8月の月例課題を6点(楷書・随意・研究・細字・仮名・条幅)提出しました。
楷書課題「田父有好懐」陶淵明 飲酒二十首9より
田父 好懐有り(百姓の親父さんが 何と私に対する好意から)
今回は比較的画数が少なめで、使われている漢字も易しめ。
ただそれでも、毛筆で書く場合には、難点はちょこちょこっとあります。
「父」の字の左払いと右払いが交差する位置、「懐」のりっしんべんの長さと点の位置など、ところどころでバランスがとりづらかったですね。
画数が少ないからこそ、線と線の間隔、ハネや払いなどをキッチリ書かないと上手に見えない、ちょっとしたミスが目立ってしまいます。
随意課題 「書何能悉」王義之・十七帖より
書、何ぞ能(よ)く悉(つく)さん
今月は4文字だけのシンプルな課題。
でもこれはこれで別の難しさがありますねぇ。「何」や「能」の筆の回転とかね。
逸民帖は今月で終わり。来月からは違う課題の臨書をします(張猛龍碑をやります)
研究課題 「仙道紆闊孰長」太宗皇帝・温泉銘
仙道は紆闊にして、孰(た)れか長齢を之れ希う可けんや。
「しんにょう、なんか1個多くない?」って聞かれそうだけど、これは原帖がもともとこうなっているというか、昔のしんにょうはそういう字だったんだよ…としか言いようがない…。
普通に書くと右下の「紆」の字がうまく入らないので、仙と道の大きさを調整してやる必要がありました。
仮名課題 高野切第一種
「あふ(不)みふり
あふみ(見)よりあさた(多)ちくれ(礼)は(盤)う(宇)ねののにた(多)つそ(曽)なく(具)な(那)るあ(阿)け(公)ぬこのよは」
高野切自体にはだいぶ慣れてきた感じはしますが、今回の課題は、た(多)ちくれ(礼)、く(具)な(那)への連綿が難しかったですね。
細字課題
「青楓江上秋天遠 白帝城邊古木疎」
(七言二句 高適)
今月は行書体です。先月よりは書きやすかったです。
ただそれでも、しんにょう(遠と邊)はちょっと書きづらかったですが。
手本を見ると、横線や縦線の入筆が逆筆になっているので、逆筆をうまく使うようにと言われました。
条幅課題
「磯根侵寒水 細草緑如髪 夜魚不受餌 石上坐秋月」
磯根(きこん)寒水を浸し 細草緑髪の如し 夜魚餌を受けず 石上秋月に坐す
(「釣磯」・李夢陽)
今回は久しぶりに楷書のお手本をチョイスしました。
昇格試験に向けて、1回くらいは楷書体の条幅作品を書く練習をしておいたほうがいいかなと。
昇格試験課題では行書や草書がうまく書けるかな…と心配しがちだけど、でも実は楷書の点数が合否の鍵を握っているそうです。
実際、昨年秋の試験でも、自分としては行書よりは楷書のほうが出来がよかったと思ったけど、フタをあけたら行書のほうが点数が良かったんです(うちの旦那も同じ)。
楷書でいい点数を取りたかったら、相当上手に書かないと、いい評価はもらえないみたいです。
この課題も、ただ綺麗に書くだけだったら、あっさりして物足りない、野暮ったい印象になってしまいます。
太くするところは太くする(縦線や折れの部分など)、右払いにボリュームをつける。
横線は復勢(弓なりの線)だけではなく、まっすぐ引く平勢を入れてシャープさを出すなど、工夫する必要があります。
8月号の写真版
今月は、随意・条幅・研究、そして仮名が写真に載っていました!!
仮名、キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!
仮名が写真に載るのは確か8級→7級の時が最後だったので、2020年3月以来ですね。
先生からは、「字をもう少し大き目にして、墨も濃いめに磨ってみたら?」と言われていたので、原帖よりも気持ち大きめに書くようにしたんです。
それが功を奏したのでしょうかね。
仮名は5級→4級に昇級です。次の昇格試験(来年3月)までにどこまで昇級できるかな!?
今月は書道に関しては比較的落ち着いた期間でしたが、来月からは昇格試験の練習が始まります。
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