電卓は、ただ単に足す、引く、かける、割るだけではなく、メモリーキーやGTキー、定数計算などが使いこなせるようになることで、より早く・正確に計算できるようになります。
※管理人はカシオ製の実務電卓を使っていたので、カシオ製の電卓のキーを例に説明します。
実務電卓の機能自体は、カシオ製・シャープ製・キャノン製どれもそれほど大きな違いはありませんが、電卓の機種によってキーの名称が違う・微妙に操作が異なっているところがあるので、詳細は使っている電卓のメーカーのサイトで確認するようにしてください。
★電卓の使い方
○メモリーキー
M+(メモリープラス):直前の数値または計算結果をメモリーに足す時に押します。
M-(メモリーマイナス):直前の数値または計算結果をメモリーから引く時に押します。
MR(メモリーリコール):これまでのメモリー計算の結果を呼び出します。
MC(メモリークリア):これまでのメモリー計算の結果をクリアします。
例1
@100×100個=10,000円 M+
@120×100個=12,000円 M+
@110×100個=11,000円 M+
MR(合計)33,000円
例2
@100×100個=10,000円 M+
@120×100個=12,000円 M-
@110×100個=11,000円 M+
MR(合計)9,000円
○GT(グランドトータル)
「=」イコールキーを押し得た答えを自動的に合計する機能です。
製造原価の計算や商品の仕入(単価の異なる商品の仕入額)を計算する時などに使うと便利です。
例えば、
@100×100個=10,000円
@120×100個=12,000円
@110×100個=11,000円
(合計33,000円)
といった計算をするとき、(合計値を)10,000+12,000+11,000と入力するのではなく、それぞれの計算をし終えた後にGTキーを押すと、33,000円と表示されます。
○AC・C
AC(オールクリア):今まで入力していた数値をすべて消す。
C(クリア):最後に入力した数値のみを消す。
※クリアキーの名称は、電卓によって異なります。
CとCE、CとCIとなっているものもありますし、C/CE(CI)というものもあるそうです。
ACを使うと「これまで=(イコール)で得た答え」がすべて消えてしまうので、GTキーを使って累積の計算をしている時は要注意です。
上の例で挙げた計算過程で、
@100×100個=10,000円
@120×100個=12,000円
@110×100個=11,000円
合計33,000円
一つ目の100×100=10,000の次に、120×100と入力したいのに間違えて120×1000と打ってしまった場合、「あ~間違っちゃった!」とACを押してしまうと、前に計算した100×100の答え「10,000」も一緒に消えてしまいます。
でもここでCを使えば、直前に入力した1000のみが消えるので、落ち着いて100を入力しなおすと累積計算の続きができます。
累積で数値を計算してる際中に数字の入力を間違えた時は、できるだけACキーを使わないようにする、ということが大事です。
数値の入力を間違えたときはC(クリア)を使い、必要なところだけAC(オールクリア)を使う癖をつけるようにしましょう。
そんな管理人miwaは、恥ずかしながら、2017年の電卓検定1級・段位の受験前までは、ほとんどACキーしか使っていませんでした。
(GTキーをほとんど使ったことがなくて、メモリーキーしか使っていなかった)
おかげで、電卓検定の乗算・除算の問題を解くとき、「ACではなくCを使う」というのを指に馴染ませるまでが結構大変でしたよ…。
つい癖でACを押してしまったときの悲しさといったら(´;ω;`)
○定数計算
決まった数字を連続して計算したいときに使います。
電卓検定では定数計算を使う場面はないのですが、工業簿記(原価計算)で、製造原価の計算をするときによく使います。
日商簿記3級で使う場面は殆どないかもですが(多分)、日商簿記2級・1級・全経簿記上級などを受ける際には覚えておくと便利です。
(例)労務費@1000円/時間を配分する。
A製品 10時間
B製品 15時間
C製品 20時間
1000 ××
10 = 10,000
15 = 15,000
20 = 20,000
GTを押すと、45,000が表示される。
○桁下げ
(0を一つ多く入力したので)一桁落としたい時、間違った数字を入力してしまった時に、後ろから一字ずつ消すことができます。
パソコンのBackSpaceキーと同じ機能です。
これも地味によく使うキーです。
○サインチェンジ
マイナス・プラスを入れ替えるキーです。
電卓検定では使わないけど、簿記検定ではこのキーをよく使います。
(減価償却の定率法やリース会計、損益計算書の利益の計算など)
○ラウンドセレクター・小数点セレクター
ラウンドセレクター
F:ディスプレイに表示できる桁いっぱいまで表示しますので、小数点セレクターは効きません。
CUT:小数点セレクターで指定した桁で切り捨てます。
UP:小数点セレクターで指定した桁で切り上げます。
5/4:小数点セレクターで指定した桁で四捨五入します。
小数点セレクター:小数点の位置を表しています。
ラウンドセレクターと小数点セレクターの組み合わせで、小数点以下の表示が変わります。
これは電卓検定では必須機能ですが、簿記検定では、自分の場合は敢えてこの機能を使用しないことが多かったです(もちろん使えるなら使ったほうがいいのでしょうが)。
というのは、小数点の端数処理指示がない問題で小数点が出るのは、計算ミスをしているor問題文を読み間違えて違う数値を入力していることがほとんどなので、小数点が表示されることによって、計算ミスに気づくことも多いからです。
(最初から端数が処理された状態で答えが出ると、計算ミスを見逃してしまう可能性がある)
ただ、「あれ?電卓の表示がおかしいぞ!?」という時は、電卓の故障ではなく、単にセレクターの位置がズレているのが原因だったりすることがありますので、このセレクター機能がどういうものなのかは知っておいて損はないです。
そして、本試験の直前(問題を解く前)には、セレクターの位置が間違っていないかどうかをちゃんとチェックしておくようにしましょう。
バッグの中で、セレクターの位置がずれてしまうことがあるからです。
実際、日ビ簿記1級を受けたときは、あれ?なんか表示がおかしいなーと思ったら、セレクターが3にズレてました…。
参考:テキスト・問題集・スクール講座へのリンク
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コメント
おはようございます。
私もCASIOの電卓を使用しておりまして、
××と%機能の使用頻度は高いです。
簿記の試験では、あまり登場しませんが、
複利計算にも役立ちますので………。
ちなみに、全経の簿記能力検定試験(主に工業簿記)では、
割り切れない問題が出題されることが多いようです。
MTさん
FPの試験とかだったら、複利計算では役に立ちますよね。
というか簿記では複利計算って出ないか…。
割り切れない問題が出るときは、たいてい端数処理の指示が出るはずですよ。
逆に言えば、その指示がないときに端数が出るということは、かなりの確率で計算を間違えているとも言えます。
役に立つ知識のご提供ありがとうございます。
1週間前に151回2級試験を受けに行って玉砕しました
ツイッターで話題になっている大問3以外に
大問5の材料費の期末残高を電卓で打ち間違えて1桁ずれた結果
2問目以降が全て×かつく結果に
もう、大問3の連結決算(子会社2社:1社目が買収時期が4期前の80%保有で、2社目が完全子会社、親会社⇔各子会社+子会社同士の取引あり)を無視して
4大問(80点)で-10点以下になるよう確認していたほうが良かったかな?
神狩屋さん
どういたしまして。
151回はとんでもない地雷回だったようですね(お気の毒です)
大問5は残念でしたね。大変もったいない!
2時間の時間内で解くことを考えると、確実に解けるところをピックアップするのも大事になってくると思います。
連結はとりあえず親子間・子会社間取引の相殺だけでも何点かもらえるとは思うので、そこで数点を確保し、残りの第4問で70点を稼ぐのが、現実的な戦略でしょうね。