高橋秀実「趣味は何ですか?」 棲み分けとマニアのジレンマ


これといった特定の趣味のない著者が、坂本竜馬・乗り物(無線・飛行機・鉄道・戦闘機)・そば打ち・ヨガ・切手蒐集・お遍路(寺院めぐり)・手相占い・エコ活動・防災活動・亀の飼育・ボウリング・階段…といった、いろんな趣味を持つ方に話を聞いたり、時には体験をしたりするエッセイです。

それにしても、世の中には本当にいろんな「趣味」があるんですね!
…って、「資格取得」が趣味のお前には言われたくないわ、ってツッコミを受けそうですが(笑)。

さて、この本で興味深かったというか、ちょっとドキッ!としたのは、「趣味は持つものだが、マニアはなるもの」というところです。

「マニアは人がやっていることは嫌いなんです」
 確かに、みんながやっていることをやる人を「マニア」とは呼ばない。
「誰もやってないだろうということをやるのがマニアです。流行ったら終わりなんです」
 ここで写真を撮ることはみんながやっているので最早、「マニア」とは呼べないらしい。
一般社会から見れば小数派だが、少数派の中にいるとそれが多数派になるというジレンマなのである。
 聞けば、現在の飛行機マニアの多くは鉄道マニアからの流入組だそうである。
鉄道マニアの世界は歴史も古く、そこには「ベテラン」がいて上下関係のような「ヒエラルキー」が形成されている。
珍しい鉄道の写真を撮ってもベテランに「そんなの持ってるよ」と鼻で笑われたりする。
新人は「下積み生活」を送らなければならず、それに耐えられない人が飛行機に映ってきたらしい。もともとの飛行機マニアからすれば迷惑な話で、飛行機の世界はたちまち多数化してつまらなくなる。
そこで一部の飛行機マニアはヘリコプターマニアに「宗旨替え」したそうだ。ヘリポートへ出かけてヘリコプターの写真を撮ることになるのだが、次第にそこにも人が増えてくる。するとまた一部の人が薬剤散布ヘリコプターマニアに転向したりする。通称「薬散」。風向きなどを計算して迫力ある散布写真を撮ったりするそうなのだが、ここまで「人がやっていないこと」をすると今度は話し相手がいなくなる。
少数派を追求しすぎると少数派であることを認めてくれる人もいなくなる。これを彼らは「壊れる」と呼ぶのである。
「マニアは人より少し上に立ちたいんです」
佐伯さんが続けた。
ー少し上、ですか?
「そう、上に立ちたいけど友達もほしい。友達に『おぉー』と感心されたい。幼稚といえば幼稚ですけど、それがマニアの心情なんです」
 マニアは趣味より政治に近いようだ。「人より上」ならリーダー争いになるが、みんなが「人より少し上」を目指すので細かな棲み分けになってしまうのである。

(kindle版・ロケーション4096の519~536より引用)


マニアは、人よりも優位に立ちたい。
多数化するとつまらなくなる。
かといって、あまりにもマニアックすぎる方向に行くと、(その価値を)認めてくれる人がいなくなる。
だから「少し上」に立ちたい。

これ、なんかわかるなー。
というのは、自分が何の資格・検定試験を受けようかな?と迷うときは、「世間的な知名度・評価」がチラつくからです。

とはいいつつも、自分ならではの強みも欲しい。
皆が持っているようなメジャーな資格ばっかりだと物足りない。
おのずと、他の人が持っていない(資格マニアの中では持っている人が少ない)資格も一つ二つは欲しい、と欲がでてくるんですよね。

勿論、独自路線をつらぬきたいだけなら、受験者が少ないマイナーな試験を受ければいいだけの話。
幸か不幸か、世の中には数千個の資格・検定試験があるし、新しい検定・資格も年々増えているのだから、さがせば誰も持っていない資格はあるはずなのです。

ただ、やっぱりここでも、あまりにもマイナーな方向に行き「すぎて」しまうと、一般どころかマニア間でも知名度がなさすぎて「ふーん、そうなんだ。お疲れ様。」という感じで、スルーされてしまうような気がするのです。
知らないものは評価できない・評価のしようがないわけですから(苦笑)。
せっかく頑張って取ったのに、その努力がスルーされちゃうとやっぱり悲しいのも事実。

そう考えると、私としては、何の試験を受けようかと迷ったときは、やっぱり知名度と評価の高いものを優先したくなるのです。
あまりにもマニアック「すぎる」資格試験を受けるのは、「他の人が持ってない資格が欲しい」以外の具体的な理由がない限り、どうしても躊躇してしまうんですよね(苦笑)

また、マイナーすぎる資格・検定試験は、使いやすい適切な教材がすくない・試験の作りが下手なのか難易度が安定していないことが多いが故に、勉強がやりにくいのであまり好きではない、というのもありますが…。

勿論、私の考えが絶対的に正しいとか、マイナー資格には価値がないとか、そういうことを言いたいのではありません。

あくまで、「約8年+2年半(社労士受験生期間)で資格を約140個ほど取得していく中で『何の資格・検定試験を受けるか?』という選択の基準が変化してく過程」が、『人よりも少し上に立ちたいけど友達もほしい』というマニアの心理に似ていると感じたという話なんです。

それにしても、この本を読んでいると、本当に世の中にはいろんな趣味を持っている方がいて、「へぇーそんな世界があるんだな!面白そう!」と思う一方で、正直言うと「何でそんなことをやっているの?何がそんなに面白いんだろう?意味ワカンネ」と失笑してしまう箇所も多々ありました。

でもそれって、結局のところは「何でそんなに(使いもしない)資格をとってんの?」と私に対して疑問をぶつけてくる人と同じだよな、とも思います。

その趣味・マニアの世界では普通・多数派であっても、枠から外れた一般の世界の人から見れば、やっぱり理解できないことが多いんですよね。

なので、趣味に対して疑問をぶつけてくる相手に対して、必要以上に腹を立てるのはやめよう、理解してもらえないことに対して怒るのはやめよう(理解されないのが当たり前なんだし)…と思いました。

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コメント

  1. べし より:

    私の個人的意見ですが、「資格取得」を趣味にしている人達のなかにマニアはいます。例えば、下位資格から順次取得、フルビット、年間〇〇件以上の取得等。私はマニアではないですが、危険物はフルビットです。私が若かった時、実務経験がないと丙種しか受けられなかった(乙類に実務経験が不要になったのは1989年4月1日以降)。

    • miwa@管理人 より:

      >べしさん
      私としては、仕事や学業で必要に迫られてではなく、ただ単に趣味的な理由で資格を複数取っている人はマニアと言ってもいいんではないかなと思っています。
      危険物乙種の受験資格解禁は1989年4月1日以降だったんですね!
      だから古株のマニアさんは丙種危険物を持っているのかー。

  2. りゅう より:

    資格マニアの定義が
    分からないです(・∀・)

    仕事に必要なもの以外の資格○○個以上持ってるとか?

    法律上、必要ないけど今の業務に
    関係はあり、スキルアップの為に資格
    いくつも取ってるとか、かな〜?

    まー難しいこと考えず
    好きだからやる、でいいと思います(・∀・)

    趣味って、そうだと思うし

    あ、みわさん
    甲種2類 実技53%で落ちちゃいました
    (・・;)

    泡はマニアックですね・・・
    3月にリベンジします。

    あとは今週の金曜日に公害防止管理者の
    合格発表で今年の資格すべて
    終了です(・∀・)

    • miwa@管理人 より:

      >りゅうさん
      上にも書いたけど、仕事や学業と関係のないところでわざわざ資格試験を受けに行くかどうかが、分かれ目の一つになると感じています。
      客観的に見たときに、資格マニアなのかそうじゃないかという区分けの一つといいますか。
      だって仕事で必要に迫られて資格をとっている人のことをマニアとは呼ばないですよね(苦笑)
      「必要もないのにわざわざ好き好んで」という要素があると、客観的にはマニアと呼ばれるんじゃないかなと思います。
      勿論、自分で名乗る(or名乗りたくない)のは個人の自由だと思いますが。

      甲種2類は残念でしたね。うーん。
      覚えることは少ないけどマニアックだからなー。
      マイナーだから問題集も微妙だし。次は頑張ってくださいね!

  3. 夢帽子 より:

    自分は資格マニアなのに、私資格マニアなんですけど、って言われたらイラっとしますよね〜。さらに、自分が取ろうと思ってる資格を持ってたりすると(笑)
    なんか、人より少し上ってわかるなー。リアルで資格友達いらないですもん。普通の人に頑張ってるね!すごいねって言われたい(笑)

    • miwa@管理人 より:

      >夢帽子さん
      もしリアルに自分みたいな人がいたら、逆に私は「その人には負けたくない」と心の中で密かに闘志を燃やしますね。
      あるいは、敢えて違う路線(その人には絶対できそうにないもの)を求めたりするかな。

  4. nuts より:

    来月、冷凍機械責任者か管理業務主任者の合格発表があれば、晴れて30個目の資格となります。
    マニアかな?とも思うけど、
    不動産、ビルメン系に集中はしてるので、無目的というよりは一応の方向性は決めてやっています。

    先日の管理業務主任者でやや燃え尽き気味ですが…

    • miwa@管理人 より:

      >nutsさん
      30個目!もうすぐ達成ですね!
      マニアかどうかはおいといて、ある程度一定の方向性を決めておいたほうが、数を集めるのも質を高めるのも効率がよいと思います。
      セブンイレブンの集中出店みたいなもんですね。

  5. MT より:

    今晩は。
    こちらへの投稿は約1ヶ月ぶりになります。

    以前喋ったような気もしますが、
    私の場合、資格試験は必要に迫られるまで
    受験しないことの方が多いです。

    乗り鉄の私は、自宅受験できることもあって
    12月10日に、『国内旅行業務取扱者試験』の前哨戦となる
    『国内旅行理知検定試験(3級+4級)』を受験しました。
    (3級試験受験時には、少しパソコンのトラブルがありまして、
    解答を解き終えたのが時間ぎりぎりでした)
    自宅受験だと「調べながら答えることもできるのではないか?」
    という方もいらっしゃいますが、
    2級試験で、それをやってしまうと確実に時間オーバーになると思います。

    • miwa@管理人 より:

      >MTさん
      お久しぶりですね。
      まぁ世間一般では、必要もない試験をわざわざ受けるほうが、圧倒的に少数派なんだろうなだと思いますよ。
      国内旅行地理試験はパソコンでも受験できるんですね。
      確かに、時間制限があると、ちょっと調べているだけでもすぐに時間が足りなくなりそうですね。
      なのである程度はガチで勉強しないと合格できないように作られていると思います。