本彫りが終わったので色塗りに入ります。
まずは、漢字部分(金箔をはる予定のところ)の和紙をはがしたら、朱墨を塗っておきます。
これは彫り残してるところがないかを確認する意味もあります。
背景は「ビリジアン(青みがかかったくすんだ緑色)」を塗りました。
この画面だとわかりにくいかもですが、同じ青緑色でも、ピーコックブルーは青が強くて、ビリジアンは緑が強め。
今回の作品のイメージは、「吹き荒れる風にも耐えられる強い雑草」ですので、背景は緑系統の色と最初から決めていました。
でも、一口に緑といっても結構いろんな色がありますよね。
千歳緑かビリジアンのどっちにしようかで迷ったんですが、ビリジアンを選んだのは、ビリジアンは赤や黄色(金色)と相性がよいので文字(金箔)が引き立つこと、自然界の緑に近い色が表現できるからです。
落款の背景にはチャイニーズレッドを塗っています。
今回は落款は比較的大きいサイズだったので、凸彫り(陽刻)で彫ってみました。
箔貼り
漢字の部分に金箔を載せます。
まず、金箔を載せる部分はヤスリで表面を綺麗にします。
コレをやるのとやらないのとでは、箔を貼った後の綺麗さが変わってくるのです。
カシュー(合成漆)を指で薄ーくのばして、指の腹でポンポンと叩いていきます。
カシューは程よく薄く延ばすこと、背景部分にカシューを落とさないように気を付けます。
叩く音と人差し指の触感が変わったら(指に板がくっつくような感じに変わる)金箔をのせます。
今回は金箔(約5センチ四方)を10枚(!)使用しました。
金箔をはり終えた直後(実際にはこのくらい緑っぽいです)↓
向かいに旦那の作品が見えてますね(ちょうど金箔を貼ってる真っ最中だった)。
2~3日するとカシューが乾くので、柔らかい絵筆で余分な箔を払って落としつつ、掃除機で吸い取って綺麗にしてやります。
箔を落とした直後↓
箔貼りが上手く行ったかどうかは、カシューが乾いて余分な箔を落としてみないとわからないので、落とす作業の時はちょっとドキドキします。
今回は、箔を貼り直さなくてはいけないレベルのミスはなく、落款も綺麗に金箔が貼れていてよかった~!
あとは色を塗り残している部分を補修。
細いところは筆じゃなくて爪楊枝を使って色を載せています。
この写真ではわからないかもですが、板を回転させていろんな角度から眺めてみると、塗れてないところが意外とあるもんですよ_| ̄|○
今回は額に入れないので、箔落としが終わったら完成です!
梱包・発送の前に、作品の後ろとサイドに、出品票などの書類をいくつか張り付けます。
なお、通常は額または作品の後ろに吊カンを取り付けますが、毎日展では不要です。
ただ、作品の重量が6キロ以上ある場合はヒートンなどの吊り金具などを取り付ける必要があるようですが、この作品はおそらく6キロ以下だろうと思われるので、金具は取り付けませんでした。
もう来年の話になるけど、来年もまた漢字と刻字をダブルで出品するかどうかは正直未定です。多分出品するとは思いますが。
ただ、また刻字を出品するとしたら、来年は60センチ四方の正方形の作品を作りたいかな。
なぜかと言うと、二尺×八尺の画仙紙を切った余り紙(約60センチ四方)が数十枚あって、その使い道がなくて持て余しているからです。
捨てるにはもったいないし、でも普段の月例課題などで使おうにもサイズが合わなくて使えないしで、結局捨てられないまま押し入れの中で眠っているというw
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