仮名書道をかじっている人であれば、古筆の仮名を読むのはそんなに大変ではないと思います。
ですが、そうでない人(硬筆書写技能検定対策しかやっておらず、書道を習っていない人)にとっては、ただでさえ見慣れない字体のうえに、「これは一体なんて書いてあるの!?」「これで何で◎◎って読むの(変体仮名、意味不明すぎ!)」とかなり面食らってしまうと思うんです。
特にひっかかるのは「変体仮名」だと思います。
逆に言えば、変体仮名がある程度読めるようになったら、失点はかなり防げるようになります。(仮名の読み問題は一文字につき2点です)
「1級・2級合格のポイント」にも、代表的な仮名文字・変体仮名の例は収録されています。
ですが、それらを「いろはにほへと」順で棒暗記するよりは、試験問題や法帖を見ながら読み方を覚えていく方が断然効率が良いです。
法帖ごとに字の癖も異なりますし、よく使われる変体仮名のパターンも偏っているからです。
ですので、硬筆準1級では、頻出の「粘葉本和漢朗詠集(上下)」「伊予切」「高野切第一種」の4冊の法帖を買うことをお勧めしたいです。(1級は「関戸本古今集」を追加する)
ただ、二玄社の法帖は一冊あたり約3000円〜4000円するので、決して安い買い物ではないです。
ですが、毛筆書写技能検定2級・準1級・1級、硬筆1級の受験も視野に入れているのであれば、準1級の時点で買っておいた方が絶対にいいです。
「粘葉本和漢朗詠集(上下)」は毛筆書写2級の臨書で、「粘葉本和漢朗詠集(上下)」「伊予切」「高野切第一種」は硬筆1級の理論・毛筆書写準1級・1級の臨書・理論で頻出だからです。
この4冊で、過去に出題された箇所をチェックするだけでも、頻出の変体仮名パターンはある程度把握できます。
私は粘葉本和漢朗詠集、伊予切、高野切第三種、高野切第一種の過去の出題箇所をチェックし、その和歌のコピーをとって、それをノートに貼りました。
(※高野切第三種は毛筆書写準1級対策として。硬筆準1級では殆ど出題実績はないので、硬筆準1級のみを受ける人は考慮しなくていいです)
そして余白に赤ペンで読み方を書いて、赤シートで消して、読めるかどうかを確認していました。
ノートを作らずとも、過去問や法帖で読む練習をすればいいんですけど(ノートを作る手間もかからないしね)、過去問は答えのページと問題のページが別になっているため、文字と文字がどう対応しているかがわかりづらいので、ある程度読み慣れるまではこのノートで読む練習をしていました。
読み慣れれば、直接法帖を読めるようになりますが、慣れるまでは隣に読み方を書いて、すぐに確認できるようにした方が練習しやすいし、覚えるのも早くなると思います。
参考:出題される変体仮名の例(関戸本古今集を臨書したものより抜粋)
き(支)・は(者)・り(利)・か(可)・な(那)・も(毛)・れ(礼)・た(多)・ら(羅)・む(無)
ふ(婦)・も(无)・に(尓)・ふ(布)・お(於)・く(九)・し(志)
ま(万)・う(有)・み(三)・て(弖)・け(希)・け(介)・は(八)・そ(曽)・れ(連)
す(春)・は(者)・な(那)・あ(阿)
た(堂)・き(起)・も(裳)・つ(徒)・か(閑)
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準備編
・独学でも硬筆書写技能検定準1級・1級に合格するコツ
・硬筆書写技能検定準1級:使用した問題集、お勧めペン字練習帳と書体字典
各問題ごとの対策・練習法
①・硬筆書写技能検定第1問(速書き)対策~正しい書き順の復習と、行書の練習を重点的に行う。時間を測って過去問を練習する。
②・硬筆書写技能検定準1級・第2問の出題傾向と対策〜草書はどれだけ覚えればいいのか?
②・硬筆書写・毛筆書写準1級対策:草書体の練習だけで練習時間の6割を費やした理由
②・硬筆書写技能検定準1級&1級・第2問で草書体が書けない時の対処法~知ってる漢字を組み合わせて書く、行書を草書風に崩して書く(絶対に空欄のまま答案を出さない!)
硬筆書写技能検定第2問(3級・準2級・2級・準1級・1級)学年配当別の出題割合を比較してみた!
③・硬筆書写技能検定第3問(縦書き・行書)対策〜連綿は入れられるなら入れたほうが映えるけど、無理に入れなくてもいい
④・硬筆書写技能検定第4問(横書き・楷書)対策〜悪い評価がつく人が少ないからこそ、確実に評価4以上は取れるようにしたい
⑤・硬筆書写技能検定準1級・第5問(自由作品):漢字かな交じり文ではなく漢詩を選んだ理由
⑥・硬筆書写技能検定第6問(掲示文)~コピックを使うなら本番までに十分慣れておいたほうがいい(決して万人向けのペンではない)
⑦・硬筆・毛筆書写技能検定準1級:旧字体・書写体対策~硬筆2級のドリルを使って書き取り練習をする
⑧・硬筆書写技能検定準1級・1級 第8問B:古筆(仮名)対策〜よく出る変体仮名の読み方を覚える。
<硬筆書写技能検定1級対策ページへのリンク>
準備編
・硬筆書写技能検定1級で使用した教材・書籍・筆記用具
・独学でも硬筆書写技能検定準1級・1級に合格するコツ
・硬筆書写技能検定1級対策:書体字典検索の時間を短縮するために工夫したこと(excelにデータを入れる・常用漢字の順番に並べ替える、等)
各問題ごとの対策・練習法
①・硬筆書写技能検定第1問(速書き)対策~正しい書き順の復習と、行書の練習を重点的に行う。時間を測って過去問を練習する。
②・硬筆書写技能検定準1級&1級・第2問で草書体が書けない時の対処法~知ってる漢字を組み合わせて書く、行書を草書風に崩して書く(絶対に空欄のまま答案を出さない!)
②・硬筆書写技能検定1級・第2問対策 草書体はどこまで覚える必要があるのか?
②・硬筆書写技能検定第2問(3級・準2級・2級・準1級・1級)学年配当別の出題割合を比較してみた!
③・硬筆書写技能検定第3問(縦書き・行書)対策〜連綿は入れられるなら入れたほうが映えるけど、無理に入れなくてもいい
④・硬筆書写技能検定第4問(横書き・楷書)対策〜悪い評価がつく人が少ないからこそ、確実に評価4以上は取れるようにしたい
⑤・硬筆書写技能検定1級:第5問(漢詩)対策~書体はどれでもよいけど、旧字体と書写体を織り交ぜて書くと味が出る
⑥・硬筆書写技能検定第6問(掲示文)~コピックを使うなら本番までに十分慣れておいたほうがいい(決して万人向けのペンではない)
⑦・硬筆書写技能検定1級:第7問AB(旧字体・書写体)対策〜双方に跨って出題される漢字に要注意
⑧・硬筆書写技能検定1級・第8問A(草書の読み)対策~直近の過去問と硬筆2級のドリルの字形でインプットする
⑧・硬筆書写技能検定準1級・1級 第8問B:古筆(仮名)対策〜よく出る変体仮名の読み方を覚える。
⑨・硬筆書写技能検定1級:第9問A(添削問題)対策~教育漢字の楷書体を重点的に練習する
⑨・硬筆書写技能検定1級:第9問B(書道史)対策~ダミー選択肢の筆者も覚える、図版と一緒に覚えると効率がいい
⑩・硬筆書写技能検定1級:第10問B(歴史的仮名遣い)対策〜中学生・高校生用の古文の参考書を読む、過去問で誤りパターンを覚える
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