「社会保険労務士試験で独学を勧めない5つの理由」を克服する方法

yakkai

前の記事の続きです。

①試験範囲が広く、選択肢一肢一肢が結構細かい論点を突いてくるので、ついつい難しい論点にハマりやすくなる→その結果、「木をみて森を見ず」という状態になりやすい
②選択式・択一式にそれぞれ科目ごとの足きりがあるため、とりあえず一通り学習しておかないと(特に選択式の)足切りで不合格になる恐れがある。→勉強範囲がおのずと広くなるうえに、捨て問が作れない
③法改正がやたら多くて細かい
④白書科目(労働・社保一般常識)をどう勉強したらいいのかわからない
⑤一般常識の試験範囲が広すぎて対策を立てづらい(そこから選択式が出題されることも多い)

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独学ではカバーできないのか?

①基礎基本を大切に

①は、科目にもよるけど、まずは択一式で足きりラインに引っかからないように、基本的な論点を押さえていきましょう。
といっても、法律の条文をいきなり暗記するのではなく、初学者向けの入門書などで、各法律のアウトラインを大まかに捉えておくといいと思います。

最低の足きりラインを超えるためには、まず過去問で出題された論点は絶対に落としてはいけません。
あと、細かい数字・紛らわしい数字(金額・提出期限、時効など)が多くて嫌になりますが、いきなり数字を丸暗記するのではなく、各法律ごとに横断的に比較をしたりしながら覚えます。

ただ、トータルで合格点が超えられるようになる頃には、足きりもおのずとクリアできるようになっているはずですから、択一の足きり(各科目4点以上)はあまり気にしなくてもいいでしょう。

②選択式よりまずは択一式

②選択式は、選択式対策の問題集を一通り解けるようになれば十分です。仮に選択式の問題集では見たことがない問題が出題されたとしても、そういうときはほかの受験生も解けないので、2点救済になる可能性が高いです。

また、過去に出題された択一式の肢を焼き直した問題が出題されたりしますので、択一式の学習の時点で、用語や数字・固有名詞など「5W1H」を意識しながら勉強するのがいいと思います。

私的には、選択式よりも択一式の方が難易度が高いと思うので(選択式は「わかっていれば」すぐに解けるが、択一式の問題文は一癖二癖あり、生半可な知識だと引っ掛け問題で引っかかりやすい)、まずは択一で合格点が取れるまでみっちり問題演習をやりましょう。選択式対策はそれからで十分です。

というか、選択式の足切りを心配するのは、択一で合格点がとれるようになってからにしてください。本試験では、そもそも択一の合計点で合格点が取れずに不合格になる人が圧倒的に多いのです

③法改正は2~3年分チェックする

③については、法改正はその年以外にも、2~3年以内に改正された箇所についてもチェックしておきましょう。また、今後法改正が予定されている箇所についても、狙われる確率が高いように思います。

④傾向と順位に注目

④は、統計の数字を丸暗記するのではなく、順位、前年比(増・減・横ばいなど)、史上最高・最低といった傾向をおさえるようにしましょう。
なお、白書を試験対策として購入する必要はありません。
厚生労働省のHPに白書、年次報告書の概要版が載っています。
ていうか白書の問題はそんなに多くはないです。読んでみたい人は試験が終わってからじっくり読んでください。

⑤法令で得点を稼ぐ

⑤の一般常識は、満点狙いの勉強をやめること、過去に出題された論点、法改正があった箇所を中心に勉強しましょう。

労働一般・社保一般の選択式対策としてはハッキリ言ってどこが出るかなんともいえないので、せめて各法律の総則(特に目的条文)は絶対に落とさないこと、選択式対策の問題集数字、固有名詞をしっかり抑えておけば事足りると思います。
というか一般常識はキリがないですから、このくらいで十分です。

選択式も択一式も、一般常識で満点を狙うのではなく、最低でも足きりに引っかからない程度でとどめておいて、余った時間は国民年金・厚生年金に時間を割いた方が得策でしょう。

ちなみに社一と労一の択一はどちらが点数を取りやすいかというと、社一の方です。労働一般は法律以外にも白書・統計などから出題されるのに対して、社保一般は国民健康保険法や介護保険法、児童手当法など、法令からの出題がメインなので対策が立てやすいから。少なくとも法令からの出題は落とさないようにしましょう。

労働・社保のトピックスもチェックする。
なお、一般常識は、普段から新聞やニュースで労働・社会保険関係のトピックスに注意しながら読んでおくと、問題を解くときの手がかりになります。

現にH20年の選択式試験で、最低賃金に関する問題が出題されました。
私は、一般常識の選択式は「労働契約法」「パートタイム労働法」「派遣法」あたりが来るかな~とヤマを張っていたため、最低賃金法の勉強は手薄になっていました。
そうですね、基本書に載っていたな、というレベルの認識でしかなかったです。

問題を見た瞬間、一瞬頭が真っ白になりましたが、その昔大学生のころ、アルバイトを探して求人誌を読んでいたとき、求人誌の最後の方に最低賃金について書いてあったな~ってふと思い出し、その雑誌の誌面に書いてあったことを必死になって思い出したら問題が解けました(笑)

法改正情報等については、厚生労働省のHPやハローワーク、年金機構等のHPを参考にするのもいいですね。
厚生労働省
日本年金機構
全国健康保険協会
ハローワークインターネットサービス

難しいけど、決して不可能でもない

いろいろ書きましたが、独学で合格することは難しいけど、決して不可能ではありません。
要は、試験当日に合格点がとれればいいのです。
試験の合格点は、年によって異なるけど、選択式で各科目3点以上かつ28点以上、択一で各科目4点以上かつ総合42点~48点(6割~7割)以上です。

当日の試験で、これ以上の得点が取れれば合格できるのです。
シンプルなことを言えば、社労士試験は過去に出題された論点から7~8割出題されるのですから、過去問題集をマスターしちゃえば、合格点は十分にカバーできるのです。

2011年版 出る順社労士 ウォーク問 一問一答カード①労働編 (出る順社労士シリーズ)
2011年版 出る順社労士 ウォーク問 一問一答カード①労働編 (出る順社労士シリーズ)  2011年版 出る順社労士 ウォーク問 一問一答カード②社会保険編 (出る順社労士シリーズ)

上記をふまえて、市販の基本書&過去問を使った独学を選ぶか、スクール(通学・通信)を選ぶかを検討してください。ただ教材を買うだけ、講義を受けっぱなしではいつまで経っても合格できません。

独学でもスクールでも、選択式・択一式で合格基準点をクリアできるようになるまでには、知識量の蓄積と問題演習が必要です。
幸い、社労士試験は、市販の参考書も対策講座も豊富なので、自分の生活スタイルや学習習慣にあったものを見つけてください。

参考:各資格スクールの社会保険労務士講座(例)

LEC東京リーガルマインド 
→合格講座、短期集中合格コース、出る順社労士必修講座解説講座などの一括セットの他、法改正や白書、一般常識等に絞った単科の講座も多い。通信・通学どちらも可能。

資格の学校TAC<社会保険労務士>各種コース開講
→速修本科生、入門総合本科生Plus・総合本科生Plusといった初学者向けコースや、受験経験者向けの知識グレードアップ・ゼミなど、レベル別のコースが充実している。通信・通学どちらも可能。

クレアール社会保険労務士アカデミー
→一発ストレート合格スタンダードコース、2016・17・18年合格目標 カレッジコース(次年度もしくは次々年度まで学習できる)などがあります。

資格の大原
→完全合格コース、上級コースと、初学者・受験経験者向けのコースがある。通学・通信どちらも可能。
通学の場合は自習室の利用もできる。

生涯学習のユーキャン
→通信講座のユーキャン。メインテキストがB5サイズ・科目ごとに分冊されており、携帯性がよい。

山川靖樹の社労士予備校
→社労士初級講義88回分が無料視聴可能という、太っ腹な予備校!

コメント

  1. 独学君 より:

    こんにちは!
    社労士を独学しようとしている独学君です(素人)
    現在、うかる!社労士入門ゼミで勉強しています。
    10月になったら発売されるうかる!社労士総合テキストで勉強しようとおもってますが、このテキストでも大丈夫ですか?
    (これでは全然おいつかないとあるのかなと・・・)
    今後買う予定の参考書・問題集
    うかる!総合テキスト
    うかる!問題集
    うかる!一問一答式問題集(2冊)
    うかるぞ!横断式テキスト
    過去問題集(どこかきめてません)
    公開模試(3回分)←市販の問題集(5月ごろ発売)
    法改訂は『うかる!社労士』のHPで確認(新聞も・・・)
    うかるぞ!シリーズのほうが人気があるようですが、なんかみづらい感じがします。
    出る順社労士の総合テキストはいいとおもいましたが、発売日が12月?
    ただ今、社会人21年目です。
    ちょっと不安なもので・・・
    ちなみに田舎に住んでいるので、予備校は無理です。
    極力、独学ですませたい←甘い思うかもしれませんが・・・
    うかる!シリーズをしっかりやったらOKですかね~?

  2. miwa より:

    >独学君 さん
    はじめまして。コメントありがとうございます。
    結論から言うと、独学でも合格できる人はできます。
    よほど法律系国家資格の受験テクニックに長けている人じゃなければ、予備校・通信・独学どれを選んでも、合格までは長期戦(半年~1年半コース)を余儀なくされる人が殆どです。
    試験自体の難しさもありますが、そもそもそんなにモチベーションが保てない・勉強を続けるのが難しいんだと思います。
    ご質問の「うかる!社労士」シリーズは富田先生の本ですね。
    私は使ったことがないのですが、amazonの中身検索で総合問題集を見ると、基本書へのリンクページが貼ってあり、参照条文も書いてあるので使いやすそうですね。
    教材量はコメントで挙げられていた「うかる!シリーズ一式」で十分…というか十分すぎます(汗)
    また、総合問題集があれば過去問題集は要らないと思います。
    勿論その教材には載っていない問題もいくつか出てくるでしょうけど、基本書と過去問と選択式問題集をきちんとやれば、合格点を取れるだけの知識量は十分カバーできると思います。
    ところで、択一で8割近くとっているのに選択で足きりで涙を呑む人も少なくないですが、実際にはそもそも択一で合格点が取れない人が圧倒的に多いです。
    優先順位としては、まずは択一式で7割ちょい以上(70点中50点以上)とれるように勉強することだと思います。選択式はそれからで十分です。

  3. 独学君 より:

    ありがとうございました。
    過去の受験勉強の経験から、良い参考書、悪い参考書、自分に合う、合わないがあるので、心配で聞いてみました。
    これから、長期戦がんばります。
    なんか大学受験をおもいださせるような資格ですね。
    ちょっとちがうかな?(笑)
    私は一年浪人して大学に入りましたが、まだ時間があると余裕だとおもっても、意外とあっという間なんですよね~。
    昔、日本史を勉強してた時、細かいこと覚えるのに必至になっていたら、基本の骨組みが見えなくなってしまった覚えがあります。まさに、『木をみて森を見ず』とはこのことですね。
    基本に忠実にがんばります。

  4. miwa より:

    >独学君さん
    そうですね~社労士試験は数学や理科の要素は殆どないので、私立文系の入試みたいな感じかもしれませんw
    長丁場なのは同じでも、大学受験は合計点で合否が決まるので、苦手科目を他でフォローできるし、そもそも苦手科目を選択しないということもできるのですが、社労士は苦手な科目でも一定のレベル(=足きりにひっかからないレベル)に達するまでは勉強しなきゃいけない点が厄介かもしれないです。