楷書規定課題「自滿任筆爲體」(書譜)

自ら満てりとし、筆に任せて体を為し
左側の字が縦長になりやすいので、いかに上2文字の縦スペースを詰めるかがカギでした。
筆は草かんむりで間違いじゃね?って思っちゃうけど、書写体には一応こういう字もあるようです。
随意課題「表正。空谷傳聲」(真草千字文)

今月は真草千字文のほうを提出しました。
原帖では聲の字が結構縦長なので、上2文字を普通に書くと下の字が入らない。そのため上2文字は上に詰めて下の字を確保する工夫が必要でした。
実用細字部(書譜の読みくだし文)

原文は「可謂鍾張云没。而羲献継之。又云。吾書比之鍾張。鍾當抗行。」の部分ですね。
文字の大きさはともかく、行間の取り方と末尾をそろえるのが難しいです。調子にのって大きな字を書いたら左の名前が入らなくなっちゃうしね。
仮名部

「冬ごも(毛)り(利) またよりそ(所)は(盤)ん この(能)は(者)しら(羅)」
短歌を散らし書きするときは、必ずしも五・七・五で区切ってないんですよね。
墨をつぐ位置とかそのあたりの工夫が必要です。
ペン字規定・随意・はがき

「卓越した人間は苦悩を通じて歓喜を受け取る」
はがきは「京の手仕事」(表具師 中島近)から。
規定と随意はともかく、はがきのほうは行間の取り方がかなり難しかったです。(硬筆書写の第3問みたいな感じの課題ですけど、あっちの方は縦に罫線が入ってるからなぁ)
条幅(楷書千字文)

天地玄黃 宇宙洪荒 日月盈昃 辰宿列張 寒來暑往
11月提出分から、吉田栖堂先生(玄海社の創設者)の三体千字文を手本にして条幅を書くことにしました。書いてみると、空間の取り方やラインの整え方に味があって美しいなぁと思います。(私の書いたものが美しいという意味じゃなくて手本が美しいという意味である)
楷書なので、多分左右がそろってる方が良いのでしょうが、漢字字体の幅や縦の長さが違うので、必ずしも左右をそろえなくてもいいのかもしれません。とはいっても、あまりズレているのもおかしいので、合わせられるところで合わせるという感じでしょうか。
12月号の写真版は、楷書規定課題と、随意課題の2枚が当選しました。

評:形意可。悠然とした結構は良好です。

評:丁寧に送筆し全体感よく纏めました。
11月分からは、昇格試験での新段位・級で出品です。
本当は創作条幅っていうのもあるけど、もうそろそろこれも取り組んでみたい。
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