
今日は品川エトワール女子高校(青物横丁)にて、硬筆書写技能検定準1級と毛筆書写技能検定準1級を受験してきました。
午前は硬筆の試験です。
試験室には1級・準1級の受験生が集められていました。
1級が14名、準1級が私をいれて15名。
全体的には女性が約8割、年齢層は20~50代と幅広めでした。
男子受験生は少なかったですけど、会場が女子校故に男子トイレが少ないのか、試験教室は5階なのに、男子トイレが2階しかないのはちょっと気の毒だった…。
さて、毛筆準1級のレベルは、「高校生・大学生・一般社会人程度:硬筆書写のより専門的な技術及び知識をもって書くことができる。」です。
試験時間は90分です。
実技編
硬筆書写技能検定は、解答用紙・問題用紙を持ち帰ることができません。
※以下の実技の画像は過去問の練習からの引用です。今回出題された問題とは文章が異なります。
「こういう形式の問題が出るんだね」っていうイメージだと思ってください(今回の試験の難易度とあまり変わらないです)
第1問:速書き

1分の黙読のあと、4分以内で、枠内の指定された文章を全て書ききる問題です。
これは受験生全員が、最初に一斉に取り組みます。
また、筆記用具はボールペン指定です。
級ごとに文字数は異なり、準1級では約135字の文章が出題されます。
(1級:145字、2級:125字、準2級:120字程度)
制限時間が終了すると、第1問の速書き用の解答用紙が回収されます。
第2問目以降は、どの問題からスタートしても構いません。
また、終了10分前までは途中退室も可能です。
第2問:漢字8字を書く(楷行草三体)

準1級は、2文字の熟語4つを、楷書・行書・草書の三体で書きわけます。(これは練習用紙なので、解答欄が2つありますが、実際には、問題は解答欄の左側にあります)
1ます1字ではなく、行の枠の中に記入するので、字の大きさ、熟語と熟語の字間・余白の取り方も大事になってきます。と言いつつ、この画像では字間がちょっと微妙ですがw
今回は、草書体でどうやって書けばいいかわからない字(つまり過去に準1級で出題されたことのない熟語)は出ませんでした。4問とも過去問で見たことのある熟語でよかった~~~!
第3問:漢字かな交じり文(縦書き)

漢字は行書指定、平仮名は連綿で書いてもOK。
実際の回答用紙の枠は5行で、左側に問題が書かれています。準1級は約55字(3~5行程度)を書きます。形式は2級・準2級・3級と変わらないです。
第4問:漢字かな交じり文(横書き)

約70字(4~5行程度)の文章を楷書で書きます。漢字・ひらがな・カタカナの他、アルファベットや数字も適度に混ざっているという感じ。形式自体は2級・準2級・3級と変わらないです。
この練習用の解答用紙は14行ありますが、実際には解答の枠は9行で、問題文は解答枠の上部に記載されています。
第5問:自由作品

a和歌、b現代詩(漢字かな交じり文)、c漢詩(漢字10文字)から一つ選択して、自分の得意な書体で書く課題です。
単純に字の綺麗さだけではなく、付置や字の大きさなども評価の対象となります。また、鉛筆で枠線を囲みます(忘れると規定違反になるので注意)。
私は練習ではb現代詩とc漢詩の2つを練習していましたが、最終的にはCの漢詩に絞って練習していました(本番も漢詩を行草体で書きました)。
現代詩だと、詩文の長さによって枠のサイズが変わるので面倒くさいですが、漢詩だったら文字数は10文字と決まっているので、練習の段階でレイアウトを決められるからです。※画像では、レイアウト枠以外のメモ書きを消し忘れていますが、提出する時は余計な線は消した方がいいでしょう。
第6問:掲示文(縦書き)

B4サイズの用紙に、カルチャー講座などの案内文を書きます。
3級・準2級・2級では横書きでしたが、準1級からは縦書きに変わります。
毛筆書写技能検定準2級・2級・準1級の掲示文課題に類似した課題なので、毛筆準2級以上を受験したことがある人は有利かもしれないです。
この問題だけは、筆記用具は油性マーカーまたは耐水性顔料マーカー指定です。
私はコピックを使いました。
文字の下書きはできませんが、レイアウト線の下書きは可です。
なお、下書き線は必ず消してから提出します。
コピックにしろ油性のマッキーにしろ、インクが裏移りするため、本番では、回答用紙の下にA3サイズの白紙(配布されます)を敷いて書きます。
理論編
理論問題は準1級からはオール記述式に変わります。使用できる筆記用具は自由です。
第7問:旧字体や書写体を常用漢字に直す(各5字)
旧字体・書写体それぞれ5文字を、常用漢字の楷書体に書き改める問題です。
平成27年度までは、常用漢字→旧字体or書写体に書き改める問題だったのが、平成28年度からは旧字体or書写体→常用漢字に変わったので、難易度が低下したといえます。
第8問A:草書5字を読む
書譜・十七帖・真草千字文などの古典からピックアップされた草書体5字を読む問題です。
今回は真草千字文から5文字出題されましたが、ぶっちゃけこの問題は対策が手薄になっていたせいで、スムーズに読めませんでした_| ̄|○ 実技を全部書き終えてからなんとか答えを捻り出したという感じ。
第8問B:古筆を読む
仮名の古筆を全て平仮名に書き改める問題です。
硬筆準1級では、高野切第一種、粘葉本和漢朗詠集、伊予切からの出題が多めです。今回は粘葉本和漢朗詠集から出題されました。
第9問A:書道用語・書道史(正誤式)
書道用語や書道史に関する○×問題が5問出題されます。
毛筆書写準1級と被る部分も多いです。ちなみに第9問Bでは、作者名と作品名を結びつける問題なので、作者不明の作品は出題されないんですけど、こちらでは作者名不明の作品についても出題されます。
第9問B:書道史
筆者名と作品名を結び付ける問題が5問出題されます。
(王義之:蘭亭序・集字聖教序・興福寺断碑など、褚遂良:雁塔聖教序、孟法師碑、枯樹賦、虞世南:孔子廟堂碑、欧陽詢:九成宮醴泉銘、顔真卿:争座位文稿、祭姪文稿、多宝塔碑など、藤原行成:白楽天詩巻、関戸本古今集、粘葉本和漢朗詠集、升色紙など)
毛筆書写技能検定準1級でも、同じタイプの問題が出るので、ここは一緒に対策しちゃうのが効率が良いです。
第10問:常用漢字の字体(誤字訂正)
文章のうち、常用漢字の字体ではない漢字を常用漢字の字体に書き改める問題です。誤りの漢字は10個あるので、10個書き改めます。これは平成29年以前の2・3級でも同様の形式の問題が出題されていました。
準1級の合格基準は 実技515点以上/600点満点(各問題平均して86点以上)、理論305点以上/400点満点(約76%以上)となっています。
約30分ほど時間を残して、途中退席。
理論は答えに迷ったのは真草千字文をよむ問題くらいだったので、トータルで見れば理論の方は合格点はクリアできてるはず。
実技も懸念していた草書体の熟語は4つともきちんと書けましたので、合格できているといいのですがね~~。次またリベンジ受験するとしても、また知ってる熟語ばかりが出るとは限らないわけですから。
どうなるかな!?
午後の毛筆編に続く!(明日か明後日には更新します)
コメント