(参考)建設業経理士2級の出題傾向も調べてみた。

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この検定試験は1級よりも2級受験者の方が多いようなので、手持ちの問題集(建設業経理士2級 出題パターンと解き方)と過去問より2級の出題傾向も調べてみました。

私は2級は一度出願したものの、東日本大震災により試験中止となったために結局受験はできませんでしたが、手持ちの問題集を解いて勉強した感触は、日商簿記3級と2級の間くらいの難易度だと感じました。
(日商簿記2級の論点が出題されるけど、出題パターンがワンパターンなので日商簿記2級ほどには難しくないという意味です。)

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2級の出題パターン

第1問 仕訳問題5問(20点)
第2問 勘定分析または計算問題(12点)
第3問 費目別計算または部門別計算(14点)
第4問 個別原価計算または原価の分類(24点)
第5問 精算表の作成(30点)

点数配分を見ると、日商簿記2級とほぼ同じく、商業簿記的問題が60点、工業簿記的問題が40点です。

既に日商簿記2級を持っている人はとても有利です。
また、日商簿記2級を持っていなかったとしても、受験前に日商簿記3級レベルの基礎的な簿記は理解できた方がいいと思います。

建設業経理士は、
仕掛品(しかかりひん)⇒「未成工事支出金」
売掛金⇒「完成工事未収入金」
買掛金⇒「工事未払金」
前受金⇒「未成工事受入金」
売上原価⇒「完成工事原価」
売上高⇒「完成工事高」
と建設業特有の勘定科目が変わるのに慣れれば大丈夫です。
勘定科目が変わるだけなので、日商簿記2級・全経簿記1級で勉強するレベルの工業簿記・原価計算が頭に入っていれば、すぐに理解できると思います。

まぁ簿記系検定の勉強スタートがいきなり建設業経理士って人はあまりいないと思います(笑)
だいたい日商2・3級からのステップアップかスピンオフで受験する人が多いんじゃないかと…。

各問ごとの出題論点

第1問 仕訳問題
14回 修繕引当金・当座預金の修正・貸倒引当金・株式の発行・工事会計(工事進行基準)
13回 固定資産の取得・合併・社債(買入償還)・工事会計(工事進行基準)・仕入割引
12回 工事会計(工事進行基準)・利付国債・固定資産の売却・貸倒れ・仕入割戻
11回 約束手形の振り出し、有価証券の期末評価、利益処分、固定資産の修繕、工事会計(工事進行基準)
10回 前受金、固定資産購入、仕入割戻、火災保険、貸倒引当金の取り崩し

第2問 勘定分析・計算問題
14回 本支店会計・社債の買入償却(社債償還損)・総合償却(定額法)・支店相互間取引
13回 本支店会計・純資産会計・消費税
12回 本支店会計・純資産会計(資本準備金の積立額)・社債発行費の繰延・固定資産の買換え
11回 総合償却(平均耐用年数)・内部利益・貸倒引当金繰入額の計算
10回 特殊仕訳帳・本支店会計・支払手形残高・仕入値引・割引・割戻

第3問 原価計算・原価の分類
14回 工事間接費の配賦
13回 補助部門費の配賦(相互配賦法)
12回 制度的原価の基礎的分類基準、完成工事原価報告書の作成、工事間接費配賦差異の計算
11回 経費の予定配賦・配賦差異
10回 未成工事支出金費目別金額

第4問 原価計算
14回 個別原価計算(理論穴埋め)・完成工事原価報告書の作成
13回 完成工事原価報告書の作成
12回 人件費(工事間接費)の予定配賦等
11回 原価の処理の方法、完成工事原価報告書の作成
10回 原価計算基準(理論)、完成工事原価報告書の作成

第5問 精算表の作成
14回 受取手形の不渡り、貸倒引当金の計上(差額補充法)、公社債利札の処理、棚卸減耗、仮払金の精算、減価償却、退職給付引当金、完成工事補償引当金、未成工事支出金の次期繰越額、法人税額の計上

13回 銀行勘定調整(当座預金)、有価証券の評価、貸倒引当金、棚卸減耗、仮払金・仮受金、減価償却費の計算(減価償却費の予定計上)、退職給付引当金繰入額(予定計上)、完成工事補償引当金、法人税額の計上

12回 現金過不足、不渡手形、仮払金・仮受金、貸倒引当金、減価償却費の計算(減価償却費の予定計上)、退職給付引当金繰入額(予定計上)、完成工事補償引当金、未成工事支出金の次期繰越額、法人税額の計上

11回 不渡手形、貸倒引当金、棚卸減耗、減価償却費の計算(減価償却費の予定計上)、仮払金・補修、退職給付引当金繰入額(予定計上)、仮設撤去費、完成工事補償引当金、経過勘定、法人税額の計上

10回 貸倒損失の回収、貸倒引当金、有価証券の評価、減価償却費の計算(減価償却費の予定計上)、修繕引当金、退職給付引当金繰入額(予定計上)、工事損失引当金、完成工事補償引当金、未成工事支出金の次期繰越額、経過勘定、法人税額の計上

第1問の仕訳、第2問の勘定分析は、過去問を繰り返し解けば大丈夫でしょう。

第3問・第4問の原価計算は、日商簿記2級の工業簿記よりも簡単です。
建設業の原価計算は、製品の性質上、基本的には「個別原価計算」がメインです。

第5問の精算表の難易度は、1級の財務諸表とあまり変わらないです。
問われている論点は毎回似たり寄ったりですから、過去問数回分を解けるようになれば十分得点源にできます。
たまに見慣れない決算整理事項もありますが、問1の仕訳問題の練習をきちんとやれば対応できそうです。

日商2・3級よりも出題パターンのバリエーションが少ないので、過去問題集に載っている数回分の問題を一通り解き終わる頃には、7割以上の得点ができるようになると思います。

参考:2級実施状況

受験者数 合格者数 合格率
第8回 (平成22年 9月12日実施) 6,976 /2,665 /38.2%
第9回 (平成23年 3月13日実施) 4,517 /1,557 /34.5%
第10回 (平成23年 9月11日実施) 6,989 /2,355 /33.7%
第11回 (平成24年 3月11日実施) 7,618 /3,810 /50.0%
第12回 (平成24年 9月 9日実施) 6,391 /2,213 /34.6%
第13回 (平成25年 3月10日実施) 6,980 /2,682 /38.4%
第14回 (平成25年 9月 8日実施) 6,791 /2,979 /43.9%

コメント

  1. aiko より:

    お久しぶりです〜!
    明日建設業経理士2級行ってきます!
    miwaさんのおっしゃる通り日商2級からのスピンアウトなので勉強は楽でした。
    いまだに日商には無い解答用紙の桁枠に慣れません。。。(笑)
    明日ずれて書かないように気をつけます。。。

    • miwa@管理人miwa@管理人 より:

      >aikoさん
      おおこれはこれはお久しぶりです。お元気そうでなにより。
      今日は建設業経理士の試験なんですね。
      日商簿記2級よりはパターンが決まっていて楽だと思うので(受けてないお前が言うなって感じですがw)、計算ミスや解答用紙の記入さえミスらなければ大丈夫ですよ。
      頑張ってください。

  2. わたる より:

    みわ先輩!

    今日、建設業経理士2級の合格発表があり、受かってました。

    みわ先輩の詳しい受験日記などがいつものように大変役に立ちました。

    今回は比較的、平易な問題が多かったので良かったです。

    1級も目指したいですが、みわ先輩も一級をとるのにかなりの期間を要したようなので、少し躊躇してしまいますが、頑張ろうと思います。

    この試験は申し込み期限がやたら早く短いので、躊躇なんかしてられません。。。

    • miwa@管理人miwa@管理人 より:

      >わたるさん
      建設業2級合格おめでとうございます!
      1級はですね…日商1級や全経上級をある程度勉強している人だったら、1科目につき3週間~1ヶ月でイケると思います。ない人は1科目につき1~2か月は必要でしょう。
      ただ、科目合格の期限が5年あるので、1発合格が難しそうだと思ったら1科目ずつ取得してもいいので、その点は日商簿記1級や全経上級よりは親切ですね。

  3. 名梨権兵衛 より:

    MIWA様

    いつも楽しくもまた有益な情報をありがとうございます。

    私事 MIWA様からの情報のおかげで建設業経理士2級 突破いたしました!
    日商簿記3級からのステップアップだったのですが、問題自体はシンプルでパターン通りでしたので3級の知識プラス過去問対策をしっかりやれば試験自体はそれほど・・・な感じでした。
    ただし、最初は勘定科目の相違(未成工事**金とか)に結構 戸惑いましたけどwww

    • miwa@管理人miwa@管理人 より:

      名梨権兵衛さん
      建設業経理士2級、合格おめでとうございます!
      私は2級に出願してたけど震災の影響で試験が中止になってしまい、結局は2級を飛ばして1級を受けたのですが、過去問を見る限りではパターン学習で大丈夫だろうなと感じていました(1級もまた然り)。
      勘定科目は確かに見慣れないですよね(笑)

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