【R4-3】硬筆書写技能検定1級を受験してきました!

今日は、八洲学園大学(横浜・高島町)にて、硬筆書写技能検定1級を受験してきました。※この日は午後から善行(藤沢)に向かう予定が入っていたので、神奈川(横浜)の会場を選びました。

前回(昨年6月)の準1級は、毛筆書写準1級と併願しましたが、今回は硬筆のみの受験にしました。8月から1月の1級に向けての準備をするとなると、理論も実技も準1級より難易度がアップするので、毛筆1級と一緒に練習するのはさすがに負担が大きすぎる&間に合わないと判断したからです。

教室内は、1級受験生が5名、準1級受験生が6名、2級受験生が15名いました。欠席してる人は2〜3人程度で、女性率が高かった気がします。

今回は、二人がけの長机に、一人ずつ座席が割り当てられていていました。(コロナ渦じゃなければ、おそらく二人がけだったのではと思われる)掲示文課題や理論問題では消しゴムを使うので、他人の消しゴムの振動が来て字がズレたら嫌だろう。

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実技編(※画像は1級の過去問からの引用です)

10時になったら、問題用紙&解答用紙、下敷き用紙が配布され、説明が開始されます。

第1問:速書き

4級以上の受験生が全員一斉に、最初にこの問題からスタートします。
最初の1分で文章を黙読し、4分以内で、指定の枠内の文章をすべて書ききります。
筆記用具はボールペン指定です。

ところでこの問題、文章を最後まで書ききれなかったら、最低点(60点)しかもらえません。
その時点で事実上即不合格になります。
(60点がついてしまうと、他の問題で高得点をとったとしても合格点に届かないため)

1級の文章は約145字程度あります。
文字数が増えるだけでなく、難しい漢字(画数の多い漢字)や用語も増えるので、その分枠内の文章を読む時間がとられてしまいます。
かといって乱雑に書くと当然評価は下がる(汗)
本番、なんか気持ちが焦ってしまって、誤字が2箇所…。ここが点数にどう響くか。

第1問が終わったら、問題用紙兼解答用紙が回収されます。それから第2問以降の回答を始めます(これ以降は回答の順番は自由です)

第2問:楷行草三体

5つの熟語を、楷書・行書・草書の三体で書き分ける問題です。
準1級は熟語が4つで、難しい漢字は特に出題されませんでしたが、1級は当然出題される漢字のバリエーションが増えます。
今回は、5つ目の熟語の草書(徳)が、1級の過去問では見たことがなくて、浮かんでこなかった…。

もしかしたら他の級では出たことがあるかもだけど、今回の試験対策では殆ど練習したことがない。なので、知ってる草書体の漢字のパーツを組み合わせて、なんちゃって草書を書いて出すハメにw

第3問:縦書き(行書指定)

縦書きの文章を、行書で書く課題です。
漢字は行書指定、平仮名は行書に調和した形で、連綿を使用してもOKです。

第4問:横書き(楷書指定)

横書きの文章を、楷書で書く課題です。
漢字は楷書指定、平仮名やアルファベット、カタカナ、数字は、楷書に調和した形で書きます。

第5問:自由作品(書体自由)

A:和歌(仮名)、B:現代詩文(漢字かな交じり文)、C:漢詩(五言絶句)の3つから、一つ選択します。

私はCの漢詩を選択し、3行(7文字/7文字/6文字)に分けて、楷書体で書きました。
この課題は、鉛筆で枠線を書いて、その枠線の中でレイアウトを決めて書きます。
※枠線を書かないと規定違反になります。
字形だけでなく、枠線の位置、字の大きさ、余白・行間の取り方も採点の対象になります。

第6問:掲示文

カルチャー講座やイベントの案内文などを書く課題です。
準1級と同じ形式の問題ではありますが、準1級に比べると使われている漢字や案内のバリエーションが増えます。
平成後半は準1級と同レベルの問題でしたが、令和に入ってからの問題は、昔(昭和~平成初期)の出題傾向の要素が少し取り入れられている印象を受けました。

理論編

第7問A:旧字体
常用漢字を旧字体に書き換える問題です。
準1級までは、旧字体を常用漢字に直す問題だったのですが、1級は逆になります。

第7問B:書写体
常用漢字を書写体に書き換える問題です。
準1級までは、書写体を常用漢字に直す問題だったのですが、1級は逆になります。

書写体も、一つだけ練習したことない漢字(勅)が出て、苦し紛れに適当に書いたら、やっぱり間違えたっていうねwそりゃ書けなくて当たり前である。

第8問A:草書を読む
1級は、ペン字体で書かれた草書1文字を読む問題が5問出ます。
準1級は書譜や十七帖、真草千字文から5文字を抜粋しての出題だったので、文脈から文字が推測できることもありましたが、1級は5文字間の脈略がないので、ピンポイントでその字が読めないと答えようがないのが難しいところです。
ただ、準1級の草書読み問題は、回ごとの難易度差(当たり外れ)が大きかったですが、1級は回ごとの難易度差は小さいように感じました。

第8問B:仮名の古筆を読む
準1級と同様、仮名の古筆の横に、読み方を書いていく問題です。
今回は伊予切から出題されました。2箇所ほど変体仮名の読み方で迷った部分はありましたが、家に帰ってから法帖を読み返したら正解していたようなので、これはおそらく大丈夫でしょう。(関戸本古今集から出なくてよかった!)

第9問A:添削
書き方のまずい箇所に矢印を入れ、正しい書き方に改める問題です。
これは硬筆1級でのみ出題されます。
基本的には、教育漢字の楷書体が出題されます。今回はどれも過去問でみたことがあるパターンの問題だったかなと思います。

第9問B:書道史
筆者名と作品名を結びつける問題です。
準1級は5肢5択問題だったのが、1級は5つの問題に対して8択から選ぶ方式になっています。
ダミーの作品名が3つ混じっていますが、作者名が不詳とされている作品はその時点で正解になりえないため、ある意味ラッキー問題だったりする。

作品名の選択肢のうち「白楽天詩巻と元永本古今和歌集の筆者って誰だったっけ?(どっちが藤原行成の作品だったっけ?)」と迷ったけど、多分5問とも大丈夫そうです。

第10問A:常用漢字の訂正
文章中、誤りの漢字や書写体になっている漢字を、常用漢字の字体に書き換える問題です。
これは硬筆準1級と全く同じ問題が出題されます。
(準1級が実施されていなかった時代は、2級と同じ問題だったようである)

第10問B:歴史的仮名遣いの訂正
硬筆1級・毛筆1級の理論で出題される問題です。和歌2首のうち、歴史的仮名遣い上での誤りが5か所あるので、5か所を訂正します。

どちらの和歌も過去問で見たことがあるものだったと思うんですが、もしかしたら一箇所間違えたかもしれない!?

実技の出来栄えはどうだったのかというと、第3問〜第6問は、11月に提出した書写能力診断テストと同じくらいの出来栄えだったと思います(第3問での指摘事項=字間の広さは改善されていると思うけど)。

なので実技の合格は、速書きの誤字と、草書(苦し紛れにかいたやつ)でどこまで減点されてしまうか次第でしょうか。う〜〜〜〜ん、微妙!!

あと、実技の合格基準点は535点/理論の合格基準点は315点で固定されていますが、合格率は回ごとの変動が少ないんですよね(どの回も概ね10%程度)。

ただ、オール記述試験で、試験結果が通知されるまでのスパンが約1か月程度ということを考えると、普通に採点して合格ラインに達した人の人数が10%を大きく超えるor下回る時に、実技の採点に調整が入るのかな?と推測します。

理論の方は満点は無理だったが、合格点を取れていると思うので、科目合格は大丈夫でしょう。
今回仮に不合格だとしても、次からは実技だけでよくなるはず!

で、約4か月半後の6月試験に向けて、毛筆1級の準備を始めるか、それとも硬筆1級の練習を継続するか。

ただ、少なくとも、今からでも毛筆1級の準備に着手しないと、6月の試験には絶対間に合わない。
なお、併願は 絶 対 に しません。
昨年の準1級ダブル受験では、毎日展・昇段試験・書写技能検定の3つが重なって死にそうだったからです(苦笑)

今回の結果通知はおそらく2月末に来るでしょうから、それまでは毛筆1級対策に専念したいと思います。
仮にダメだったらその時点で硬筆1級の練習に切り替えればいいだけの話だしね。

2023.2.24 結果通知が来ました↓

コメント

  1. MT より:

    おはようございます。
    遅くなりましたが、硬筆書写技能検定1級試験お疲れ様でした。
    miwaさんが合格されることを心よりお祈りしております。

    >文章を最後まで書ききれなかったら、最低点(60点)しかもらえません。
    その時点で事実上即不合格になります。
    このような制約がある試験は、あまり聞いたことがありません。

    追伸:私は2月12日の試験(ご当地検定)に向けて、勉強中です。

    • miwa@管理人miwa@管理人 より:

      MTさん
      ありがとうございます。
      書写技能検定は単純に100点~0点で採点されるのではなく、6段階で評価されます。
      その6段階に対して点数が割り振られています。
      1級だと、6段階評価で5(92点)/4(90点)/3(88点)/2(86点)/1(84点)/0(60点)になるのかな。
      1級の実技合格基準点は535点なので、0(60点)が一つでもあると、他の5つが5(92点)だったとしてもトータルで合格点に届かない→事実上即不合格…となってしまうのです。

      2月12日のご当地検定って何の試験ですか?難しいやつなのでしょうか。
      頑張ってください。

  2. MT より:

    >2月12日のご当地検定って何の試験ですか?
    『北海道フードマイスター検定』です。
    合格率が30~40%程度で推移しているのにも関わらず、
    独学での合格は困難で、かつ、「北海道内のご当地検定」の中では、
    一番難しいと言われています。

  3. てん より:

    miwa様
    お誕生日おめでとうございました⭐︎
    資格試験勉強も常にされ、尊敬しかありません
    (同じ会場かな、とワクワクしていましたが、神奈川受験されたのですね)

    以前、書写検定表彰お祝いへのご返信も、ありがとうございました!私は管理業務主任者のリベンジ!とお礼も書かず失礼いたしました(また半端な勉強で−1点の不合格)

    次回は毛筆1級でしょうか?
    こちらで勉強させていただきたいですので、諸々ご更新、期待しております(私は硬筆1級、速書き震え過ぎ字にならず…第1問で「字形」指摘2回…また落としたはずなので6月!)

    • miwa@管理人miwa@管理人 より:

      てんさん
      今回は諸事情により、神奈川会場を選んでました。
      都内だとどこが会場に振り分けられるか受験票が届くまでわからないのと、藤沢まで行くのが不便なので、横浜の試験会場にしたのです。
      次は一応毛筆1級を受けるつもりでいますが、硬筆1級に合格できてるかどうか、結果が届いてみないと全くわからない(でも理論は多分大丈夫だと思う)ので、硬筆1級(実技)と毛筆1級対策を兼用できるものを中心にやっているところです。

      • てん より:

        miwa様
        お返事までありがとうございます!
        先のご予定まで把握しておられ、さすがです!

        書写検定、都内だけ、なぜ会場を公開しないのか不明ですね。今回、私は目黒駅ちかく「日本書道専門学校」で、長机1人1台で良かったです(初めて受けた時、豊島区の会場で2人で1台で、隣の方の消しゴムかけのタイミング合わず大変でした)

        「刻字」も素敵でやってみたいので、検定落ち着いている間にお教室探そうと思っています。
        miwa様の作品で、また目習いさせていただきます!(お返事には及びません)

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