世の中の小学校には「まだ習っていない漢字(学年よりも上の漢字)を使っちゃいけません」という指導をなさる先生がいると聞いたことがあります。
幸い、自分はそんな馬鹿げた押し付けをする先生にあたったことはないのですが(むしろ難しい漢字の読み書きができると、積極的に褒めてくれる先生ばかりでした)、不幸にもそのような先生に当たってしまうと、自分の名前を中途半端な平仮名交じりで書かされるとか。
まだ漢字が書けないが故に、結果的に平仮名交じりの文章になってしまうのは仕方ないけど、漢字が書ける子にわざわざ平仮名で書かせる(漢字を使わせない)のは、子どもをバカにしている話だし、勉強への意欲を奪ってしまうのでは?と思ってしまうのは私だけですかね。
こういう話は都市伝説であってほしいけど…。
資格の世界での混ぜ書き
ところで、資格試験の世界でも、「この文章、なんで中途半端に平仮名混じりの混ぜ書きなの?漢字で書いたほうがよくないか!?」と言いたくなることがあります。
中途半端に混ぜ書きで書かれていると、文章を読むときに「??」とつっかかってしまったり、意味を正しく捕らえられなくなってしまうからです。
資格スクールが編集しているテキストは、比較的読みやすく編集してくれていることが多いのであまり気にならないのですが、元になっている法律の条文や規則などを読んでいるとき、たまに「これはいったいどういう意味の言葉なのだろう?」と突っかかってしまうことがあります。
私は今、6月の日商簿記1級に向けて勉強をしているのですが、「原価計算基準」の原文を「攻略ナビ(理論編)」で読んでいる最中、「一体なんなの?この文章!何でこんなに平仮名が中途半端に混じっているんだ!」と怒りが湧いてきましたw
(「原価計算基準」wikibooksより抜粋・引用)
原価計算基準の設定について
(略)
この基準は、企業会計原則の一環を成し、そのうちとくに原価に関して規定したものである。それゆえ、すべての企業によつて尊重されるべきであるとともに、たな卸資産の評価、原価差額の処理など企業の原価計算に関係ある事項について、法令の制定、改廃等が行なわれる場合にも、この基準が充分にしん酌されることが要望される
(略)
二 原価計算制度
この基準において原価計算とは、制度としての原価計算をいう。原価計算制度は財務諸表の作成、原価管理、予算統制等の異なる目的が、重点の相違はあるが相ともに達成されるべき一定の計算秩序である。かかるものとして原価計算制度は、財務会計機構のらち外において随時断片的に行なわれる原価の統計的、技術的計算ないし調査ではなくて、財務会計機構と有機的に結びつき常時継続的に行なわれる計算体系である。原価計算制度は、この意味で原価会計にほかならない。
(略)
四 原価の諸概念
(略)
(二) 製品原価と期間原価
原価は、財務諸表上収益との対応関係に基づいて、製品原価と期間原価とに区別される。
製品原価とは、一定単位の製品に集計された原価をいい、期間原価とは、一定期間における発生額を、当期の収益に直接対応させて、は握した原価をいう。
中途半端に「しん酌」「らち外」「は握」って書かれるよりも、ストレートに漢字で「斟酌」「埒外」「把握」と書いたほうがスムーズに意味が通ると思うんですよね…。
これはちょっと前の話ですが、高圧ガスのテキストを読んでいた旦那(三種冷凍を受けようと思ってテキストを買った)からも、「なぁmiwa、『かついろ』って何のことかわかる?」と聞かれたんですよ。
かついろ!?何だそりゃ???
持っていたテキストを見せてもらい、googleで検索をしてみたところ、「褐色(かっしょく:暗い黄赤、茶色)」のことを言っているのがわかりました。
第四章 容器の表示(表示の方式)
容器保安規則より抜粋・引用
第十条 法第四十六条第一項 の規定により表示をしようとする者(当該容器を譲渡することがあらかじめ明らかな場合における容器の製造又は輸入をした者を除く。)は、次の各号に掲げるところに従つて行わなければならない。
一 次の表の上欄に掲げる高圧ガスの種類に応じて、それぞれ同表の下欄に掲げる塗色をその容器の外面(断熱材で被覆してある容器にあつては、その断熱材の外面。次号及び第三号において同じ。)の見やすい箇所に、容器の表面積の二分の一以上について行うものとする。
(略)
高圧ガスの種類 塗色の区分
酸素ガス 黒色
水素ガス 赤色
液化炭酸ガス 緑色
液化アンモニア 白色
液化塩素 黄色
アセチレンガス かつ色
その他の種類の高圧ガス ねずみ色
節子、それ「かついろ」やない、「褐色(かっしょく)」や。
「あ、かついろじゃなくて、【かっしょく】なんか。それにしてもわかりにくいなー。せめて小さい【っ】で【かっ色】ならまだわかるけど、【かつ色】はホントにわかりにくいわ!」
たしかに…「つ」がデカいから、余計に「??」ってなっちゃうよね。
それに、なんかマヌケな感じもしますしw
これだったら「褐色」と書いてくれたほうが絶対にわかりやすいだろうな。
というわけで、今日は少し愚痴モードの資格雑談です。
(試験直前期で、精神が軽く病んでるんだなと思ってくださいw)
個人的には、漢検1級漢字をふんだんに使ってほしいとまでは言わないけど、準1級漢字(JIS第1水準相当)をつかった熟語であれば、熟語は漢字で表記して、カッコでふり仮名をつけるとか、ルビ付きで表記してくれるのが理想形だなと思うのでした。
コメント
あるあるです。私もこれは同感ですね。
ニュースとかだと、例えば「隕石」は「いん石」と書かれたりするのを見て、漢字でいいのに……と思います。まあ、ニュースだから常用漢字外のものは使わない規則なんだろうなと思えば、また別のニュースは「隕石」で振りがな振ってあったり……。
私個人の見解ですが、難しい漢字だろうがなかろうが、漢字にして、振りがな振ればいいんじゃないかと思うんですけどね。
>匿名さん
「いん石」よく見かけますね~。
他には、「わだち(轍)」「骨粗しょう(鬆)症」などもよく見ますね。
>難しい漢字だろうがなかろうが、漢字にして、振りがな振ればいいんじゃないかと思うんですけどね。
そうなんですよ。中途半端に混ぜ書きするくらいなら、常用漢字以外の熟語にはルビを振れば一発で解決するのに…って私も思います。
私の通ってた小学校がそうでした。
習ってない漢字を書くと、答案用紙に小言を書かれてました。
たまたま意地悪な先生に当たったんだな・・・と当時は諦めていましたよ。
多分、クラスで学習レベルを均一にしたいというのが本音でしょうか。せっかく芽生えた学習意欲を先生が摘み取ってしまうのが仕事の一つなら、生徒がかわいそうです。
資格系で、多分、敢えてひらがなにしてるのって、読み方ごときで問い合わせされるのが困るというのが本音でしょうか。
例えば、それが記述式試験の答案だとしましょう。今度は漢字で書かないと0点だったりするので、常用外でも漢字はしっかり書いてほしいですし、横に読み仮名を振れば、そんなに心配するようなことでもない気がするんですよね・・・。
>88_73さん
都市伝説かと思ったら、本当にそういう先生がいるとは…それはお気の毒でしたね。
本当に私はこの「学年漢字縛りの理由」が全く理解できないので、もし自分に子どもがいて、不幸にもそういう担任に当たってしまったら、
「その先生の言ってることのほうがおかしい。むしろもっと漢字を覚えて積極的に使いなさい。」と言っちゃうかも…。
モンペまっしぐらw
記事中の原価計算基準の混ぜ書きは、原文がそういう表記だからそこに合わせているだけだと思います。
昭和37年に作られたものだから、表現自体が古めかしいっていうのもあるけど、本当に読みにくいです…。
おはようございます。
言われてみれば、指摘されたような文章が目に付くこともありますね。
私の小学校時代の先生は、全く逆のタイプで、習っていない漢字であっても
平仮名の名前の人以外は、「自分の名前くらいは漢字で書け!」というタイプでした。
(当時は男性の先生に限って、このような傾向が強かったかもしれません。)
今回の指摘で気付いたのですが、縦書きの文章で、本来漢数字で書かなければいけないところを
半角の数字を使用しているという文章もありますよね。
これも人によっては、「見にくい」と感じる方がいらっしゃるかも知れませんね。
>MTさん
逆パターンで「自分の名前くらいは漢字で書け!」という先生はいいですね。
たとえ難しい漢字であっても、人名だったら中途半端な混ぜ書きの強制よりも、合理的だと思います。
特に小・中学生のうちは、漢字は学年を飛び越えて、今の学年配当漢字は最低限レベル扱いにして、先取りでどんどん覚えさせればいいと思っています。
漢字が読めれば、上の学年の本もスムーズに読めて、自学自習もできるようになるけど、逆に学年相当の漢字が怪しいと、本がスムーズに読めないことで読書が苦痛になる→勉強キライにつながりやすいですからね…。
このブログを見て思ったのですが、漢字だけでなく、
英文を筆記体で書くことについても、同様のことが言えますね。
私が通った中学校では、「1年次の2学期の期末テストから」という条件付きでしたが、
「筆記体で書ける人は書いてください」という指示が飛んでいました。
(ちょうど2学期の中間テストが終わるか終わらないかという頃に、筆記体を習い終えるというカリキュラムだったため、このような指示を出したと思われます)
これだけ書くと、進んだ教育を受けたように見えますが、
とある教科では、一部の人から見たら「有り得ない!」と言われそうな
忠告も受けていました。miwaさんもたまげると思います。
>MTさん
今の中学生は筆記体を習わないそうですが、私は筆記体は中1の途中で習いました。
でも、特に使っていいとも使っちゃダメとも言われなかったですね。
ただ何となく、筆記体のほうがかっこいい!という理由で、筆記体で書ける人は筆記体を使っていたような気がします。
私も中学生の時は筆記体を書いていたけど、高校に入ってからはなぜかブロック体に戻りました…。
私がかかわる会社には、社独自の用語用字基準が広く決められています。かなり大昔に決められてほとんど変えていないという背景はあるのですが、かなりひらがなで書く部分が多いです。今となっては社内でもなぜだか理由を正しく言える人は少ないのですが、私はその設計理念を聞いていますので書いてしまうと、要するに義務教育(中学まで)しか出ていない、かつ成績が良くなかった人でも読めるように、という配慮ということでした。(社の理念として、そういう社会的弱者の地位向上を目指す、ということがあったのです)結構読者を馬鹿にしているとも取れる理由ですが、当時の時代背景を考えると先進的な配慮であったなあとは思います。
>シーラさん
>義務教育しか出ていない、かつ成績が良くなかった人でも読めるように、という配慮ということでした。
時代背景を考えると、ああなるほど、昔は中卒の人も少なかったしね…と理解できるんですが、結局のところは漢字にフリガナをふれば解決する気もしますね。
というか昔の新聞は今の新聞よりも、難しい漢字が多数使われているしなぁ(今のほうが平仮名交じりの熟語が多い)。
かつ色は分かりにくいですね~自分も似たような経験ありますよ!建機の講習で、
確認テストがすべて漢字の所は、ふりがな付きでした( ゚Д゚)
今考えると、受けてる人はガテン系が多数だったのでそのあたりに理由が・・・
>ピタヤさん
すべてフリガナ付のテストとは随分親切なテストですね~。
ただ、フリガナを振る・振らないの線引きも微妙でしょうから、フリガナを振るなら全部ふっちゃおう、って感じなのかも。
クニミツの政という漫画で
その話ありましたね(・・;)
教育とは何か?と思いました
学年全員が同じ学力が理想なのでしょうか!??
私は違うと思います!
みわさん、電験3種かエネ管受験してくれません??環境計量士でも嬉しいですw
>りゅうさん
学力をボトムの方にあわせようとするならと、ドラえもんのごとく「日本中がきみのレベルに落ちたらこの世の終わりだぞ!!」って言いたくなりますね。
電験3種かエネ管か環境計量士かー。
どれもハードル高いやん(汗)
俺は試験で覚えると言う意味では
「褐色」よりも「かつ色」の方が好きやな。
「かついろ」の方が忘れたりせんやろ。
むしろ「フルオロカーボンR114」の方が
カタカナ+数字で覚えられそうもないので嫌いや。
>資格チャレンジ初心者さん
まぁ覚えやすさでいえば、「かつ色」という表現はなかなか印象的というか、インパクトがあったのは間違いないですwww
フルオロカーボンR114…フロンガスの種類はわかりにくいですね。