資格試験の情報収集は「ほどほど」がいい【過ぎたるは猶及ばざるが如し】

約25年前の春頃、大黒摩季が【物事いろいろ知ってしまうと 瞬発力がなくなるもので 運命の人だと思っても 経験がジャマして素直になれない】と歌っていました。

夏が来る」は恋愛と結婚を夢見る女の歌だけど、「物事いろいろ知ってしまうと、瞬発力がなくなる」のは、資格試験でも同じようなものだと思います。

というのは…自分が社会保険労務士試験を受けた1年目は、社労士試験がどういう試験なのか、全然よくわかってないまま、見切り発車で勉強を始めてしまったからです。

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1年目の情報量

2006年の1月頃の話。今から約13年前。
もしこれから再就職をするんだったら、年金とか労働保険の知識があったらと便利そうだな。
今はちょうど仕事もしてないし、時間だけはタップリあるから、何か勉強してみようかな…。

今の私は、これといって特別な資格もないし、別に高学歴ってわけでもない。
再就職をするんだったら、何もないないの丸腰状態ではなくて、何か一つ二つ、他の人には負けない武器がほしいと思ったんです。

そう思ったら、なんだか居てもたってもいられなくなって、気づいたらJRに乗って川崎に向かっていました。
※何故川崎なのかというと、2006年は品川区に住んでおり、家から一番近くてアクセスのよい、大型書店がある主要ターミナル駅は川崎だったからです。

大型書店の資格本コーナーに行って、社労士試験の基本書と問題集を数冊読み比べ、自分的に一番読みやすそうだと思った基本書と過去問題集(労働編と社会保険編)の、合計3冊を買いました。
本屋を出たら、川崎駅の近くにあるファストフード店に入って、買ったばかりの基本書を律儀に1ページ目から読み始めたのでした。

こうして、私の社会保険労務士試験受験生ライフは、誰にも相談することなく、ひっそりと(だけど唐突に)幕を開けました。

ところで、勉強をはじめた当初、私が知っていた社労士試験に関する情報は、

・試験が8月の下旬にある
・マークシートの試験
・選択式と択一式という、出題形式の異なる問題が出る
・合格率は例年8%前後
・合格基準点は択一式がトータル42点以上かつ各科目4点以上、選択式はトータル28点以上かつ各科目3点以上(年度によって変動はあるものの、miwaが受験生の時はだいたいこのくらいが相場でした。)
・労働法系の科目、健康保険、雇用保険、年金に関する科目が出題される

この程度です。
旦那の本棚にあった資格ガイド本と、買った基本書と過去問に書いてある事しか知らなかったのです!

社労士受験生時代はまだこのブログは開設していなかったですし、社労士試験の勉強法について、ネット検索もしませんでした(勉強法は市販の勉強本を参考にしてました)。

勉強仲間はいませんでした。
旦那と実家のmiwa母に事後報告で受験宣言はしましたが、その後は、一人で黙々と勉強をしていました。
一時期、資格スクールの直前講座に通っていた時期もあったけど、そこで友達を作りたいとは全く思わなかったです。
講師には度々質問をしていましたが、受験生同士では交流は一切しませんでした。

当時はtwitterやfacebookはまだなくて、そのかわりmixiが流行っていました。
自分もmixiのアカウントは持っていたけど、それはあくまで地元の友達と連絡を取るためのツールであって、社労士受験生つながりでのマイミクをつくろうとも思わなかったです。

こうして振り返ると、勉強開始当初の私は本当に無謀というか無鉄砲というべきか…無知って怖いとしかいいようがないですね(笑)

今の自分だったら、こんなに何も知らない状態で社労士クラスの難関試験を受けようだなんて思いませんし、恐ろしくて絶対にできません。
ちゃんと「情報収集」をしたうえで、他の資格試験のスケジュールをキッチリ調整して、ある程度勉強のスケジュールを立てた上で出願すると思います。

社労士試験受験1年目から13年経った今、良くも悪くも、用意周到に資格試験の準備ができるようになった。
つまり「物事いろいろ知ってしまった」結果、社労士受験生1年目の時のような瞬発力や勢いを失ってしまったのは事実です。

一方で、用意周到に準備ができるようになったことで、漢字検定1級に合格できたと思うので、情報収集そのものはとても大事なことです。
(2019年現在の漢検1級は、デジタル・アナログ問わず、情報収集と取捨選択が両立できないうちは、一発合格どころか、5回受けようが10回受けようが、絶対に合格できない試験だと思います。)

誤解してほしくないですが、受験にあたって必要な情報は、集めたほうがいいに決まっています。
敵の強さや特徴を知らずに戦いを挑むのは、愚の骨頂です。
先人の知恵を活用できるんだったら、きちんと活用したほうが効率よく勉強できるのは言うまでもありません。

そこを踏まえたうえで、社労士試験受験生1年目に、「勉強してみようかな」と思った瞬間、間髪を入れずに本を買って勉強を始めたのは、案外良かったかもしれないと思う部分もあります。

なぜかというと、もし社労士試験の勉強を始める前に情報収集を念入りにやっていたら、「選択式の足切りによるアリ地獄スパイラル」「合格率の低さ」「資格を取ったとしても食えない・厳しい」などなど、とにかくネガティブな情報ばかりが先に目についてしまい、「やっぱり自分にはムリだ、受験はやめとこう」と、勉強を始める前に挫折していた可能性があったからです。

実際、勉強を始める前の情報収集が先行しすぎてしまうと、かなりの確率で、マイナス思考と不安に負けて、怖気ついてしまう人が多いのもまた事実。
敵の強さや怖さを過大評価しすぎてしまい、必要以上に萎縮してしまうのか、自信とモチベーションが喪失してしまうんですね。

そして、最初に買った本が、過去問題集(労働・社保の2冊)と基本書の2種類だけだったことも、結果的には幸いしたと思います。

LECの直前講座に通うまでの約4か月間は、この2冊の過去問を繰り返し解くこと(時に基本書を読む)に集中できていたので、直前講座の講義にきちんとついていけたと思うからです(模試の点数はあまりよくなかったですけど…)。
これがもし、最初にあれもこれも複数の教材を買っていたら、どれも中途半端なまま、消化不良で終わっていたと思います。

現代は、インターネットの発達のお陰により、良くも悪くも情報が溢れています。

社会保険労務士試験は言わずもがな、有益な参考書・問題集が乏しかった漢検1級ですら、ここ2~3年で「情報過多」になりつつある…と感じるくらいです。

2006年頃の無鉄砲な私の真似をしろとは言いませんが、余計なことを考えすぎて動けなくなる・はじめの一歩を踏み出せなくなってしまうくらいだったら、最低限の情報を収集したら、勢いに乗ってサッ!と次の行動に移してしまったほうがマシだと思います。
初期段階では、あっ!これ失敗したな!と思ったらすぐに引き返せばいい。

逆に試験に関する情報がなさすぎて、何をどうやって勉強したらいいのかよくわからない資格試験は、個人的には甲種火薬類製造保安責任者や核燃料取扱主任者などの、ごく限られたマイナー試験くらいじゃないかな〜と思っています。

参考:各資格スクールの社会保険労務士講座(例)

LEC東京リーガルマインド
→合格講座、短期集中合格コース、出る順社労士必修講座解説講座などの一括セットの他、法改正や白書、一般常識等に絞った単科の講座も多い。通信・通学どちらも可能。

資格スクエア
→オンラインで受講できる講座。充実したインプット・アウトプット講座が低価格で受講できる。

フルカラーテキストの社労士試験講座【アガルート】
アガルートアカデミー:社会保険労務士試験|直前対策講座
→オンラインで受講できる社労士講座。必要なものに絞られた講座で合理的な学習が可能。

コメント

  1. しがないサラリーマン より:

    情報収集して講座を受講したとしても、仕事なのか家庭なのか難易度なのかは、わかりませんが途中で消える方をいろいろ見ました!!(笑)

    ある意味、程々の情報収集で飛び込むというか、腹をくくる方がいいのかもしれません。

    自分は運良く2回目で合格したからよかったのですが、社労士クラスの資格だと、撤退の時期も悩みます。
    家族からの圧で、次がラストチャンス位言われないとって感じでしょうか?(笑)

    • miwa@管理人miwa@管理人 より:

      しがないサラリーマンさん
      途中で消える人、確かに多いですよね(でも数年後に復活する人もそれなりにいるような気はします)
      情報収集をどこまでしたらいいのか、その線引きはなかなか難しいですね。
      ある程度試験慣れしていれば、試験を受けるうえでは何が必要なのかわかっているので、効率よく且つ必要なものをうまく抽出できるようになるのですが、慣れていないうちはその匙加減が難しいかなと。
      難関試験は撤退のしどころも難しいけど、ある程度頑張ってきている人ほど、諦めようにも諦めきれないって感じですかね。

  2. sinnchan より:

    今年の社会保険労務士試験を受けるため勉強を1月頃からスタートしたのですが、実父の急逝と職場の人事異動による多忙さのため、撤退の時期を見失ったのが私でございます・・・(汗)。既に受験申し込みもしてしまったので、こうなったら今年は科目合格?を狙うしかないと半ば諦めモードに入っていますが(悩)。

    • miwa@管理人miwa@管理人 より:

      shinchanさん
      あらららら!それは大変ですね。
      科目合格はないけど、せっかく申し込まれたのですから、とりあえずできることをやる(来年につなげる)という感じでしょうかね。社労士は中途半端な勉強のうちは点数が伸びないので、2~3科目だけ徹底して勉強してみるとか、そういうのもいいのかもしれないですね。そしたら次の年は、これだけ勉強したらほかの科目も点数が取れる、という見通しが立てられそうです。

  3. 88_73 より:

    正にAP受験で同様の心境に有る私です。
    あまりにも試験範囲が広すぎて、このコメントを書いている日の翌日が本試験なのに、未だに午前分の過去問を回していて、午後問題は1回やっただけで終わっているのが現状です。

    ただ、午後問題に関しては、過去問そのものが出ることはなく、毎回異なる内容なので、丸暗記しても意味がなく、結局は午前試験での知識がベースになってしまうため、それを重点的に復習しておくことが重要なのですが・・・
    結局、過去問を漁れば漁るほど、見たことのない問題ばかりで、「青天井」と「底なし沼」の両方の中を右往左往している気がしています(汗)。
    学生さんだと放課後とかに対策講座があったりして万全の体制で臨めると思うのですが、社会人だと有料講座はあっても、結局通えない、時間的に無理・・・

    年齡も重ねているので、あまり無理するもんじゃないな、とも思い始めてます。

    • miwa@管理人miwa@管理人 より:

      88_73さん
      う~~~ん。確かに、応用情報って何気に範囲広いですよね
      (正直リベンジの意欲がわいてこないです)
      仮に、どんな問題がでてもOK!万全の体制で挑もうとしたら、3~6か月くらいは必要なんじゃないでしょうか。
      基本情報もそうでしたけど、応用情報も、ある程度、頻出論点に絞るとか、得意なところで稼ぐor苦手論点は捨てる、くらいじゃないと短期合格は難しいと思います。
      社会人は満点合格は諦めて、60~75%のところで妥協するしかないかなって感じ。
      それこそ、情報処理なのだから、試験に出そうな情報を抽出する能力(取捨選択)が必要と考えればいいのかもしれないです(笑)

  4. ロック より:

    こんばんわ
    社労士試験についてなんですが
    予備校を使う場合ってがっつり通う形がいいのか
    通信などがいいのかどっちが
    最適なんですかね?

    • miwa@管理人miwa@管理人 より:

      ロックさん
      予備校でも通信でも、一定量の勉強がきちんとできたら、どちらを利用しても合格できると思います。
      ただ予備校はお金はかかりますけど、自習室が使えるので、家ではどうも集中できないな~というときに便利でしたし、講師にわからない問題の質問ができるのはよかったです。
      (2・3年目は独学に切り替えて、法改正と白書だけ通信を利用しましたが。)

      • ロック より:

        アドバイスありがとうございます!
        やはり予備校はいいメリットがありそうですね
        また、白書系はきついのでそれのみ
        通信を使うと言うのも斬新ですね
        参考になりました

      • miwa@管理人miwa@管理人 より:

        ロックさん
        とりあえず過去問とテキストをやってみて、それから判断してもよいと思います。
        どうにか頑張れそうだなと思ったら独学でいけばいいし、これはちょっと手に負えないなと思ったら予備校の力を借りる(直前講座や模試などを利用する)というのもありなんですよ。

  5. MT より:

    おはようございます。
    miwaさんがおっしゃること、参考になりました。
    私の場合は、慎重に資格試験の情報収集をすることが多いですね。
    しかも計画を練りに練りまくるので、
    情報収集の時点で失敗することは、非常に少ないです。

    にも関わらず、『国内旅行業務取扱管理者試験』につきましては、
    見切り発車で始めてしまった感は否めません。
    資格学校等のセミナーで、試験内容は把握しておりましたが、
    料金計算の問題で、つまずくことになるとは、
    予測すらしていませんでした。

    さて、私も最近は、独学が多くなりました。
    が、資格学校等で公開模試が存在している場合は、
    出来る限り受験するようにしております。
    公開模試だけでしたら、さほど受験料はかかりませんので(←コラコラ!)

    • miwa@管理人miwa@管理人 より:

      MTさん
      最終的にはその試験に合格することが目的なので、今では「合格するためには何をどれだけ勉強したらいいか?」をできるだけシンプルに考えるようにしています。何も考えないで情報を集めていくと、どうしても肥大化しがちですからね。
      (気になってあれこれと調べてしまう)
      最初必要なことを収集したら、あとはやりながら考えていく、修正点があったら修正すればいいのではないでしょうか。
      特に門外漢の試験の場合、最初から何もかも完璧に学習計画を立てられるわけがないんだから、だったらまずはどんな問題が出るのかを確認してみよう、って感じでやってます。

  6. 平成27年度東北8 より:

    miwa師匠コメントヨロシクお願いいたします。
    先日AFPの教材が届き、miwa師匠のおっしゃる通り、すぐに取りかかりすぐに提出したら認定研修修了証が送られてきました。確かにこれを1年も引っ張ってたら時間がもったいないですね。miwa師匠のブログ読んでて良かったです。
    さらにCFPの過去問も購入しやりはじめましたが、6月の試験は期限に間に合わないので11月になってしまいます。半年もあるのでFP1級も受けちゃえって感じなんですけど、まだFP1級の問題見てない状況でいうのもなんですがやってみようかと思います。 また、社労士とFPは内容がかぶる部分が多いのでしょうか?FPのあとは、いよいよ社労士行っちゃおうかとも思ってます。 社労士の事を調べすぎると引いてしまうかもしれませんが、調査士の時は測量士補の延長で、イケイケでよく調べもせずに高い教材購入して失敗しました。ご教示よろしくお願いいたします。

    • miwa@管理人miwa@管理人 より:

      平成27年度東北8さん
      AFP早っ!!でもこれでCFPの受験資格ができましたね!

      社労士とFPは試験内容が被るところは、ライフプランのところですね。
      社労士合格レベルの実力があったら、FP1級にしろCFPにしろ、学科試験は得点源になると思いますけど、そのために先に社労士を取る…のは負担が大きすぎると思います。
      それなら銀行業務検定の年金アドバイザー3級のほうがまだ現実的ですし、ゆくゆくは社労士試験の年金科目のベースを作る意味でも、おすすめです。
      ちなみにFP1級学科(基礎・択一)のレベルは、おおむね宅建(旧主任者)と同じくらいです。
      それが6分野寄せ集められているので、関連資格を持ってる分野は得点源にできるけど、そうじゃない分野は結構大変でしたよ…。

  7. りゅう より:

    とりあえず
    やってみよう(๑•̀ㅂ•́)و✧

    やってみたのが
    国内最高峰レベルの試験なら
    どうすれば、そこまでいけるか
    考えよう←

    ・・・その瞬発力あればいいんですが
    ナカナカね?

    • miwa@管理人miwa@管理人 より:

      りゅうさん
      そう、まずは過去問を買ってみて、どんな問題が出るのかを調べるだけでもいいんですよ。
      買わなくても、試験実施団体のサイトで見ることもできますしね。
      あとは試験実施日と、申し込み期日をgoogle scheduleに登録しておくのです…。

  8. ちゃる より:

    こんにちは。
    なかなかこういう情報開示をされる方は苦労した分、試行錯誤しながらも難関試験に合格されたんだなと思い読ませていただきました。
    「情報収集」はほどほどにというタイトル通りです。
    ネットでいろんな情報が飛び交う中で取捨選択する能力を身につけないと資格学校や通信教育で高い費用を費やして合格できる気になってしまいがちになる人も大勢います。
    私は独学で取得することが圧倒的に多いです。たまたま、高校が工業高校で在学中に第二種情報処理技術者(今のFE)を取得し、特待生入試で私立の工業大学に入って大学2年の時に第一種情報処理技術者(今のAP)を取得し就職しました。就職してから資格手当が毎月貰える制度でしたが、IPAがシラバスの大改正をしたため3年前に春期にAPを受験して4か月勉強の後、無事合格。現在も資格手当をもらっています。
    宅建、FP2級、運行管理者、衛生管理者、メンヘルⅡ種などを取得しましたが資格学校等に通う必要があるのかな?と思っています。
    社労士は長期プランを立てて戦わないと厳しいです。
    社労士試験だと山川、IDEの利用者が多いのも事実ですね。
    昨日もタリーズに行ってPC作業していましたが社労士勉をしている人が2人いましたよ(汗)

    • miwa@管理人miwa@管理人 より:

      ちゃるさん
      スタートダッシュはよかったんだけど、やっぱり大変でした。
      基本書にライン引きすぎて読みにくくなって、結局また同じ基本書を買いなおしましたしwww
      でも最初の情報源をある程度絞っていたので、難関試験の合格実績が乏しい割には、勉強法ではあまり迷わなかったと思います。
      1年目にスクールに通ったとき、勉強の方向性は間違っていないことがある程度裏付けが取れたというのもありますし。
      (ただ、方向性は間違っていないけど、もう少し確実に、正確に知識を抑えないとダメだなとは思いましたが)
      資格スクールに通う必要があるかどうかは、試験によりけりかなぁ…。
      簿記とかは勉強場所を確保する(自習室を借りる)観点からすると、通ったほうが楽かもと思ったりします。
      電気工事士の技能なんかも、工具を扱ったことのない初心者だったら、講習に通ったほうが手っ取り早かったりしますしね。
      社労士の勉強をされている方、私も通勤中にちょくちょくお見掛けしますよ。
      そういう方をお見掛けすると、「大変だと思うけど頑張って」と心の中でエールを送ってます。

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