全経簿記上級 独学でも合格できる勉強方法①まずは過去問をキッチリと

といってもギリギリ運良く合格しちゃった&日商簿記1級を敵前逃亡するような奴が言ってもあまり説得力がないかも、ですが(苦笑)

日商簿記1級や建設業経理士検定・銀行業務検定等の類似検定と比較しつつ、勉強中~合格後に感じたことをまとめてみましたので、今後受験される方に参考になれば幸いです。

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どんな試験?

全国経理教育協会が主催している検定試験の一つです。
簿記検定は4級・3級・2級・1級・上級と5つの級があります。

このうち、4・3・2級は商業簿記のみの試験です。100点満点中70点以上で合格です。

1級は商業簿記・工業簿記が出題されます。
それぞれの試験で100点満点中70点以上で合格です。
なお、片方の科目に合格してから1年以内にもう一方の科目に合格すれば、正式に1級合格となります。

上級は商業簿記・会計学・工業簿記・原価計算の4科目が出題されます。
各科目100点満点で、合計280点以上且つ各科目40点以上とると合格です。
上級に合格すると、税理士試験受験資格が得られます。
(*1級と違い、科目合格制度はありません)

試験は7月・11月・2月に行われます。なお、11月は上級の試験は行われません。
※試験会場によって実施級が異なるので、全経のHPにて要確認。

勉強法・使用教材など

使用したテキスト・問題集

サクッとうかるシリーズ1級商簿・会計セット(ネットスクール)
全経簿記上級出題パターンと解き方(ネットスクール)
全経簿記上級 商業簿記・会計学テキスト〈第4版〉(中央経済社)
全経簿記上級 原価計算・工業簿記テキスト〈第2版〉(中央経済社)

この過去問中心学習では、たまーに外すこともあるので合格率は100%とは言い難い部分もありますが、合格可能性を80%くらいにまで高めることはできます。

日商簿記1級ほど意表をついた問題は多くなく、全体的に見れば似たような論点が繰り返し出題されていますので、ネットスクール社、TAC、大原などが出版している市販の過去問(9回分収録+購入者特典DL3~4回分)を自力で解答できるようになれば合格点(280点&各科目40点以上)は取れます。

ところで、全経簿記上級試験は、中央経済社発行の全経簿記上級テキストが出題の元ネタとなっています。

なので過去問にプラスしてこのテキスト載ってる例題・練習問題が全部解けるようになればバッチリ!

…といいたいところですが、正直言うと中央経済社のテキストは学者が書いているものなので、中身は取っ付きづらいです(苦笑)
電車の中で読んでたら何度睡魔に襲われたことか…。

過去問の復習をするくらいしか時間もなかったし、結局のところは商業簿記・会計学テキストの1/3くらいしか読まずに170回試験を迎えてしまいました(勿体無い)

よって、「サクッとうかる」「とおるテキスト」「スッキリ」などの日商簿記1級対策用のわかりやすいテキストで基礎を固めたうえで、全経簿記上級特有の論点(連結精算表、本社工場会計など)と理論問題対策として、中央経済社のテキストの該当ページをチェックする、という形がベストですね。

※ネットスクール社が、日商簿記2級合格者向けの全経上級テキスト(日商2級合格者が全経上級に合格できるテキスト[商業簿記・会計学編]日商2級合格者が全経上級に合格できるテキスト[工業簿記・原価計算編] )を出版されたようです。書店でパラパラと読んでみたところ、中央経済社のテキストよりも読みやすそうです。

勉強期間

日商簿記1級の勉強の延長という感覚でやっていたので、日商簿記1級・建設業経理士1級の勉強期間とあわせるとトータルで半年くらいです。
この半年分のうち、純粋に全経簿記上級の問題集を解いていた期間は2か月半(3か月弱?)です。

※ただ、私の場合は他の資格試験の勉強による中断期間が長かったため、結果的に4回うけるハメになってしまいました。簿記一本に集中して勉強していればもうちょっと短く済んだと思います(資格マニアなもんで、勉強を一本に絞ること自体が難しいんだけどw)。

試験の難易度

資格スクール情報では、「日商簿記1級と同等だけど、日商簿記1級よりも合格しやすい」とのこと。

実際のところ、合格率は、だいたい16%~28%と、日商簿記1級(10%~13%)よりもやや高めです。
(受験生数は日商簿記1級のおよそ1/5くらいです)

私が受験してみて感じた難易度は、
日商簿記1級>>全経簿記上級>建設業経理士1級(3科目)≧銀行業務検定財務2級>>日商簿記2級>日商簿記3級

という印象です。

試験範囲は日商簿記1級とほぼ同じですが、全経上級はスタンダードな問題が多いので過去問レベルの問題が解けるようになれば合格点が取れるようになる、という印象です。
また、日商1級が100点満点(各科目25点満点)なのに対して、全経上級は400点満点(各科目100点満点)なので配点個所が多いのが特徴です。

特に税理士試験の受験資格がほしい人は、日商簿記1級ではなく全経簿記上級を取得するほうがずっと楽でしょう。
両方とも並行で勉強することで、日商簿記1級の勉強にも税理士の勉強にもつながると思うので、税理士受験生は全経上級の受験をお勧めします。

何をどこまで勉強すればいいのか?

合格点をとるためには、どのくらい勉強すればいいのか?
過去問9回分(=過去問題集1冊)を完璧に解けるようになること、がまず第一の目標というか目安になります。

出題分野との相性や得手不得手もあるので、過去問さえやっとけば絶対合格できる、とは言い切れない部分もあるのですが、「過去問9回分の問題を、答えを見ずに自力で記述解答できるレベル」になれば、(たとえ見たことのない問題があったとしても)本試験で280点は超えられる力はつく、と思います。

ただこの段階では、計算ミスがあったり、未出問題+苦手問題がタッグを組んでやってくると280点または足切ラインを切ってしまうこともあります。

逆に、問題が易しかろうが難しかろうが、最低でも過去問9回分の問題すら解けない状態では、勝負の土俵にすら立たせてもらえないと思ったほうがいいでしょう。

現に、自分の場合も過去問をやり切れない中途半端なまま受験した164回・165回試験は200点すら越えられませんでした。
過去問題集の問題を8割5分~9割は解けるようになった(パタ解き9回分+特典過去問4回分のうち概ね解けるようにはなったものの、一部の苦手論点を克服しきれなかった)168回試験では、230点で不合格。
再度過去問題集を復習して臨んだ170回試験で、ようやく286点をとることができました。

全経簿記上級は日商簿記1級と同様に出題範囲が広いので、日商簿記2・3級のように過去問題集のみで出題範囲の大半を網羅できるわけではありません。
また、問題との相性や難易度差などの運の要素にも左右されます。

じゃあどんな問題が出てもいいように、全範囲をまんべんなく網羅して、いろんな問題を解きまくればいいのかというと、それではあまりにも効率が悪すぎます(苦笑)ていうかそこまで勉強時間、とれないでしょ?

幸い、本当に難しくて誰も解けないような問題が出た場合、その問題については配点のウエイトが下がる傾向にあります。

そう考えると、難しい問題や未出問題に対応すべく、あれこれ手を広げすぎても思ったより点数は伸びないということになります。

(*もちろん過去問を完璧に解ける人が更に実力を伸ばすべく問題を解くのはいいんです。ただ中途半端にいろんなものに手を出すくらいなら、まずは過去問で良く出題される論点に絞って勉強したほうがいいということです。)

なので、どんな問題が出ても合格点を確実にとれるようにしたいなら、「過去問9回分+サクトレ等のテキストに載ってる例題+ネットスクール購入特典の過去問4回分」を解けるようになるまで勉強するのがベストです。
過去問9回+αが解けるようになれば、ほぼ確実に合格点がとれると思います。

もっとも、まったく未知の状態では過去問題集の解説を読んでもさっぱり理解できないと思うので、まずは「サクッと受かる~」の章末に乗っている例題・基本問題くらいは一通り解ける状態にしてから過去問題集に取り組んだ方が、勉強はスムーズに進むと思います。

結論⇒過去問頻出論点は完璧に、未出・難問論点は基本さえ理解していればOK

(科目別対策法は別記事に移動しました。)

<参考 資格スクールの日商簿記・全経簿記講座>
資格の学校TAC<簿記検定>各種コース開講
ネットスクールWEBショップ
簿記 <資格の大原>日商簿記・全経簿記

コメント

  1. 駄目夫 より:

    こんにちは。私も会計の勉強をしていますので、大変興味深く、読ませて頂きました。
    私は、今年日商2級や全経1級を取得しました。また関連資格として、今まで商工会連合会簿記3級、全商簿記1級、日本ビジネス簿記2級、建設業経理士2級、仕訳能力2級、計算実務1級を取得し、今後社会福祉会計簿記、ビジネス会計、ビジネスキャリアを取得予定です。
    BATICは英語苦手なので無理、中国五県簿記はよくわからないのですが、まだいろいろありそうですね。ただ、銀行業務検定は思いつきませんでした。年金アドバイザーとともに、財務も課題にしたいと思います。
    全経上級は難関だと思っていましたが、やる気が出ました。貴重なアドバイスありがとうございました。

    • miwa@管理人 より:

      >駄目夫さん
      簿記・会計系資格を随分お持ちなんですね。
      中国五県簿記は初めて聞きました。北関東簿記と同様に、その地方だけでやってるローカル簿記検定の一種なんでしょうかね?

      全経簿記上級は、覚えることは日商簿記1級と同じくらい多いんですが、過去問と似たような論点が繰り返し出ているので、日商簿記1級よりはずっと対策がしやすいと思います。日商簿記2級⇒1級は結構ハードルが高いけど、その間に全経簿記上級を準1級感覚で入れてみるのも悪くないですよ。
      難点は日商1級より知名度がないことと、試験会場が少ないことくらいですね(でも札幌でしたら札幌市内に試験会場があったはずです)。

  2. ブランコ より:

    初めまして。
    いつも楽しくブログを拝読させてもらっております。
    私も来年7月の全経上級試験を独学で挑もうと考えております(初学です)。
    そこで勉強法についてのお尋ねです。ネットスクールの参考書を買いましたが、それを読みつつ、過去問を解くスタイルで良いのでしょうか?問題集が少ないので、併せて日商1級の問題集等を解いた方が良いのでしょうか?
    ご教授いただけましたら幸いです。
    よろしくお願いします。

    • miwa@管理人 より:

      >ブランコさん

      はじめまして。コメントありがとうございます。
      全経簿記上級にチャレンジなさるのですね。

      >ネットスクールの参考書を買いましたが、それを読みつつ、過去問を解くスタイルで良いのでしょうか?

      これでいいと思います。
      というか本試験までに、参考書の例題+過去問9回分+ダウンロード特典問題(4回分)を完璧に解けるようになるまでに至らない人のほうが圧倒的に多い(自分も1・2回目の受験の時は過去問題集さえ全部やり通せなかった)ので、まずは全経用の過去問が解けるようになることを目標にした方がいいですね。
      中途半端に日商1級の問題を解いても、全経の問題が解けるようになるわけじゃないですし(苦笑)
      7月まではまだ時間がありますから、今は手持の教材を使ってじっくりと基礎を固めた方がいいと思います。

  3. まぁや より:

    こんにちは
    miwaさんはサクッとうかるシリーズの工業簿記の方は利用なさらなかったのですか?

    • miwa@管理人 より:

      まぁやさん
      サクッと~の日商1級の、商業簿記・会計学3冊、工業簿記・原価計算3冊とも参考書として使ってましたが、過去問の演習がメインでした。

  4. まぁや より:

    ありがとうございます
    2級までサクッとを利用していたのでこちらを購入しようかと思っています

    • miwa@管理人 より:

      >まぁやさん
      日商簿記1級のサクッと~でも十分代用できると思いますので、全経上級の過去問とセットで勉強されるといいでしょう。頑張ってください。