漢字検定1級対策で使用・購入した、辞書・参考書類について説明します。
辞書類
「漢検漢字辞典」
「漢検四字熟語辞典」
「学研新漢和大字典 普及版」
「故事俗信 ことわざ大辞典」
「中国古典名言事典」
「新明解 故事ことわざ辞典」
の6冊を購入しました。
それ以外にも、オンラインの漢字辞典・国語辞典を活用しました。
・漢字ペディア
・漢字辞典オンライン
・四字熟語辞典オンライン
・goo国語辞書
★漢検漢字辞典・漢字検定四字熟語辞典
先に結論を言うと、上にあげた6冊の辞書の中で、1級初合格を目指す人にとっての必須アイテムは、漢検協会の漢字辞典・四字熟語辞典です。
特に、勉強の初期段階のうちは、まずはこの2冊を買っておけば十分です。
2級までは、意味を知っている用語の方が多かったし、準1級はカバー率問題集にも簡単ながら言葉の意味が載っていたので、漢検漢字辞典の必要性はあまり感じませんでした。
(後から振り返ると、準1級受験の時点で漢検辞書2冊を買っておけばよかったな~とは思ったものの、準1級受験の時点では、1級を受験することは全く頭になかったのです)
ただし、1級では、本家の漢検協会の辞書(漢検漢字辞典・四字熟語辞典)は2冊とも必須です。
漢検協会が発行している2冊の辞書が、実質上の1級テキストと言っても過言ではありません。勉強の初期・中期・後期、すべての期間にわたって使います。
1級は問題集に載っている問題だけでは合格点に届かないので、過去問や問題集を覚えるだけでなく、辞書をひいて、1級配当漢字の音読み・訓読み、熟語の意味、類義語・対義語、当て字、四字熟語、諺などのボキャブラリを増やしていくことが大事です。
これから1級に挑戦する人で、まだ漢検漢字辞典2冊を持っていない人は、今すぐ買ってください。
漢検協会の辞書2冊の値段(3,564円+3,024円=6,588円)と1級受験料(5,000円)を比較すると、辞書代をケチったがために不合格になるくらいなら安いものです。
★学研新漢和大字典 普及版
1級は、漢検協会の漢字辞典の見出し語に載っていない熟語が、1~1.5割くらい?出題されます。
特に「音読み問題」「熟語の読み・一字訓読」では、「こんな言葉聞いたことないよ!」っていうマニアックな熟語の出題が多いのです。
とはいっても、初学者~中レベルのうちは、大型の漢字辞典は必須ではありません。
ある程度学習に慣れて、漢検辞典では物足りなさを感じるようになってから買っても遅くないでしょう。
まずは、手持ちの漢検漢字辞典と四字熟語辞典をキッチリ使いこなしてください。
ただ、高得点での合格を狙いたい人とか、難関回に当たっても確実に合格ラインをクリアしたい人は、大型の漢字辞典をつかって、類義語や熟語を調べることも必要になってくると思います。
★新明解 故事ことわざ辞典(第二版)
必須とまではいかないけど、初期段階で買っておいても損はない辞書です。
字が比較的大きめ(漢検漢字辞典と同じ位)で読みやすいので、過去問を全てマスターした後に、過去問外の諺をインプットする、復習したい時に読んでいました。
マイナーではない、メジャーな故事ことわざ(※とはいっても1級に出てくるものは、世間的に見ればどれもマイナーなものばっかりじゃん!って感じなのだが…)を調べるなら、ことわざ大事典よりもこちらの方が字が大きくて読みやすいと思います。
★故事俗信 ことわざ大辞典
故事・成語・諺の過去問を辞書で調べてみるとわかるのですが、漢検漢字辞典や漢字ぺディア、新明解故事ことわざ辞典には載っていない故事・成語・諺が2~3割くらいあって気持ち悪いなーと思ったので、更に収録語数の多いこの辞典を買ってみました。
第二版ではなく、1982年版のほうを買いました。
あえて初版を買ったのはあまり深い意味はなく、単に第二版が19,800円と高すぎて手がとどかなかったからです(苦笑)
そのかわりと言ってはなんですが、amazonのマーケットプレイスで中古本が715円(送料257円)で売られてたので、こちらを買ってみました。
内容的には、「漢検漢字辞典」や「新明解 故事ことわざ辞典」には載っていない故事・諺が多く載っているのはいいんだけど、紙が薄くて開きづらいし、字もやや小さめで読みにくいです。
なので、これは漢検漢字辞典に載っていない、マイナーな故事・諺の答え合わせ(確認)用という位置づけで使っていました。
これは初学者のうちは買わなくていいです。ある程度勉強が進んでからでいいでしょう。
というか買ってみたはいいけど、全然使いこなせませんでした(今後リピーターとして参戦するときは使うと思います)。
新刊はさすがに値段がかなり張るので、初学者のうちはオススメはできませんが、初版・第二版問わず、中古本が安価に買えるチャンスがあれば、買っても損はしないかな?と思います。
ちなみに、第二版の方にはCD-ROMがついているようです。
★中国古典名言事典
故事・成語・諺対策、四字熟語対策として購入しました。
ある程度四字熟語と故事成語の勉強が進んだところで、一通り読んでみると、より一層理解が深まり、記憶の定着に役立ちますので、勉強がある程度進んだら買ってみるといいかもしれません。
また、読み問題や書き問題で使われている短文は、実は中国古典から引用した文章も多いので、地味に第1問の読み対策にも役立ちそうです。
とはいっても、私は漢検対策ではあまり読み込むことができませんでした(時間がなかった)。
でも、普通に読み物として読んでもけっこう面白いので、漢検1級の受験者でなくてもこの本はオススメです。
意識だけ高そうな薄っぺらい自己啓発書を読むよりも、ずっとためになることが書いてありますしね。
なお、この事典は、文庫版と卓上版の2種類があります。
私は電車の中で読むことが多いので、文庫版の方を読んでいました
(卓上版は大きくて重たいので、あまり開くことがなかったです)
個人的には、この本はいい本だと思うので、kindleや電子書籍でも売っていただきたいと思います。そしたら絶対kindle版推しですね。
参考書籍(難読系)
漢検問題集以外の一般書籍もいくつか買いました。
・読めたらスゴイ! 漢字1000 素寒貧、晩生、剽軽、阿る…これをズバリ読めますか? (KAWADE夢文庫)
・読めないと恥ずかしい漢字1500
・漢字博士養成ドリル―<当て字・難字>編
・アタマがよくなる漢字クイズ
11月の試験が終わった後、たまたまkindle版の「読めないと恥ずかしい漢字1500」をもう一度読んでみると、「あ、なんかこの本、1級の書取問題に出題されそうな漢字が結構多いかも?」と感じました。
(市販の難読漢字系の本は、勉強の初期段階~中期の頃は、kindleで隙間時間で読んでいたんですが、他の問題集の対策が忙しくなったので、暫く放置していました)
準1級受験生だったら読めれば十分ですが、1級受験生はこのような一般書籍で取り上げられている「難読漢字」を「書ける」レベルにまで引き上げたいところです。
1級の書取問題は「読めるし意味もわかるんだけど、いざ漢字で書けといわれたらスッと思い出せない」「新聞や雑誌ではひらがな・カタカナで表記されている言葉」など、記憶の死角をつくような出題が多いです。
(例)
人を虚仮(こけ)にする
転た寝(うたたね)
悉(ことごと)く
具(つぶさ)に
儚(はかな)い
劈(つんざく)く
齧(かじ)る
拗(こじ)れる
そう考えると、市販の難読漢字系の本に載っている、動作や感情、病気、体の部位の名称、ことわざなどの「難読漢字」を書けるように練習するのは、実は結構効果があるかもしれないと思いました。
勿論、優先的にやるべきことは、漢検1級の過去問と1級用の問題集です。
まずはここに載っている問題(定番問題)をキッチリと解けるようにすることが前提になります。
「一般書籍の難読漢字の書き取り練習」は、応用漢字の練習の一環として、1級の定番問題が一通り解けるようになってから取り組むのがいいでしょう
漢検1級の問題集をマスターした後であれば、7割くらいは初見でも「書ける」と思うので、残りの3割(書けない漢字)が書取系問題の新作問題対策に役立つと思います。
参考書籍(現代文学、中国古典など)
・大人の国語力がつく漢詩一〇〇選 (角川SSC新書)
・中国古典一日一言
・中国古典「一日一話」 三笠書房 電子書籍
上のほうで、「中国古典名言辞典」を参考書籍としてあげましたが、結構ボリュームがあって読むのが大変なので、入り口としては、まずは文庫版(kindle版)の手軽な本から読んでみるのがいいかもしれません。
あと、文章題対策用として、近代・現代文学のkindle版をいくつかダウンロードしてみました。
・山月記(中島敦)
・李陵(中島敦)
・悟浄出世(中島敦)
・弟子(中島敦)
・恩讐の彼方に(菊池 寛)
・舞姫(森 鴎外)
・渋江抽斎(森 鴎外)
・義血侠血(泉 鏡花)
・日和下駄 一名 東京散策記(永井 荷風)
・「いき」の構造(九鬼 周造)
kindleを持ってない人は、青空文庫のサイトから読めます。
どちらにしても、0円で読める作品が多いので、漢検の勉強に飽きた時の「息抜き」がてら、このような文学作品にも目を通しておくといいでしょう。
どちらかというと旧仮名遣いの文章が出題されることが多いので、それらの文章に読み慣れていないと文章の意味がわからず、文章の意味に合致した正しい漢字が書けない(思い出せない)ことも多いので、慣れておくに越したことはないと思います。
(参考:漢字検定1級勉強法記事一覧)
・漢字検定1級 6ヶ月で初合格を目指す勉強法(総論)
・漢検1級の難易度と合格率データ
・漢検1級初合格を目指すために、最低でもやっておいたほうがよい勉強
・漢検1級初合格を狙う勉強法:「リピーター」の勉強法はある程度実力がついてから参考にしたほうがよい
・漢字検定1級勉強法:漢字検定1級対策で使用した問題集
・(補足)漢検1級の過年度過去問題集を、国立国会図書館で入手する方法
・漢字検定1級対策で使用した辞書・参考書類
・漢字検定1級勉強法 千里の道も一歩から~まずは1冊の問題集をマスターしよう!
・漢字検定1級勉強法 オリジナルノートの作成が避けられない理由
・漢検1級勉強法:合否をわける壁~初見殺しの紛らわしい漢字に気をつけろ!
・参考:漢字検定2級・準1級・1級の難易度を比較してみた!(準1級・1級はどのくらい難しいのか?)
コメント
>意識だけ薄っぺらい自己啓発書
笑ったwww
確かに本屋行くと、腐る程あるけど
中見ると???のものが多いです
中には素晴らしい本もありますが
中々めぐり逢えませんね
>りゅうさん
中国古典名言事典は、たしか40年くらい前の本だけど、今読んでも面白いですよ。
ちょっと読みにくいのが難点ですけどね。
けっこうな出費になりますが、辞書は長く使えるから持ってても良いですねヾ(。・ェ・)
まあネットの影響で、昔に比べて出番は少なくなりましたが(・ω・)
>pitayaさん
漢検漢字辞典と四字熟語辞典はしょうがないけど、他のは案外ネットや電子辞書でも代用できるかもしれません。でも電子辞書でも、広辞苑とかが入ってるモデルはそこそこ高いから、同じようなものかな…。
少し遅くなりましたが、今年も1年有難うございました。
「山月記」等の小説は確かにためになりそうですね。
良いお年をお迎えください。
>MTさん
こちらこそ、1年ありがとうございました。
青空文庫でも読めるので、興味がありましたら是非。