漢検1級を初めて受験する人は、具体的にどのように勉強を進めたらいいのでしょうか?勉強を始める前にどのような準備が必要なのかを書きました。
①6ヶ月~1年先の試験日の予定をあけておく
1級を受けると決めたら、まずは漢検協会のHPを開いて、試験日を確認しましょう。
6ヶ月~1年先にある試験日と、申込開始日をスケジュール帳に書き込むところから、試験対策は始まります。
何故6ヶ月~1年先なのかというと、「1級合格に最低限必要となるであろう勉強量」を確実に消化していくとしたら、6ヶ月~1年後の試験での合格を目標に、そこから逆算して勉強のスケジュールを立てていくのが現実的だからです。
勉強期間が1~2ヶ月では、殆どの場合時間が絶望的に足りない。
かといって「ある程度勉強して、合格のメドが立ったら受けよう」と思っているうちは、メドが立つ日は永遠にやってこないものです(苦笑)
じゃあ「1級は難しいからじっくりと時間をかけて勉強しよう」と、最初から3年~5年かかることを見越した長期計画をたてるのもお勧めできません。
1年計画で勉強していたものが、結果的に2~3年かかってしまうのはよくある話だけど、その逆は殆どないからです。
時間にゆとりがあると思うと、かなりの確率で中だるみからモチベーションや集中力が途中で切れてしまい、結局は効率が悪くなってしまいます。
1日10時間単位で漢字の勉強に専念できる環境にあるなら、3ヶ月先の試験日でもギリギリ間に合わせられるかもしれませんが、社会人・学生ならば、6ヶ月~1年後の試験日を目標にするのがちょうどよいです。
実現できそうにもない計画を立てても意味はありません。画餅は食えないです。
②問題集・辞書類を買う
・問題集は「完全征服」「分野別精選演習」「(最新版の)過去問題集」の3冊。
・辞典は「漢検漢字辞典」「漢検四字熟語辞典」2冊
最終的には、「完全征服」「分野別精選演習」「過去問(約10年分以上)」「本試験型」「頻出度順」などの複数の問題集に取り組むことになると思いますが、まずはこれだけ揃えておけばいいです。
過去問については、初期段階ではまだ取り組まなくてもいいんですけど、どういう形式で問題が出題されているのかを知るために、一応買っておきましょう。
過去問には審査基準も載っているので、一読しておくといいです。
勿論、興味があれば、試しに解いてみてもいいと思いますが、準1級合格直後の実力だと10点前後しか取れないと思います。でもそこで落ち込まないでください。
多分みんな似たようなもんです(苦笑)
③完全征服、分野別精選演習をマスターする
まずはこの2冊を、1冊ずつ集中して潰していきましょう。
わからない言葉は、辞書を引いて、意味も一緒に覚えます。
この2冊はどちらからやればいいのかと迷うかもしれないけど、結論からいうと、どちらが先でも構いません。
(私は「分野別~」の方から取り組みました。)
「完全征服」は、難易度は易しめなので、初学者にはとっつきやすいです。
「分野別精選演習」は、完全征服よりも難易度は高めですが、現在の試験の難易度と出題傾向に合致しており(それでも今の試験の方が1ランク難しいけど…)、本試験での問題出題率も高いです。
もし、「完全征服」から始める場合は、出来るだけ早くマスターして、「分野別精選演習」の学習に取り組むようにしてください。
「完全征服」は現在の試験の難易度と比べるとやや易しすぎるので、この本の問題が解けるようになっただけでは、現在の本試験には対応できないからです。
「分野別精選演習」から始めると、最初は解ける問題が殆どないので、時間はかかるかもしれません。ただ、「分野別~」をマスターした後に「完全征服」を勉強すると、スムーズに取り組むことができます。
④過去問をゲットする
「分野別精選演習」「分野別精選演習」の勉強と並行して、過年度の過去問も別途手配しておきましょう。
特に、国会図書館への遠隔複写請求は、東京本館へ直接来館できる人以外は、利用者登録手続~複写物受取までに約2~3週間程度の時間がかかるので、これは問題集の勉強と並行で準備しておいたほうがいいです。
⑤あれもこれも欲張り過ぎない
一昔前までは、「1級」と名のついた教材自体が少なかったし、現実的に入手できる教材も限られていたため、「何をやればいいのか?」と迷う余地は殆どなかったかもしれません。
それが現在では、
「分野別精選演習」「完全征服」
「過去問題集(平成4年~平成28年)」
「本試験型問題集(成美堂)」「頻出度順問題集(新星出版)」「漢字検定準1級・1級(高橋出版)」「漢字検定ノート」「漢検1級三略 上・中・下」
「漢検トレーニング(3DSソフト)」「 漢字検定1級 「30日合格プログラム」(iOS、androidアプリ)」
これら以外にも、1級リピーターの方が模擬試験や1級熟語のリスト等をネット上に公開してくださっています。
このように、現代はネットの発達のおかげにより、1級対策用の教材が簡単に手に入るようになりました。
それはそれで大変ありがたい話ではあるけれど、だからといって、あれもこれも中途半端に手を広げすぎると、かえって基礎知識の定着が遅くなってしまいます。
勉強の絶対量が足りていないうちは合格点に届かないけれど、かといって基礎も応用もどっちつかずの中途半端な状態でも、合格点に届かないのが厄介なところです。
あれも覚えなくちゃ、これも覚えなくちゃ…と焦ってしまう気持ちはよくわかるんだけど、1級の初学者は、欲張りすぎないこと・焦りすぎないことがとても大切です。
まずは「分野別精選演習」「完全征服」をそれぞれマスターすること(=基礎知識の習得)→過去問10年分をマスターすることを優先して勉強を進めるようにしてください。
(参考:漢字検定1級勉強法記事一覧)
・漢字検定1級 6ヶ月で初合格を目指す勉強法(総論)
・漢検1級の難易度と合格率データ
・漢検1級初合格を目指すために、最低でもやっておいたほうがよい勉強
・漢検1級初合格を狙う勉強法:「リピーター」の勉強法はある程度実力がついてから参考にしたほうがよい
・漢字検定1級勉強法:漢字検定1級対策で使用した問題集
・(補足)漢検1級の過年度過去問題集を、国立国会図書館で入手する方法
・漢字検定1級対策で使用した辞書・参考書類
・漢字検定1級勉強法 千里の道も一歩から~まずは1冊の問題集をマスターしよう!
・漢字検定1級勉強法 オリジナルノートの作成が避けられない理由
・漢検1級勉強法:合否をわける壁~初見殺しの紛らわしい漢字に気をつけろ!
・参考:漢字検定2級・準1級・1級の難易度を比較してみた!(準1級・1級はどのくらい難しいのか?)
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