硬筆書写技能検定1級:第10問B(歴史的仮名遣い)対策〜中学生・高校生用の古文の参考書を読む、過去問で誤りパターンを覚える

硬筆書写・毛筆書写1級では、和歌の誤字訂正問題(歴史的仮名遣いの観点で誤っているものを訂正する)が出題されます。

この問題は、過去問(問題文)のコピーをとってノートにはりつけ、赤ペンで誤字訂正を書き込む。
赤シートで答えを隠して、すぐに答えをチェックできるようにしていました。

実際に問題を解く時は、こんな感じで解いてました。

和歌を書き写すのは正直面倒くさいですけど、単純に仮名だけをメモするのでは採点・復習がしづらいので、後で復習&暗記することを考えて、敢えて手書きで和歌も書くようにしました。

この問題は硬筆1級・毛筆1級でのみ出題される問題ということもあるため、対策には少しだけ時間がかかりました。
学生時代以来、久しぶりに古文の勉強をした気がしますw
古典が得意な人ならいいけど、そうじゃないとノー勉ではキツイかもしれない…。

でも50~100問ほど類題(過去問)を解いていくうちに、どういう風に訂正すればよいのか、どのような間違いを問う問題が多いのか、そのパターンが何となく感覚的につかめるようになります。
間違いや変換のパターンをノートにまとめて暗記するといいでしょう。

また過去問をexcelに打ち込み、和歌のアイウエオ順でソートしてみると、和歌の出題頻度もわかります。
同じ和歌でも、微妙に誤りの箇所を変えていることもあれば、全く同じ問題が出る時もあります。

また、第1回(6月実施)・第2回(11月実施)・第3回(1月実施)ごとに、季節感を反映した和歌が好んで出題されることがわかります。

なのでまずは過去問で出たことがある和歌は、一通り押さえておくとよいです(同じ和歌が出たらラッキーだし…実際R4-3は、過去に出題されたことがある和歌が出ました。)

なお、歴史的仮名遣いの法則がよくわからない時は、これらのサイトが参考になりますので、一読しておくと良いと思います。

<引用>
(1)語頭と助詞以外の「は・ひ・ふ・へ・ほ」は「わ・い・う・え・お」に置き換えます。
 例・・・ あはれ→あわれ  思ひ出→思い出  言ふ→言う

(2)「ゐ」・「ゑ」・助詞以外の「を」は「い・え・お」に置き換えます。
 例・・・ ゐなか→いなか  こゑ→こえ  をとこ→おとこ

(3)「ぢ・づ」は「じ・ず」に置き換えます。
 例・・・ ふぢの花→ふじの花  はづかし→はずかし

文化庁 | 国語施策・日本語教育 | 国語施策情報 | 内閣告示・内閣訓令 | 現代仮名遣い | 付表 対照表(イ~ワ) (bunka.go.jp)
文化庁 | 国語施策・日本語教育 | 国語施策情報 | 内閣告示・内閣訓令 | 現代仮名遣い | 付表 対照表(イ〜ワ)
簡単に覚えられる歴史的仮名遣ひ / 神社界唯一の新聞社 神社新報社 (jinja.co.jp)
簡単に覚えられる歴史的仮名遣ひ / 神社界唯一の新聞社 神社新報社

ただ、中学生・高校生向けの古文の参考書も読んでみたのですが、中高生の古文の問題は、歴史的仮名遣いを現代仮名遣いに読み替える問題が大半なんですね。
硬筆・毛筆1級のように、歴史的仮名遣いに書き改める問題というのは殆どなかったように思います。

なので、「い」を「ひ」「ゐ」のどちらに変換したらいいのか、同様に「お」→「を」「ほ」、「え」→「ゑ」「へ」が正直よくわからなかったです。

上記の
・語頭と助詞以外の「は・ひ・ふ・へ・ほ」は「わ・い・う・え・お」に置き換える
・「ゐ」・「ゑ」・助詞以外の「を」は「い・え・お」に置き換える
・「ぢ・づ」は「じ・ず」に置き換える

というルールを頭にいれつつ、ある程度過去問を多く当たっていくうちに、接続詞の「を」「は」の使い分けのように、「これはこっちかな?」という感覚をつかむようにしました。
法則をハッキリ言語化できなくても、過去問とその回答を多く当たっていくうちに、大体正解できるようになるからです。

なので過去問を20年分くらいかき集めて、和歌の文体と誤りパターンを覚えてしまえば、ある程度の点数は確保できるようになります。

例:(誤)もみじ(紅葉)→(正)もみぢ
(誤)おおぞら(大空)→(正)おほぞら
(誤)こおり(氷)→(正)こほり
(誤)けふ(今日)→(正)きょう
(誤)思う→(正)思ふ
(誤)こえ(声)→(正)こゑ
(誤)しずく(雫)→(正)しづく
(誤)さおしか(小牡鹿)→(正)さをしか
(誤)おみなえし(女郎花)→(正)をみなへし

<硬筆書写技能検定1級対策ページへのリンク>

準備編
硬筆書写技能検定1級で使用した教材・書籍・筆記用具
独学でも硬筆書写技能検定準1級・1級に合格するコツ
硬筆書写技能検定1級対策:書体字典検索の時間を短縮するために工夫したこと(excelにデータを入れる・常用漢字の順番に並べ替える、等)
各問題ごとの対策・練習法
①・硬筆書写技能検定第1問(速書き)対策~正しい書き順の復習と、行書の練習を重点的に行う。時間を測って過去問を練習する。
②・硬筆書写技能検定準1級&1級・第2問で草書体が書けない時の対処法~知ってる漢字を組み合わせて書く、行書を草書風に崩して書く(絶対に空欄のまま答案を出さない!)
②・硬筆書写技能検定1級・第2問対策 草書体はどこまで覚える必要があるのか?
②・硬筆書写技能検定第2問(3級・準2級・2級・準1級・1級)学年配当別の出題割合を比較してみた!
③・硬筆書写技能検定第3問(縦書き・行書)対策〜連綿は入れられるなら入れたほうが映えるけど、無理に入れなくてもいい
④・硬筆書写技能検定第4問(横書き・楷書)対策〜悪い評価がつく人が少ないからこそ、確実に評価4以上は取れるようにしたい
⑤・硬筆書写技能検定1級:第5問(漢詩)対策~書体はどれでもよいけど、旧字体と書写体を織り交ぜて書くと味が出る
⑥・硬筆書写技能検定第6問(掲示文)~コピックを使うなら本番までに十分慣れておいたほうがいい(決して万人向けのペンではない)
⑦・硬筆書写技能検定1級:第7問AB(旧字体・書写体)対策〜双方に跨って出題される漢字に要注意
⑧・硬筆書写技能検定1級・第8問A(草書の読み)対策~直近の過去問と硬筆2級のドリルの字形でインプットする
⑧・硬筆書写技能検定準1級・1級 第8問B:古筆(仮名)対策〜よく出る変体仮名の読み方を覚える。
⑨・硬筆書写技能検定1級:第9問A(添削問題)対策~教育漢字の楷書体を重点的に練習する
⑨・硬筆書写技能検定1級:第9問B(書道史)対策~ダミー選択肢の筆者も覚える、図版と一緒に覚えると効率がいい
⑩・硬筆書写技能検定1級:第10問B(歴史的仮名遣い)対策〜中学生・高校生用の古文の参考書を読む、過去問で誤りパターンを覚える

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