3級以上の第3問は、枠内の文章(漢字と平仮名)を行書で書く問題が出題されます。
ひらがなの連綿については、3級では「平仮名は連綿で書かないこと」となっていますが、準2級からは「平仮名は連綿で書いても良い」となっています。
なので、準2級以上の受験生は「連綿って入れた方がいいの?どのくらい入れた方がいい?入れないと合格できない?」と疑問に思う方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
準2級レベルならば、まだ連綿の練習をちゃんとやったことがない人も多いと思います。連綿で書く練習をあまりしておらず、連綿線がうまく書けないのであれば、無理に入れなくても良いでしょう。準2級では、平仮名の連綿がないという理由だけで落ちることはありません。
でも2級・準1級・1級の受験生は、連綿をところどころに取り入れて書ける方が、行書らしいというか、ぱっと見で上手に見せられると思います。うまく書ければ当然いい評価がもらえます。
でも連綿線が不自然だと却って減点されかねないですので、自然な連綿線が書けるように書き方の練習は必要だと思います。
連綿線の書き方については、私は「きれいな文字の書き方」のひらがな連綿のページを重点的に練習しました。そのためだけにこの本を買う価値があるといっても過言ではないと思う。

なお、書検ニュース116号(令和3年8月1日)の中央審査会レポートによると、「第3問 仮名の連綿が不自然」との指摘
また119号では硬筆1級での注意点として「第5問自由作品 a. 和歌にて連綿を多用しすぎないこと。第3問においても共通で、無理な連綿が目立ちます。効果的に使うと◎!」とまた硬筆準1級での指摘事項としても「第3問縦書き 行書に調和した仮名が必要。漢字に合った書きぶりで全体を安定させましょう。連綿の多用は禁物」とありました
連綿は多用しすぎず、所々に取り入れるくらいでちょうど良いということです。
・行頭と行末は揃える(各級共通)
天地それぞれ約5ミリくらいのスペースをあけます(天地の空きが不揃いなのは減点されます)
今の試験問題は、1行目の書き出し部分が1文字分下がっていると思いますので、1文字分下げて書き始めます。
・漢字は仮名よりも大きめに書く。
なお、絶対に漢字は仮名よりも大きくしなければいけないのではありません。画数の少ない漢字を無理やり大きく書くと却って不自然に見えてしまいます。漢字よりも仮名の方が若干小さめに見えるように書くと良い、ということです。
・文字の中心線を通す。
分かりやすいところで言えば、「中」とか「川」の真ん中の線は、行の中心を通すということです。
そのような線がない漢字であっても、字全体の中央が、行の中心線を通っているイメージで書くことが大事です。字の中心線がズレていると、1字1字は良くても、欠点が悪目立ちしてしまうからです。
・仮名は行書に調和した形にする。
漢字は行書なのに、ひらがながカッチリした感じだとやっぱりミスマッチなんですね。行書に合わせて、ひらがなも柔らかめに書くようにするといいです。
・字間は程よく取る(詰めすぎても、広すぎても良くない)
ちなみに管理人は、2022年11月に受験した1級の診断テストで、「字間が広い」という指摘を受けて評価3になってしまった…。なので指摘を受けた後はこのように改善しました↓

・行書体の練習をする
この問題は漢字の行書体(字形)にチェックが入ってしまう人が結構多いです。
この問題のためだけに行書体を練習するというよりは、第2問の練習の延長で良いと思います。第2問の漢字の行書体がうまく書けないのに、第3問の方がうまく書けるということはあまり考えにくいからです。
ですが第2問では出題されない漢字も結構出題されますし、出題される漢字は回によっても偏りが大きいので、過去問で出題されたことがある漢字でうまく書けなかったものがあったら、書体字典で調べて、重点的に練習しておくと良いと思います。
なお、参考として、私が3級・準2級・2級・準1級・1級の試験直前に書いていた第3問の練習用紙をupしたいと思います。
3級の行書があまりにもヘタクソすぎるというか、とても行書と呼べるレベルじゃなくてとても恥ずかしいのですが、この程度書ければ3級には合格できますよ&練習すればこれだけ上達しますよ(準1級・1級)ってことで、希望を持っていただけたらと思います(笑)
3級↓

準2級↓

2級↓

準1級↓

1級



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