日商簿記1級(工業簿記・原価計算)の出題傾向

前回の商業簿記・会計学編に続いて、工業簿記・原価計算の出題傾向について書きます。

過去問題集はただ解けるようにするだけではなく、同時に出題傾向を分析すること(どういう論点がよく問われるのか・どの程度広く・深く理解しなければいけないかを、自分なりに感じ取ること)がとても大切です。 ...


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日商簿記1級(工業簿記)の出題傾向

工業簿記は、
「個別原価計算」
「総合原価計算(単純・組別・等級別・工程別)」
「標準原価計算」のうち、
「標準原価計算」と「工程別原価計算」からの出題率が高いです。

いずれの計算も、2級工業簿記で基本的なところは学習済みの論点ではありますが、1級は2級よりも更に突っ込んだ問題が出る、というイメージです。

標準原価計算の中でも、仕掛品の計算は「シングルプラン」「パーシャルプラン」「修正パーシャルプラン」の3パターンのうち、「修正パーシャルプラン」の出題、「仕損を含んだ標準原価計算」の出題が多いのが特徴です。
(ちなみに、全経上級の工業簿記では、総合原価計算の出題が多く、建設業経理士1級では、建設業の特性上、個別原価計算の出題が多かったです。)

日商簿記1級で総合原価計算が出題される場合は、「非度外視法」の正常仕損の計算問題が多いです。
※2級では「度外視法」のみの出題だったのが、1級では「非度外視法」と、正常減損・異常減損がある場合の度外視法と、パターンが増えます。

オール計算問題という回もあれば、原価計算基準の穴埋め問題(あるいは語群選択問題)が出ることもあります。

また、本社工場会計(30年ぶり!)や工業簿記の基本知識(勘定連絡)などの、稀にマイナー論点から出題されることもあります。

日商簿記1級(原価計算)の出題傾向

原価計算では、意思決定会計(設備投資or業務的意思決定)、予算実績差異分析、CVP分析、直接原価計算、活動基準原価計算、品質原価計算、連産品といった論点が出題されています。

2級で学習済の論点は、CVPと直接原価計算(全部)くらいでしょうか。
あとは1級で初めて学習する論点が大半となります。

これらの中では、意思決定会計と直接原価計算に関する出題が比較的多めです。
また、理論問題(原価計算基準)からの出題もあります。

古い過去問題演習のススメ

ところで、工業簿記・原価計算については、前年・前々年の新作問題がリメイクされて再登場する商業簿記・会計学とは逆に、5~10年前に出題された論点が忘れた頃に復活することが多いです。

例:予算実績差異分析96回→111回→128回・131回 
標準原価差異の追加配賦87回→111回→144回 
連産品102回→126回→147回
歩留差異・配合差異95回→110回→117回→132回→138回
部門別計算110回→119回→146回
複数基準配賦法・連立方程式98回→119回→146回 
組別総合原価計算114回→129回→137回
全部原価計算と直接原価計算99回→120回→126回(工)→137回(原)・138回
活動基準原価計算95回→108回→117回→128回→146回
予定財務諸表90回→101回→122回
など。

もちろん、1~3年前に出ている論点(標準原価計算の修正パーシャル・プラン、工程別原価計算、取替投資、新規投資など)が再出題されることも多いです。

ただ、過去問20~30回分の出題論点を時系列で見ていくと、工業簿記・原価計算は、「メジャー論点(1~3年サイクルでの出題)」+「ややマイナー論点(6~10年サイクル)」+「理論(原価計算基準)」が組み合わされて出題されていることがわかります。

あと、工業簿記・原価計算は、110回~120回台と130回~140回台の問題を比較すると、実は一昔前よりも、ここ数年の問題の方が解きやすい問題が多かったです。

特に意思決定系(新規投資・取換投資・拡張投資など)の問題を見ると、直近の問題よりも、一昔前の問題の方が解きにくいと感じました。

そういう意味では、工業簿記・原価計算については、もし余力があったら、手持ちの過去問題集(TAC版だと14回分収録)よりも、更に古い過去問を5~10回分くらい上乗せして解くことをお勧めしたいです。

そうすると、メジャー論点~ややマイナーな論点までカバーできるようになるので、より安定して得点を稼げるようになります。

商業簿記・会計学とは異なり、原価計算基準自体そのものにはほとんど改正点がないので、多少古い過去問題であっても、そのまま使えます。(問題文の設定はちょっと時代錯誤なところはあるかもしれませんが…)



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日商簿記1級の受験記録・勉強法(2017年1月~2018年11月)をまとめました。 ※ここが1級勉強法の「まとめページ」になります。 各記事を更新したら、リンクを随時追加していきます。

参考:テキスト・問題集・スクール講座へのリンク
ネットスクール とおる簿記1級(テキスト・問題集)12冊フルセット
サクッとうかる日商簿記1級(テキスト・トレーニング)12冊フルセット
ネットスクール 日商簿記1級web講座
TAC 日商簿記1級 スッキリわかるシリーズセット
TAC 日商簿記 独学道場 1級【ロングラン】フルパック
TAC 日商簿記1級通学・通信講座

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コメント

  1. MT より:

    引き続き、コメントさせていただきます。
    改めまして分かりやすい解説を有難うございます。

    工業簿記は、なんとなく難しく、
    とっつきにくい、という印象がありますね。
    1級試験ともなれば尚更、という感覚です。

    私がもし、日商簿記も受験することになるのであれば、
    2級試験までは成美堂出版の過去問題集を使用することになると思います。
    あくまでも、全経簿記優先でいきますが………。

    • miwa@管理人 より:

      MTさん
      工業簿記は最初はとっつきにくいけど、ある程度勉強が進んで解けるようになったら結構面白いですよ。うちの母親も同じことを言ってましたね(そこは親子で感性が似ている!?)
      日商簿記2級では、工業簿記は得点源なんですよ…っていうか、工業簿記で満点が取れるレベルまで持っていけないと、日商簿記2級の合格は難しいというのが正解かもしれないです。
      ましてや最近の2級は、商業簿記で地雷問題が多いので余計にね。

  2. りゅう より:

    電験の解説もよろです(・∀・)

    何か最近はエネ管より難しいらしいです(・_・;)

    年長の子供は、なんたら英検6級(英語教室のみで有効)受かりました

    分からない所は先生が教えてくれるという
    超激甘な試験だったらしいです(笑)

    そんなんでいいのか??

    • miwa@管理人 より:

      りゅうさん
      電験か~~。なかなか無茶振りですね(;´∀`)
      お子さんのなんたら英検6級、合格おめでとうございます
      先生が答えを教えてくれる激甘試験www
      公的な試験だったらまずいですけど、英語教室限定の幼児向けの試験ですから、とりあえずはいいんじゃないですか?
      小さいうちは、英語嫌いにさせないのが大事ですよ。

  3. ヴェネ より:

    ネットサーフィンしてたら、日商プログラミング検定となるものをみつけました。

    日商なので、言語
    Javaだけかとおもったら、Cでも受けれるようです。
    COBOLはさすがに無いようです。

    ちなみに
    VBAも選択できるようですね。

    一番下位のランクはスクラッチです。さすがにスクラッチは触れたことないんですけど。

    下から二番目は言語によらない…?
    疑似言語なんでしょうか?

    • miwa@管理人 より:

      ヴェネさん
      そうそう、日商でプログラミング検定(CBT)ができたんですよね。
      VBAでも受けられるならやってみたいです…が、日商のことなので、テキスト通りにはしてこないだろうということが安易に予想できますね(笑)
      スクラッチはさすがにどうなのかなーサンプル問題を見てみたら、問題文に振り仮名がふってあったので、これは小中学生向けなんじゃないかと思いました。