことにしました。
決め手はペン軸が太いので、指と手が疲れにくいからです。
書き心地はどちらも良いので、字を書いている時の疲労感を考慮して、ドクターグリップにしました。
ただ、替え芯の購入のしやすさでは、ジェットストリームの方に軍配が上がります(ジェットストリームだとコンビニでも替え芯が買えるが、ドクターグリップは近所に売ってなかった…)。
なのでメインはドクターグリップ、サブとしてジェットストリームのボールペンもペンケースに入れていました。
第2問~第5問は、3級や準2級の頃は、万年筆(カクノ)を使ったりしていたこともありましたが、2級か準1級くらいから「ぺんてる エナージェル」に落ち着きました。
エナージェルはインクの渇きが早いので、試験用の回答用紙で書いたとき、右から縦書きで書いていっても手があまり汚れないこと、インクの滑りが良くて書き心地が良いところが気に入っています。
ただ、インクの減りがちょっと早い気がするので、替え芯のストックは常時2〜3本あると安心できるかもしれない。
エナージェル以外には、「SARASA DRY」も書き心地が良くてよかったです。こちらもスペアとしてペンケースに入れていました。
第6問は、3級~2級まではマッキー、準1級と1級ではコピックを使っていました。(詳しくは第6問対策で書いてます)
ソフト系の下敷きがあると、ボールペンが滑りにくくなりますし、抑揚の表現もしやすくなりますので、下敷きはあった方が良いと思います。100均ショップなどでも買えると思いますが、検定用ならばB5よりもA4サイズの方が使いやすいと思います。
<硬筆書写技能検定1級対策ページへのリンク>
準備編
・硬筆書写技能検定1級で使用した教材・書籍・筆記用具
・独学でも硬筆書写技能検定準1級・1級に合格するコツ
・硬筆書写技能検定1級対策:書体字典検索の時間を短縮するために工夫したこと(excelにデータを入れる・常用漢字の順番に並べ替える、等)
各問題ごとの対策・練習法
①・硬筆書写技能検定第1問(速書き)対策~正しい書き順の復習と、行書の練習を重点的に行う。時間を測って過去問を練習する。
②・硬筆書写技能検定準1級&1級・第2問で草書体が書けない時の対処法~知ってる漢字を組み合わせて書く、行書を草書風に崩して書く(絶対に空欄のまま答案を出さない!)
②・硬筆書写技能検定1級・第2問対策 草書体はどこまで覚える必要があるのか?
②・硬筆書写技能検定第2問(3級・準2級・2級・準1級・1級)学年配当別の出題割合を比較してみた!
③・硬筆書写技能検定第3問(縦書き・行書)対策〜連綿は入れられるなら入れたほうが映えるけど、無理に入れなくてもいい
④・硬筆書写技能検定第4問(横書き・楷書)対策〜悪い評価がつく人が少ないからこそ、確実に評価4以上は取れるようにしたい
⑤・硬筆書写技能検定1級:第5問(漢詩)対策~書体はどれでもよいけど、旧字体と書写体を織り交ぜて書くと味が出る
⑥・硬筆書写技能検定第6問(掲示文)~コピックを使うなら本番までに十分慣れておいたほうがいい(決して万人向けのペンではない)
⑦・硬筆書写技能検定1級:第7問AB(旧字体・書写体)対策〜双方に跨って出題される漢字に要注意
⑧・硬筆書写技能検定1級・第8問A(草書の読み)対策~直近の過去問と硬筆2級のドリルの字形でインプットする
⑧・硬筆書写技能検定準1級・1級 第8問B:古筆(仮名)対策〜よく出る変体仮名の読み方を覚える。
⑨・硬筆書写技能検定1級:第9問A(添削問題)対策~教育漢字の楷書体を重点的に練習する
⑨・硬筆書写技能検定1級:第9問B(書道史)対策~ダミー選択肢の筆者も覚える、図版と一緒に覚えると効率がいい
⑩・硬筆書写技能検定1級:第10問B(歴史的仮名遣い)対策〜中学生・高校生用の古文の参考書を読む、過去問で誤りパターンを覚える
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