「笑ってコラえて!」の「結婚式の旅(2020年2月5日放送)」に出ていた、大腸がんを患った花嫁・遠藤和さんの闘病日記です。
フト、「そういえば『笑コラ』に出ていたのどかさんは今どうしているのかな…」と気になってinstagramを検索したら、残念ながら今年の9月8日に亡くなられたとのことでした。
さてこの本は、のどかさんご本人が書かれていた日記をもとに編集された本です。
絶対癌を治したい、治療を頑張る前向きな気持ちと、抗がん剤による副作用や痛みなどの症状で、治療を投げ出したくなる気持ちの間で揺れ動く。
抗がん剤の辛い副作用に耐えているのに、効果が出ていない。
それどころか腫瘍マーカーの値が倍々ゲームのごとく増えていく。
使える抗がん剤が減っていくごとに寿命が削られていく恐怖感が、とてもリアルに伝わってきました。
のどかさんご本人による日記は、8月29日にいとこが遊びに来た日の日記が最後ですが、8月29日から9月8日までの最期の11日間ののどかさんの様子を、妹さんが書かれています。
この、姉が1日ずつ、少しずつ死に向かっていく様子をつづった、妹さんの手記が、とても悲しくて切ないです。
本を読んで泣くことはめったにないですけど、9月8日、つまりのどかさんが亡くなる直前の様子には、思わず涙が流れてきました。
あと、妊娠したことをinstagramで報告したら、「子供がかわいそう。 そもそもそんな身体で子供なんか望むんじゃねえよ。 」「障害児確定ですね。産んで終わりにしないでください。 」といった中傷コメントが送られてきた話。
こういうコメントを直接本人に送る人、やっぱりいるんですね。
そりゃ大腸がんのステージⅣで根治が難しい状況にある人に対して、妊娠・出産を手放しで賛成できる人は殆どいないと思います。
自分の身内や友人がそのような状況だったら、「気持ちはわかるけど、まずは1~2年治療に専念して、それから子どもを作るかどうか考えても遅くないんじゃない?(まだ若いんだし)」的なことは言うと思います。
それに結果論ですが、もし妊娠・出産で抗がん剤治療の中断をしていなかったら、両卵巣に転移した腫瘍の摘出も含め、もう少し長く生きられたんじゃないか…とも感じました。
ただ、当のご本人は、自分の命を犠牲にしてでも、子供を産むこと・ママになることだけは、どうしても譲れなかったのだろうと思います。
そのことを自分本意だとかワガママだという人もいるかもしれないけど、ある意味、生物的な本能だとも感じました。
また、子どもと遠藤さん、子育てや介護をサポートしてくれたご家族が居てくれたからこそ、最後の最後まであきらめず、辛い治療も頑張ってこられたのではないかとも思うのです。
だからこそ、お子さんを出産をしたことは間違いだったのか?
かなりの確率で物心つく前に亡くなるのがわかっている母親のもとに生まれたお子さんは不幸確定なのか?
それは、残されたご主人と家族、将来の娘さんがどう感じるかであり、またこれからどのように娘さんを育てていくかでも変わってくると思います。
少なくとも、今のところは、これが答えではないでしょうか。
がんの治療を休止して、自分が生きられなくなったとしても子供がほしいと強く願ったのは、和です。最初は和です、と言うべきですね。僕も賛同しました。身勝手だとか、産んでおしまいにするなとか、いろいろな批判があったのは知っています。そんなことは百も承知で、僕たち2人は、考え抜いて子供をもつ選択をしました。 和を喪ったいま、そばにいてくれる娘が、どれだけ僕の救いになっているか。言葉では言い表すことができません。卵子凍結に反対したこともありましたが、それでも諦めずに説得してくれた和には、感謝の気持ちでいっぱいです。
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